2008年05月30日

「地震外交」の愚

四川大地震で中国が日本に軍の派遣を要請しました。

このニュースは海外でもそこそこ大きく報じられていて、欧米のメディアは一様に好意的に伝えています。しかしながら、欧米メディアの報道には、ある種案の定ともいえる嫌な傾向が垣間見えます。

この出来事がニュースバリューを持つ理由は、日中関係がギクシャクしているからに他なりませんが、それについて欧米の主要メディアは、ほぼ例外なくこんな風に述べます。

日中関係は、2001年から2006年にかけての小泉政権時代に、戦中の日本の暴虐について、被害者の気持ちをさかなでる象徴と批判されている靖国神社を参拝をしたことで冷却化した。

Japan military to provide China quake aid
Reuters 08年5月28日(英語)


これは必ずしも間違いとはいえませんが、大きな文脈を無視しており、その結果事実をねじ曲げてしまっています。

小泉首相の靖国参拝は、日中関係を悪化させた原因ではなく、関係悪化の現れ、結果のひとつに過ぎません。日中関係は、それ以前から極度に冷え込んでおり、それを引き起こした最大の要因をあげるとするならば、江沢民政権の極端な反日姿勢に行き当たります。

そのことを無視して、あたかも小泉首相の靖国参拝さえなければ、日中関係は安泰だったかのような視点に立てば、その後に続く論調は自然とこうなります。

靖国参拝をしないという、小泉氏の2人の後継者の賢明な判断と、中国のより実利的なムードにより、小泉首相の退陣以降、両国関係は急速に好転した。しかし今もタブーは残る。戦中の暴虐(特に南京虐殺)を認めようとしない日本の態度。自衛隊のより積極的な活動に対するアジア諸国の警戒感。第二次大戦に関して、双方に見られる自己の見解に固執しようとする態度。そうしたことが、両国の本当の政治的な協力を難しくしている。中国と日本は、お互いに猜疑心を抱いている。

しかしながら自然災害は、硬直した政治的対立を一蹴する力を持つ。ギリシア人とトルコ人の長年にわたる対立は、それぞれの国で起きた2つの地震により解消され、大きな共感の中で互いの見方を改めるに至った。中国の災害も、日本との関係を変える契機になるかもしれない。今こそアジアのヒューマニティを発揮するときだ。胡氏は勇気ある決断をした。今度は日本がお返しするべきだ。

China and Japan: earthquake diplomacy
China's invitation to Japanese troops will change relations in Asia
TIMESONLINE 08年5月29日(英語)


お金と時間をかけて、場合によっては隊員の生命を危険にさらしてまで援助し、さらに「お返し」までしなくてはならないのだそうです。

最新のニュースによると、結局胡氏は勇気ある決断を撤回したようなので、お返しできなくて残念です。

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2008年05月29日

アフリカ問題の核心をつくニュース

横浜で、第4回アフリカ会議が行われています。

福田首相は、15分刻みだかで2日間で計20カ国以上の首脳とマラソン会談をしたとか。手にしたメモを棒読みするだけの、会談とは名ばかりの儀式に過ぎませんが、アフリカのエリートたちというのは結構こういうことをありがたがったりするので、意味がないことはないと思います。

中国の資源外交攻勢を軸に、今アフリカでは、19世紀末の植民地獲得競争以来の「アフリカ争奪戦=Scramble for Africa」が起きているといわれ、これもまた、アフリカ争奪戦の一幕というわけです。

19世紀のアフリカ争奪戦の原動力は、いうまでもなく、「植民地を持つことで国家の威信を高めたい」という、欧州列強の純粋なるエゴでしたが、それは、「未開の民に文明を伝える」「イスラム商人による奴隷取引を止める」という、当時としては美しい大義を伴っていました。

現代のアフリカ争奪戦も、「資源」と「国際会議における議席獲得」という大国の思惑は必ず、「エイズ治療」や「貧困撲滅」などという美しいお題目を伴い、アフリカを伝える報道では、そういう決まりでもあるかのように難民キャンプの子供たちや貧しい人々が主役の地位を与えられます。

昨晩見た「報道ステーション」でもそうでした。

中国の資源外交やレアメタルの高騰で、今アフリカの国々は年4パーセントを越える経済成長をしているが、一般の人々はその恩恵に与れず、むしろ世界的な食糧価格の高騰で生活は苦しくなっている…。エチオピアの現状を伝えるVTRに続いて、司会の古館氏は、アフリカに対する先進国の欺瞞と責任を熱く語り、コーナーを締めくくりました。

しかしこの報道の肝は、その後にありました。古館氏の締めに続いて間髪をいれず、サブキャスターがこうテロップミスを謝罪したのです。

「先ほどのVTRで、福田総理と会談していた首脳のテロップが、エチオピアとなっていましたが、中央アフリカの間違いでした。訂正して謝罪いたします」

ええ、ええ、そりゃ仕方ありません。大方の日本人にとっては、エチオピアも中央アフリカも似たようなものですし、首脳の顔も同じに見えます。いくらアフリカの悲惨を言葉を尽くして語っても、貧しい庶民の救済を訴えても、所詮はレポートの主役として取り上げた国の首脳を間違えてしまう程度の他人事に過ぎず、こればかりはどうしようもないのです。

