2012年01月29日

著作権保護かネットの自由か

違法コピー撲滅法(SOPA/PIPA)への反対運動は、アメリカのみならず世界において、新しい争点を浮き上がらせることになりました。「著作権保護」と「ネットの自由」の、どちらをとるかという争点です。

著作権を守り、違法コピーを取り締まるのは、正しいことのように思われます。しかし、実際にそれを取り締まろうとすると、ネットの自由を制限せざるをえないのです。どちらも大事という選択肢はありません。どちらかひとつなのです。

1月24日に発表されたラスムッセンの世論調査は、この件に関して興味深い結果を示しています。調査によれば、アメリカ人の67パーセントの有権者は、「映画をネットでタダでダウンロードするのは泥棒行為である」と考えています(「泥棒ではない」が18%、「わからない」が15%)。しかし、「違法ダウンロードと政府によるネット検閲のどちらを脅威と考えるか」の質問に対しては、71パーセントの有権者が、ネット検閲をより大きな脅威と考えると答えています。

違法コピー撲滅法反対運動により、新たな争点の存在を認識した人々は、今度はACTA(模倣品・海賊版拡散防止条約)への警鐘を鳴らし始めました。なぜACTAは危険なのか?なぜ今ACTAなのか?彼らの主張をQ&A形式でまとめてみました。

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Q:ACTAってなに?

A:日本が発案した、知的財産権保護のための国際通商条約です。中国などで横行する偽ブランド品の撲滅を大きな目的としているため、「偽ブランド品規制条約」とも呼ばれます。日米欧の主要国はすでに署名済みで、各国の議会で承認されると発効します。

Q:ACTAが発効されるとどうなるの?

A:ACTAは、ネットにおける「違法コピー」を模造品と同様にとらえているため、「違法コピー」を実行、幇助した個人は、偽ブランド品製作会社と同じ扱いを受けます。そしてACTAには、通商条約としては異例の、罰則規定が盛り込まれており、違反者は、巨額の罰金や禁固刑に処されます。

「違法コピー」するのはもちろん、著作権のあるデジタルデータにいかなる改変を加えることも違法となり(ファイルネームを変えるだけで違法となりえます)、そうした違法行為を行うサイトにリンクを貼るだけで、たとえ違法サイトと知らずにリンクしたのだとしても、共犯となります。BBSやSNS、サービスプロバイダは、共犯者とならないために、データ検閲の強化を強いられるようになります。

表現の自由とイノベーションを著しく侵害しかねないACTAに対し、「国境なき記者団」は、「著作権保護の名のもとに、ネットにおける表現の自由と情報へのアクセス権を犠牲にしてはならない」と反対を明らかにしています

Q:なぜそれほど重大な条約があまり話題にならないの?

A:ACTAが通商条約だからです。ACTAの内実は、基本的人権にかかわる重要な問題を含んでおり、本来であれば各国の議会で議論されるべきですが、通商条約であるばかりに、議会をスルーし、密室で協議されてきました。いわばACTAは、裏口から密かに導入されようとしているネット検閲法といえます。たとえACTAの内容に賛成だとしても、非民主的なやり方を認めるべきではありません。

→ACTAに反対する署名サイト
 Stop the biggest threat to Internet freedom



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