2010年12月24日

Uncool Japan

アニメやマンガを海外に売り込もうという経産省の「クールジャパン」は、はたして日本に富をもたらすのか、それとも損害をもたらすのか?

短期的にはともかく、長期的には大損害をもたらすと思います。

クールジャパンなどという周回遅れの企画は、ぜんぜんクールではないNHKの番組を見て、ぜんぜんクールではない国会議員が乗り気になり、ぜんぜんクールではない官僚たちが、ぜんぜんクールではない秋元康氏などのお言葉を拝聴して推進する、亡国の企画です。

この企画で一番トクをするのは、真にクールなものを産み出す可能性を秘めた日本のコンテンツ産業でもクリエーターたちでもなく、秋元氏とそれに類する人たちです。センスを欠く官僚たちは、エリート向けのAKB商法にコロッと引っかかってしまったのです。クールジャパン室の立ち上げなど、握手券欲しさにAKBのCDを買い漁るのと何ら変わりません。

秋元氏はとても頭がいいので、まさかAKB商法で全世界を席巻できるとは考えていないはずです。アジアの一部では、「日本でウケているから」という理由で短期的には利益をあげるかもしれませんが、せいぜいその程度。それよりも彼の狙いは、日本の「影の文化大臣」になることにより、日本のエンターテイメント界を牛耳り、莫大な富と権力を得るところにあるはずです。

商売人としてはすごいと思います。しかしその過程で彼が食い物にするのは、日本の対外的な印象と、日本のポップカルチャーです。これは日本人のひとりとして黙って看過できません。

たしかに日本のアニメやマンガは、外国にアピールするものを持っています。しかしアピールする理由は、秋元氏的なものとは正反対なところにあります。

日本では、「韓流」とか「AKB」とか、そういうマーケッティング主導の、供給側の都合で作られるブームに抵抗感をもつ人が多いですが、それは外国でも同じです。若い世代、感性の鋭い人たちは、もうそういうところからは何もでてこないとうんざりしています。そんな彼らにとって、インターネットの普及とともにあらわれた日本のマンガとアニメは、何よりもまず反体制的であり、だからこそ新しくてクールなのです。

それをマネタイズしようとするのはおかしなことではありません。しかし、基本的におニャン子クラブ以来進歩していない、究極のマスコミ人である秋元氏の意見を参考にしながらそれを進めるのは、間違うにもほどがあります。

彼は海外でほとんど評価されていないAKBを、日本ブランドや日本アニメブランドと抱き合わせることで海外に売り込み、それを宣伝材料にしてさらに日本国内に売り込み、21世紀のアイドルマスターとしての地位を固めようとするに違いません。そしてその過程で、秋元氏的な時代遅れな商品と結び付けられた日本や日本のアニメはオーラを失い、アンクールなものとして打ち捨てられることになるのです。

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