19世紀末から現在に至るまで、おそらくアフリカほどに人道家の眼が向けられた地域はありません。しかし、今もってアフリカの大部はグダグダです。たぶん「報道ステーション」は、そういう虚しい現実を、思い切った新手法により伝えてくれたのです。

参加国「温暖化で被害」強調
毎日 08年5月29日

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2008年05月28日

炭素割当カード

イギリス発の以下の記事。これを、オーウェリアン的世界といいます。
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2008年05月27日

原油先物取引禁止?

レギュラーガソリンの価格が、来月には170円を突破するようです。ドイツでは、連立政権の片翼を担う社民党が、こんな主張をし始めました。

激しい原油高騰に対処するため、ドイツ社民党は国際的な先物取引の禁止を訴えている。社民党の交通担当ウーヴェ・ベックマイヤーは、WELT ONLINE とのインタビューで、国際的な原油先物取引の禁止について語った。また環境省のミハエル・ミュラー次官(社民党)は、消費者の負担を軽減するために、ディーゼル車に対する税制の変更を訴えている。

現在、ガソリン価格はおよそ1.50ユーロで、ディーゼルは1.49ユーロ。ベックマイヤーは、石油業界と投機家の責任を激しく追及し、25パーセントもの価格高騰は、先物取引に原因があるとしている。「これは明らかにぼったくりだ」と、ベックマイヤー。「G8は、原油高騰を止めるために先物取引を禁止しなければならない。これは大胆な手段だが、実行されなければならない」

社民党 原油とガソリン価格の搾取禁止を主張
WELT ONLINE 08年5月24日(独語)


日本では、暫定税率復活のときに、「欧州では、ガソリンの税率を上げるのがトレンドだ」などとまことしやかに吹聴されましたが、それは数年前までのことで、今やテーマは、どうしたら国民の負担を軽減できるのかに移行しています。

まあ社民党の主張というのは典型的な左翼ポピュリズムで、そのことは(今はまだ)ほとんどのドイツ人も見抜いているのですが、こうした共産主義的主張が先進国の政権与党内から聞こえてくるようになったというのは、事態の深刻さを物語っています。

現在の異様な原油高騰が、やがてははじけるオイルバブルなのか?それともこれが健全な適正価格なのか?あるいは経済システム自体に問題があるのか?世の中をめぐるのはポジショントークばかりで、正解はわかりません。しかしどこに正解があるのだとしても、政治による規制は危険な対症療法でしかありません。

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2008年05月25日

水は環境の敵

この夏に「環境サミット」をホストする日本では、CO2削減に懸命に取り組んでいますが、環境の敵はCO2だけではないかもしれません。ジャマイカの環境学者は、新たな敵を見つけました。

北カリビアン大学の生物、科学学部のマーク・ハリス教授は、一般的に悪玉視されている二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化を引き起こす要因として、水蒸気の前に霞んでしまうかもしれないと述べる。

「一般的に、CO2は悪者とされ、石油会社は強欲で無神経と見られています。一方でクリーンな水は、生命と健康の象徴と見られています」とハリス教授は最近大学で行われた地球温暖化に関する集会で講義した。「よって、水を危険な物質として語ることは流行に反し、場合によっては考えられないことと受け取られてしまうのです」

「水蒸気よりも熱を閉じ込めるガスは、化石燃料を原因とするものもそうでないものも含めて、他にはありません」そう語るハリス教授によれば、水蒸気の熱を吸収する力は、二酸化炭素の3倍におよぶという。「別の表現をすれば、CO2は、5から16ミクロンの波長を持つ熱をブロックしませんが、一般的に水蒸気はブロックするのです」

Less water vapour could ease global warming
Jamaica Gleaner News 08年5月25日


…。

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2008年05月24日

切ない告白

オーストラリアの女性サイトで見つけた、仕事のために不妊を装った女性の告白です。

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わたしの恋愛対象はずっと仕事でしたが、31歳のときに数年間の付き合いを経てすてきな男性と結婚しました。

サムはすぐに子供を欲しがりました。でもその頃わたしは仕事に夢中で、また仕事がうまく行っていたので、何年か待つように彼を説得しました。彼はその後も子供のことを持ち出し、わたしはまだその気になっていなかったものの、やがて子作りを始めることに同意しました。

わたしは葉酸とカルシウムを多く摂り、アルコールをやめました。でもわたしは、密かにピルを飲み続けていました。申し訳ないとは思いましたが、もし今妊娠すれば、仕事を失うことになるからです。そうすることがお互いの幸せのためだと考えていました。それに、その頃わたしはまだ34歳で、子供を持つのは、仕事で成功してからでも遅くないと考えていたのです。

