2009年09月09日

温室ガス25%減というドッカーン

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エコノミスト誌最新号の表紙によれば、ドッカーンな日本。温室効果ガス25パーセントの削減をぶちあげた鳩山氏ですが、なかなかやるものです。

温暖化論のへんな所を指摘したり、現実的な妥協点を探して渋い削減案を提示したりしても、世界の温暖化マニアたちは納得してくれません。ならばできもしない数字をあげて世界を混乱に陥れ、温暖化ムーブメントを叩きつぶしてしまおうという作戦なわけです。

なにしろ90年比で25パーセント削減(07年比で31パーセント削減)など、できるわけありません。途上国に国富を献上して排出枠を買い付け、そのぶん生活レベルを落とすか、生活レベルを落としたくなければ、企業、住民ともに海外脱出するしかないわけで、そんなことを真剣に考える首相などいるわけはありません。

ドイツの権威ある環境学者、ハンス・シェルンフーバー・ポツダム気候影響研究所(PIK)所長は、先頃シュピーゲル誌とのインタビューでこう発言していました。

2050年までに排出できる炭素ガスの総量は決まっています。過去に排出してきた排出量を考慮すれば、先進国はすでにその割り当てを超えています。・・・先進国は、CO2排出の破産に瀕しているのです。気候変動の取り組みを一層強化しなければ、やがて途上国と将来の世代に割り当てられた分まで使い果たしてしまいます。

Q:先進国は、巨額の金を払わなければならないということですか?

そうです。年間1千億ユーロというところです。・・・先進国は、過去数世紀にわたり富を搾取し、おかげで今貧困にあえぐ途上国に、富の一部を返還することになるわけです。

'Industrialized Nations Are Facing CO2 Insolvency'

これはどう読んでも科学者の言葉ではありません。なんらかのイデオロギーに奉仕し、その手段として科学を持ち出す活動家の言葉です。

鳩山発言は、こんな活動家に対する、怒りのドッカーンなのです。

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