地政学的に中国の脅威をまともに受けている日本からすると、クリントン氏のような態度は頼もしい限りではありますが、紹介した記事にあるように、「『チャイナバッシング』は、米国の過去の大統領選でもよく行われているが、大統領に就任すると中国の地政学的な重要性から、対中姿勢が軟化することが多い」というのは、70年代から続くトレンドです。
そして選挙のときにチャイナバッシングをして、就任するとコロリと態度をひるがえした代表格こそ、ヒラリーの夫 ― 天安門事件の余韻さめやらぬ中、大統領選では激しくチャイナバッシングをしていたのに、大統領になった途端に「中国の友人」へと早変わりし、退任後も中国系のフォーラムなどに何度も招待されて法外なギャラを受け取るなどしている ― ビル・クリントン元大統領です。
ヒラリー・クリントンは、夫から引き継いだ生え抜きの親中派ブレーンを抱えており、中国系支持者から多額の献金を受けていることを忘れてはなりません。
なお、ビル・クリントン大統領の中国とのラブ・アフェアに先駆け、92年の天皇陛下訪中で、天安門事件以来孤立していた中国の国際社会再デビューを演出したのは日本です。その後日本が、いわば仲を取り持った米中からどのような感謝を受けたかは、今さら語るまでもありません。
今中国は、国際社会で再び危うい立場に立たされつつありますが、中国のフューラーの来日で、またあのときの失敗を繰り返さないか心配です。