サムは喜びました。彼はわたしたちの「子供」のためにベビー用品を買い始め、どのベビーベッドがいいか、どのチャイルドシートがいいか、どのベビーカートがいいかをリサーチし始めました。私は悪いとは思いましたが、その頃また昇進したこともあり、仕事に没頭することで嘘をついていることを忘れました。

毎月生理が来るたびにサムは落胆し、わたしも落ち込むフリをしました。彼はわたしのために子作りに効くビタミンいっぱいの食事を作り、妊娠しやすくなるというアロマオイルを焚いたりしました。1年ほど「失敗」が続いた後、サムは医者に検査してもらおうと提案しました。わたしは拒みましたが、最後には承諾せざるをえませんでした。

子宝を待ち望むカップルに囲まれて待合室で待つのは、最低の気分でした。わたしは医者に嘘をつき、さまざまなテストを受けました。そして我慢の限界が来ると、サムの前で泣き崩れ、検査を受けるのは屈辱的で、自分が欠陥品のように思えてくると訴えました。わたしは罪の意識でいっぱいでした。サムはいつものように理解があり献身的でした。彼に嘘をつくのは本当につらいことです。

サムはあらゆる手段の「自然治療」にお金をつぎ込む一方で、わたしの仕事はより忙しくなり、わたしたちはストレスからよく喧嘩をするようになりました。サムは、仕事ばかりして体に負担をかけるわたしを責めました。しかしやがてわたしたちはいがみ合うことをやめ、子供を持つことをあきらめるに至りました。

今わたしは46歳で、もう子供は作れそうにありません。友人の子供たちと遊んでいるときのサムの悲しげな表情を見ると心が痛みます。さらに心苦しいのは、子供のいない可愛そうなわたしの夫が、わたしに同情する表情を見せるときです。彼はわたしの罪の苦しみを、彼に子供を与えられなかった苦しみと誤解しているのです。

それほどに大事な仕事などありません。せめてそのことに10年早く気づいていれば。

I faked infertility to keep my career

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2008年05月23日

差別はどっち?

イギリス、シェフィールドに、スタッフが全員女性の自動車教習所があるといいます。女性が安心して教習を受けられるようにということで、こういうのは日本にもあるかもしれません。

しかし多分これはないなと思われるのは、そこの教習指導員に一人変り種がいることです。

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2008年05月22日

「キレイごと」

有識者やマスコミ関係者で構成するNPO「地球を考える会」が福田首相と会い、「地球愛」を訴えたといいます。

地球を考える会首相に温暖化対策提言
イザ 08年5月21日


このはなしを聞いてなぜか思い浮かんだのは、31年前の日航機ハイジャック事件です。獄中の仲間の釈放と、身代金の支払いを要求した過激派グループに、福田首相の父である当時の福田赳夫首相は、「人ひとりの命は地球よりも重い」と述べて屈服したのでした。

当時小学生だったぼくは、その後ことあるごとに学校の先生に、「一人の命は地球よりも重い」という言葉のすばらしさを説かれました。子供ながらに(誰か大人にそう吹き込まれただけかもしれませんが)、「そんなわけない。そんなのキレイごとだ」と思った記憶があります。

しかしながら今、「一人の命は地球よりも重い」などと言えば、それは人間の傲慢だと考える人はいても、「キレイごと」と受け取る人は少ないのではないかと思います。

今も当時も人命の尊さはあまり変わりませんが、尊さを現すために、他の動物とか地球と比べて上だというのは、今では良識に反する認識のように聞こえます。環境意識の高まりで、それこそ「地球愛」というような言葉が「キレイごと」の地位に昇格したために、「一人の命は地球よりも重い」という言葉は「キレイごと」になりえなくなったわけです。

福田父が首相のとき口にした「キレイごと」は、息子が首相になる30年後の「キレイごと」に否定されてしまったということです。

「キレイごと」というのはどの時代にもあり、何が「キレイごと」であるかは時代とともに移り変わります。しかし、例えそれが相反する内容であっても、「キレイごと」を口にする人たちは同じです。

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2008年05月21日

怖いニュース

昨日の朝は関東地方ではひどい嵐でした。夜に見たニュースステーションによれば、ナントカという珍しい現象で、5月なのに日本の近くまで台風がやってくるんだそうです。

ところでその報道で気になったのは、今起きている現象と「地球温暖化」を、不可解なやり方で絡めていたことです。

そもそも異常気象とくれば温暖化というのが昨今のトレンドですから、実はどう絡めてくるかと興味を持ってみていたのですが、案の定画面の右肩には、常に「台風襲来…温暖化」とかいうテロップが常に出ています。ところがレポートの中で温暖化という言葉が出てくるのはただの一度、インタビューを受けた気象の専門化が今起きている珍しい現象を解説するときに、本筋とは関係ないところで一言、「温暖化が進むと、台風などが巨大化するというシミュレーションもでています」と付け加えた、ただそれだけです。

にもかかわらずVTRの後に司会の古館氏は、「こうした現象がわれわれ人間によって引き起こされていることを肝に銘じるべきだと思います」とかなんとか神妙な顔つきで述べていました。

