2009年09月05日

「市場原理主義」という極左の呪文

今月4日、鳩山次期首相は、世界経済フォーラムの会合に出席して、保護主義を批判し、「グローバリゼーションの影の部分を制御して光の部分をいかに伸ばすかが重要だ」と語りました。先頃海外から寄せられた批判に対する牽制です。

日本では、「グローバル化の光の部分伸ばす(毎日)」「保護主義をけん制(時事)」「規制と市場のバランス必要(読売)」などの見出しで伝えられましたが、海外での報道は、規制強化の必要性について語った部分にスポットをあてていて、ウォールストリート・ジャーナルなどは極めて辛辣に切り捨てています。

日本の次期首相は、金融市場に対する規制の強化を示した。・・・「市場にまかせればみな幸せになれるというナイーブな考えがあった。しかしその見方は問題だと気がついた」と鳩山代表は語った。・・・鳩山は、アメリカで保護主義の兆候があるとし、経済の停滞期における保護主義に警鐘を鳴らした。・・・鳩山は、彼の言うところの「市場原理主義」の行きすぎにより金融市場は荒れたと述べる。・・・選挙中の民主党は、日本の農業を傷つけるようなことは絶対にしないとする一方、他国の農業保護政策が貿易協定の締結を阻害したと述べていた。・・・

Hatoyama Outlines Need for Regulation

自由経済を至上のものとするWSJからすれば、もうあきれて言葉も出ないという感じです。鳩山論文もそうですが、鳩山氏の論法には、互いに矛盾することを平気で並列して玉虫色に語るという極めて日本的な悪い癖があるので、シビアな目には支離滅裂にしか映りません。自国の農業は徹底的に保護するけれど、他国の農業保護は許さないというのでは、自己主張する日本どころかただの自己中で、説得力ゼロです。

また、これはWSJに限らず、リベラル派のニューヨークタイムズもワシントンポストもそうなのですが、鳩山氏の述べる「市場原理主義」という言葉に、決まってクォテーションマークをつけていることに注視すべきです。これは極左の語彙なので、極めて異様に聞こえるから、わざわざ括弧をつけるのです。こういう言葉を使う限り、鳩山氏への世界の不安は払拭されません。

試しにグーグルで、"market fundamentalism"という言葉を検索してみてください。それから「市場原理主義」という言葉を検索してみてください。ヒットするページ数の違いに驚くはずです。国際語の英語に対して、実に6倍のヒット数で、しかもヒットした英語ページのうちには鳩山氏の言葉を伝えた記事も多く含まれ、さらには英語を使用した日本語ページもたくさん含まれているのです!

この差こそ、日本の言論空間がいかに極左のレトリックに取り込まれているかを示すバロメーターなのです。

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