ぼくにはこの論理はさっぱり理解できません。

たぶん担当ディレクターは、条件反射的に「異常気象=地球温暖化」という前提に立ってレポートを作ろうとし、気象の専門家にもそういうアプローチでインタビューしたのだと思います。異常気象と温暖化を結びつけるコメントを求めて。

ところが当たり前のことですが、専門家であればこそ、こたびの異常気象と温暖化の関係など断言できるわけがありません。もしそれができたら神様です。そこで、「温暖化が進むと、台風などが巨大化するというシミュレーションもでています」という、それ自体には何の意味もないコメントをすることになります。

しかし作り手側の頭は、スタッフ一同、「異常気象=地球温暖化」という図式で凝り固まっているので、論理を超越した構成で番組を組み立てることになり、支離滅裂なコメントを垂れ流すことになるわけです。

これは、温暖化の真偽とか、そういうレベルの話ではありません。理性への冒涜です。

午後10時の全国ネットで、理性を冒涜する説教を何の疑いもなく垂れ流すような状況は、温暖化よりもよほど深刻で恐ろしい問題です。

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2008年05月20日

あれのせい、これのせい。

ここ数日更新が怠りがちだったのは、北海道を旅行していたからです。

ぼくは数年前から北海道にはまっていて、安い時期を選んで年に2度は遊びに行きます。レンタカーを借りてあちこち動き回るのですが、よく言われる通り、味オンチのぼくにもわかるくらいに食べ物はうまいし、温泉は豊富だし、自然も農地も雄大。それに本州の都会に比べて人間が穏やかで癒されます。

しかし今回は、やや残念な体験をしました。

まりもで有名なある湖の湖畔にたつホテルの従業員が、こうこぼすのです。

「このあたりは例年より明らかに客が減っている。洞爺湖の方に客を取られているんです」

そう聞いて最初はへえと思いました。サミット会場に選ばれて、北海道だ洞爺湖だと世界に名を広めたところで、北海道は広いですから、洞爺湖から離れた地域では、逆に観光客を取られてしまう結果になるのは十分にありえるはなしです。

ところがそのホテルに一泊して気づいたのは、従業員の対応が、微妙ではありますがどこか表面的で、客への気配りが足りません。そこで、客が減っているそうだがホテルのサービスにも原因があるのではないかと別の従業員に苦言したところ、今度はこう言われました。

「それは違います。まりもはもう飽きられたんです。旭山動物園に客を取られてるんですよ」

このホテルは結構評判がいいので、サービスがイマイチと感じたのは気のせいかとも思っていたのですが、この発言を聞いて確信しました。あれのせい、これのせいと、すべて他次第。もちろん努力だけではどうにもならない現実はあるでしょうが、そういう風に考えてしまうことを、情けないことと感じる姿勢がなければ、客へのサービスがうわべだけを繕ったものになるのも当然です。

その翌日別の街で、つまらないことで絡んできた警官に、そんなに暇ならそこら中にいる危険なクレージー・ドライバーをどうにかしろと定型の嫌味をいうと、待ってましたとばかりにこうこぼされました。

「東京の警視庁には3万人の警察官がいるけれど、北海道はこんなに広いのに1万人しかいない。やりたくてもできないんですよ」

カネがないからできない、人が足りないからできないというのは、典型的なお役人思考で、北海道に限ったことではありません。しかし、前にも後ろにも見渡す限り車が一台も走っていないよく整備された道を走りながら、ホテルで他力本願な態度を見た後にこういうセリフを聞かされると、残念な形でパズルのピースが合ってしまって、北海道が好きなだけに悲しくなります。

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2008年05月15日

それでも地球は温暖化する

最近ばかに寒い日が続きますね。寒いのは日本だけではなくて、アメリカの4月の平均気温は、過去114年で29番目の低さで、20世紀の平均より1度(F)低かったそうです。

US Climate Summary
April 2008 (英語)


ああ、勘違いしないでください。地球温暖化に異議を唱えようというのではありません。たかが2、3のな事例をそんなことに結び付けようというのは、結論ありきの詭弁士とみずから名乗るようなものです。

先月、大西洋の海流を調査しているドイツの科学者が、今後10年ほど例年より寒い時期が続くだろうと予測しました。またNASAの調査によると、太平洋でも数十年に一度の現象がおきており、世界的に寒冷化することになりそうだといいます。

Next decade 'may see no warming'
BBC 08年5月1日(英語)



Larger Pacific Climate Event Helps Current La Nina Linger
NASA Jet Propulsion Laboratory 08年4月21日(英語)


しかしもちろん海流がおさまれば、地球は温暖化するのです。

こうしたことは科学者たちには想定外のことでしたが、気候変動の予測シミュレーションは、今より1000倍の能力を持つスーパーコンピュータを使わなければ信頼できる予測は立てられないそうですので、予期せぬ気候変動の2、3をあげて地球温暖化を信じないのは科学的な姿勢ではありません。

Climate prediction: No model for success
BBC 08年5月6日(英語)


地球温暖化は疑いようもない事実です。わたしたちに「不都合な真実」を伝えて、ノーベル平和賞を受賞したアル・ゴアさんもこう述べています。

「ミャンマーのサイクロンの死者は、1万5千人からさらに増えるとみられています」「去年はバングラディシュが巨大サイクロンに襲われました。一昨年は、過去50年で最大のサイクロンが中国を襲いました。…わたしたちは、科学者たちが予想してきたような温暖化によるとみられる結果を目撃しているのです」

Al Gore Calls Myanmar Cyclone a 'Consequence' of Global Warming
Business & Media Institute 08年5月6日(英語)

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2008年05月13日

松本人志発言にネット大揺れ?

松本人志発言にネット大揺れ!硫化水素自殺「俺はええねん」

ダウンタウンの松本人志(44)がパーソナリティーを務めるTOKYO FM系「放送室」(土曜深2・0)での発言を巡り、インターネット上で騒動が起こっていることが12日、分かった。

ニュースサイトの「J−CASTニュース」が、10日放送分で松本が硫化水素自殺について「そんなアホが死んだら別に俺はええねんけど」と発言しネット上で騒動になっている、などと報道したもの。

TOKYO FMによると、松本はこの発言に続けて、自殺する行為自体がばかげている、という趣旨の話をしており、同局は「発言の一部だけを取り上げ、ねじ曲げられて報道されています。局には発言についての抗議はない」と困惑。松本の所属事務所の吉本興業も「硫化水素自殺についての『死んだらアカン』という命の尊さを訴えている松本の意見表明だと思います。騒動報道についてはコメントすることはない」としている。

サンスポ 08年5月13日


これ、違いますよね?

2ちゃんねるを見ればわかりますが、実際のところは、J-CASTニュースが「ネットで話題になってる!」とあおりを入れたことに対して、「それ違うだろ」と騒いでいるわけで、正確には ―

「『松本人志発言にネット大揺れ!』という報道にネット大揺れ!」

という感じです。

昨夜テレビを見ていたら、「ネットには硫化水素の作り方ビデオもある!」と余計な情報を伝えてネットの危険を印象付けたあとに、キャスターが軽薄な情感をこめて、「死んだらだめだ」と訴えていました。

それに比べれば、「テレビで伝えるな」という彼の主張はまずもって正しいですし、問題とされている「アホは死んだらいい」という発言も、罪がないどころかむしろ、自殺を減らすのに一番有効なのは、自殺者をさげずむ世間の目だという厳しい現実に立脚すれば、毒舌コメディアンならではの自殺防止コメントだともいえます。

2ちゃんねるのスレッドを読んでいると、そういう見方も含めてさまざまな意見が飛び交う中、少なくてもこの件に関していえば、決して盲目的な個人攻撃へと流されているようには見えません。

倖田來未さんの「羊水腐る」発言のように、ネットでは、「問題発言」がだれかの手で拾われて一瞬のうちに広まるようになってきている。


J-CASTニュースはそう書きますが、ネットがそれほど単純かつ引火性の高いものなら、ネットを使ったマーケティングなど簡単なはずです。しかし実際には、ネットでブームを作ろうとしてもなかなか思い通りに火がつきません。

テレビなら、そういうこと簡単なんですけどね。

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2008年05月12日

人権を冒涜する国連

先週、こんなニュースがありました。

国連人権理事会:死刑執行停止を日本に求める

【ジュネーブ澤田克己】国連人権理事会は9日、国連欧州本部で日本の人権状況を審査した。英仏など欧州諸国は日本が死刑制度を存続させていることを批判。10カ国以上が、昨年12月に国連総会で採択された死刑執行停止決議を受け入れるよう日本に求めた。また韓国と北朝鮮、オランダ、フランスの4カ国は、従軍慰安婦問題で日本政府が前向きな対応を取るよう求めた。

審査は国連加盟国すべてを対象に人権状況を調べる「普遍的審査」で、日本が対象になるのは初めて。

死刑制度への批判に対し日本は「死刑制度は日本では世論の支持を受けている」などと反論した。従軍慰安婦問題では、政府としても謝罪をしているという従来の立場を強調した。

毎日新聞 2008年5月10日


日本では、国連と聞くと思考停止してしまうような風潮がいまだにありますが、それは一刻も早く解消すべき悪癖です。

国連人権理事会は、退廃する国連の象徴といわれた国連人権委員会を引き継ぐ形で2年前に発足しました。人権委員会が「独裁者クラブ」と揶揄されるほどに人権抑圧国家に牛耳られ、完全な機能不全に陥っていたからです。

しかし結局制度改革はほとんどなされず、看板をかけかえただけの人権理事会は、以前と変わらず人権という言葉をおとしめ続けています。

たとえば理事会は、宗教を誹謗する行為を禁止する法律の制定を各国政府に求める決議を採択しました。理事会を牛耳るイスラム諸国の意向によるものですが、これがどんなに前時代的で、本来の人権と相反する姿勢であるかは語るまでもありません。

そんな人権理事会で、ほとんど唯一意味のある改革といわれていたのが、実は上に紹介した記事にある、4年に一度すべての国連加盟国に対して行われる、「普遍的審査」の導入でした。

しかし、先月はじめて行われた普遍的審査を観察した人権NGO、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、言論弾圧や拷問など深刻な人権抑圧をしている国々に甘く、その反面イギリスのような西側先進国の人権状況を厳しく追及するなど、極端なダブルスタンダードが見られると報告しています。

国連:新審査方式は微妙な結果
理事会はアルジェリアとチュニジアの問題に口をつぐむ
Human Rights News 08年4月18日(英語)


というわけで、あることないこと針小棒大に糾弾される国は日本だけではありません。国連人権理事会というところは、今実際に苦しんでいる人たちを救うために本当の人権問題を議論する場ではなく、人権を政治的武器としか考えられない無神経な国に限って猛々しいような倒錯した場なのです。

こうした茶番に対するアメリカの態度は明確で、理事国に立候補しなかっただけでなく、国連分担金の中から人権理事会の運営にかかる分の支払いを拒否しています。

そして注目すべきは、人権理事会をはじめとする国連に疑いの目を向けるアメリカでも最強硬派の一人が、実は共和党大統領候補のマケイン氏だということです。

去年の秋以来マケインさんは繰り返し、「League of Democracies (民主主義連盟)」の結成を訴えています。それは北朝鮮の核問題やスーダンの問題など、国連の手に負えない国際問題を解決するための国家クラブのことで、保守派の論客クラウトハマー氏によれば―

「一見するとジョン・ケリーあたりが口にしそうな、同盟国同士が意見交換する場を作ろうという案にも聞こえるが、実は隠れた意図がある。マケインに言えないことを代わって言ってあげると、それは実質的に国連を葬るということなのだ」
LA Times 08年4月21日(英語)


引用したLAタイムズは左派の新聞なので、マケイン氏の考えに批判的な論調ですが、マケイン氏が、3月に訪欧した際に欧州各国の首脳にプランを披露して好感触を得たとコメントしていることを伝えています。

前回の投稿で書いたように、欧州の保守は加速度的に力を伸ばしています。彼らは、過去10年間でヨーロッパを滅茶苦茶にした元学生運動家たちを軽蔑し、サヨク主義者たちの巣窟と化している国連も信用していません。

もしマケイン政権が誕生し、ヨーロッパ人のプライドを逆なでさえしなければ、国連は風前の灯です。

「民主主義連盟」の成立によって不利益をこうむる大国は、そのときあるいは常任理事国入りを支持する姿勢を見せたりして日本に揺さぶりをかけてくるでしょうが、そこでの日本の態度は、21世紀前半の歴史を左右するものとなるはずです。

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2008年05月11日

保守化する欧州

今月9日、イタリアでベルルスコーニ内閣が発足しました。



中道右派とはいいますが、移民排斥をスローガンとする北部同盟から4人が入閣するなどかなりの右より。副首相に就任したロベルト・カルデローリ氏は、W杯ドイツ大会で、多民族軍団のフランス代表を、「黒人やイスラム教徒や共産主義者のせいでアイデンティティを失ったチーム」とこき下ろしてメディアから叩かれたつわものです。

3、4年ほど前までのヨーロッパは左派全盛で、ヨーロッパサヨク主義連邦という雰囲気でしたが、時代は変わりました。フランスを指揮するのはベルルスコーニさんと大の仲良しのサルコジさんで、ドイツの首相も保守のメルケルさん。イギリスでも、ロンドンで保守党の市長が当選するなど、保守陣営の伸張は明らかです。

これほどまでにヨーロッパが保守で固まったのは、90年代後半以来およそ10年ぶりのことです。というより、90年代初頭の東西冷戦後まもなくして、世界的に保守は退潮傾向に入りましたから 、保守が主導権を握るのは、冷戦終結後初めての現象といえるかもしれません。

思い返せば、日本に「第2の敗戦」をもたらした米クリントン民主党政権は1993年に成立しましたが、本格的な日本つぶしに乗り出したのは、欧州の「赤化」が進んだ97年ごろからのことでした。左傾化したアメリカとヨーロッパにはさまれ、その2大勢力を、「弱者」と「金づる」という、赤紳士にはたまらない役割を演じることで篭絡した中国の脅威をじかに受け、日本はまさに亡国の危機にありました。

その後ブッシュアメリカが誕生すると日本は孤立から脱しましたが、欧州の元学生運動家たちの存在は、アメリカと日本のサヨクたちに精神的な支えと、おもに国連を通じてのガイアツを提供し続けてきました。

もし今行われているアメリカの大統領選で共和党が勝利すれば、ヨーロッパ、アメリカともに右派政権ということになり、これまた事実上冷戦後初めての状況です。おそらくそれは長く続いたサヨクの時代の終わりを意味し、右に足並みをそろえた北大西洋の両岸が、世界に地殻変動をもたらすのはまちがいありません。

歴史的に見て欧米の赤紳士たちときわめて相性が悪く、何度もひどい目にあわされてきた日本としては、大きなチャンス到来、のはずですが、政権与党は、既得権益者を守るという意味のみにおいて保守な党内左派の手中にあり、野党はさらに左というありさま。

内政、外交政策ともに欧州左派の劣化エミュレーションである民主党が政権を握った暁には、「日本もよくここまで成長したものだ」と頭をなでてくれるはずの欧米サヨクはみな高級リゾートで隠居中で、笑顔で迎えてくれるのは中国と朝鮮半島だけ、という事態になりかねません。

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2008年05月10日

中国で消された聖火

Asia Sentinel(英語)が伝えるところによれば、8日、中国のシンセンで行われた五輪トーチリレーで、中国人と見られる2人による妨害行動で、“聖火”が消されたということです。
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2008年05月09日

Our Dumb World

アメリカのジョーク新聞「オニオン」のサイトに、おもしろいコーナーがあります。

その名も、Our Dumb World (私たちのバカな世界)。グーグルマップの各所にたまねぎのマークがついていて、それをクリックすると、ブラックジョークで国紹介がでてきます。例えば―

スペイン/3世紀の間シエスタ中

かつては世界の海と五大陸をまたにかけたが、まどろみ続ける今日のスペイン帝国には世界の原住民たちを抹殺するエネルギーはなく、残酷な異端審問をするよりヨーロッパをぶらつく方を好み、アメリカ大陸の植民地のアドレス帳も何世紀も前になくしてしまった。


イラク/自業自得

2003年、アメリカは、数々の破壊行為への報復としてイラクを侵略した。破壊行為のリストは、クルド人居住区での毒ガス使用、1990年のクウェート侵略、911テロ、タイタニック号の沈没、ヒンデンブルク号の爆発、そしてホロコースト。


フランス/神の上に立つただひとつの国

全地球人6270万人の母国であり、地球にある427都市すべてと、地球のあらゆる歴史と文化、そして美はここにある。フランスは、世界で唯一の国である。


インド/マラリアで死にますのでしばらくお待ちください

貧困層の拡大と、数百万人の命を脅かす地下水の汚染、そして崩壊するインフラ。こうした問題に、インドは真剣に取り組むつもりである。アメリカ中西部の顧客にウィンドウズXPのインストール方法を伝えた後に。

などなど。最近話題のチベットは―

チベット/1950年以来独立を解脱

1950年に毛主席に侵略されて以来中国人に支配され、1987年にリチャード・ギアが仏教に帰依して以来西側世界に搾取されている。チベットという国は、歴史上最も厚顔無恥な輩から独立しようと奮闘している。


国情報がついているのは一部の国々だけで、おもしろいのもイマイチなのも、日本人にはピンとこないものもあります。ところで日本に情報はついているのかなと地図をスクロールしてみたら、ありました!国の概要を表示する白いたまねぎをクリックしてみると―

日本/核落とされてゴメンナサイ

1945年、日本は2発の核爆弾を落とされ、都市は破壊され、瞬時にして数百万の市民が死んだ。しかし一部は生き残り、放射能汚染された灰からミュータント民族が生まれた。彼らはとてつもなく従順で、ものすごく弱気で、普通の人間の100倍の恥を知覚する能力を備えている。


そして上の情報の横には、なぜか鈴木宗男氏の写真が…。

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Our Dumb World(英語)

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2008年05月08日

パンダとピンポン

日本には国交正常化直後の 72 年 10 月に蘭蘭(ランラン)と康康(カンカン)が来日以来、北朝鮮(5 頭)に次ぐ(!)累計 4 頭のパンダを中国から受け入れているが、贈呈を受けた 70-80 年代に比べて最近の日中関係はスムーズではない。パンダに代わって、最近の日中友好大使は、すっかり卓球の福原愛ちゃんとなった感もあるが、できれば複雑な両岸・および日中関係はパンダや愛ちゃんは巻き込まずに改善していきたいものだ。


引用したのは、三井住友銀行「SMBC China Monthly」2005年9月号の一節です。それから2年半、筆者の思いもむなしく、日中関係はパンダや愛ちゃんを思い切り巻き込みました。

それにしても、今の時代にパンダ外交やピンポン外交だなんて、日本もなめられたものです。もしこれがアメリカやヨーロッパなら、少なくても各マスコミはここぞとばかりに皮肉の腕を競うことでしょう。

70年代の米中ピンポン外交の主役となった2人の卓球選手は、1人はその後政治に翻弄されて社会的地位を失い、1人は精神を病んで亡くなりました。政治は機を見てあらゆるものを利用しようとしますが、利用された側を待つのは、悲惨な末路ばかりです。

パンダやピンポンがこれみよがしに持ち出される状況を喜ばしいことのように受けとるのは、21世紀に生きる正常なセンスの持ち主がとるべき態度ではありません。ここは、悲しんだり、噴出したりするところです。

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ところでぼくは幼い頃に、上野動物園にランランとカンカンを見にいった記憶があります。ブームの絶頂で、寒い時期でしたから、72年から73年にかけての冬のことだと思います。パンダ舎の前で立ち止まることは許されず、通り過ぎる30秒ほどの間に、父に持ち上げられてなんとかこの目でパンダを見ようとしましたが、結局透明な仕切り板と、人々の頭しか見えませんでした。以来30年以上上野動物園に行ったことはありません。

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2008年05月07日

1バレル=200ドル

去年の秋くらいは、一部の投資家が1バレル200ドルを見込んで買っているという情報が、ジョーク半分で語られていたものですが、今や誰も笑えなくなりました。

原油価格、今後2年間で200ドルまで上昇も=ゴールドマン
ロイター 08年5月7日


もし1バレル200ドルになれば、ガソリン価格は250円レベル。あらゆる製品の価格はのきなみ数割あがるはずです。

特に食料品は大幅に上昇し、世界のあちこちで餓死者が増え、それにともない紛争が多発します。先進各国の人心もすさみ、大戦争勃発のカウントダウン開始です。

油が枯渇しているわけでもないのにそこまで行くならば、もうドルを基軸通貨とした「ドル本位制」の崩壊としか言いようがありません。

金本位制復帰?

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2008年05月06日

読んでもつまらない 「ブログ」はもう終わったのか

表題のような記事が、J-CASTニュースに載っていました。「ITジャーナリストの井上トシユキ氏」へのインタビューなのですが、読んでいてどうも違和感を感じました。

表題どおりこのインタビューは、「ブログはつまらなくなった」という前提から入り、その理由と今後を展望していく内容です。しかし寡聞にしてぼくは「ブログはつまらなくなった」という声など一度も聞いたことがありませんし、人気ブログのアクセス数を見ると、一昨年より去年、去年より今年と、確実に伸びています。

じゃあどこで誰が「ブログはつまらなくなった」と言っているんだろう?と考えたとき、このインタビューに感じる違和感を解消することができました。「ブログはおもしろい!」と持ち上げたのも、「ブログはつまらなくなった」としらけているのも、既存メディアの側から見てのことです。

テレビや新聞や雑誌という空間の中でブログというものがやたらにもてはやされて、「ブログの女王」なんかが次々と生まれた時期があったけれども、なんか最近パッとしない。なんでだろう?と、そういうことだと思います。

そういう前提のおき所から議論の進め方からなにから、この記事は徹頭徹尾テレビや新聞というものを絶対視しており、ブログというものの成否は、テレビや新聞の評価しだいという固定観念から逃れられていません。

既存メディアの“情報格付け機関”としての権威が失墜し、情報メディア全体が、まさに中心のないインターネットという構造の中に溶けていくという可能性について一顧だにしていないのです。

だから結論は、「ゲリラメディアであるブログで腕を上げ、既存メディアで活躍するような人がどんどん出てくれば、新しい視点が社会に反映されるという意味でも良いですよね」で、チャンチャンです。

ブログを含むネット空間は、既存メディアに審査される側ではなく、既存メディアを審査する側に立つ存在で、その傾向は日々強まっています。

「ブログはつまらなくなった」と吹聴する既存メディアなど、「最近のミュージックシーンはつまらなくなった」と嘆く落ち目のミュージシャンのようにしらじらしい存在でしかありません。

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2008年05月05日

クリントン夫妻のチャイナバッシング

アメリカ民主党の大統領候補、ヒラリー・クリントンさんが、1ヶ月くらい前から激しくチャイナバッシングしています。



地政学的に中国の脅威をまともに受けている日本からすると、クリントン氏のような態度は頼もしい限りではありますが、紹介した記事にあるように、「『チャイナバッシング』は、米国の過去の大統領選でもよく行われているが、大統領に就任すると中国の地政学的な重要性から、対中姿勢が軟化することが多い」というのは、70年代から続くトレンドです。

そして選挙のときにチャイナバッシングをして、就任するとコロリと態度をひるがえした代表格こそ、ヒラリーの夫 ― 天安門事件の余韻さめやらぬ中、大統領選では激しくチャイナバッシングをしていたのに、大統領になった途端に「中国の友人」へと早変わりし、退任後も中国系のフォーラムなどに何度も招待されて法外なギャラを受け取るなどしている ― ビル・クリントン元大統領です。

ヒラリー・クリントンは、夫から引き継いだ生え抜きの親中派ブレーンを抱えており、中国系支持者から多額の献金を受けていることを忘れてはなりません。

なお、ビル・クリントン大統領の中国とのラブ・アフェアに先駆け、92年の天皇陛下訪中で、天安門事件以来孤立していた中国の国際社会再デビューを演出したのは日本です。その後日本が、いわば仲を取り持った米中からどのような感謝を受けたかは、今さら語るまでもありません。

今中国は、国際社会で再び危うい立場に立たされつつありますが、中国のフューラーの来日で、またあのときの失敗を繰り返さないか心配です。

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