しかしそれは、日本社会の中においての話です。マスメディアの大衆拘束力が異様に強く、そのためにマスメディアのゴリ押しを看過できない日本社会の特殊性を知らない海外の人たちにそんな主張をしても、ゴリ押しは「嫌なら見なければいいのに」で終わりですし、嫌韓は偏狭な排外主義としか思われません。
エロアニメ画像満載なのでリンクは貼りませんが、アメリカの某有名オタクサイトで、アメリカの大学のアニメサークルに送付されたという書類が紹介されていました。送り主は2チャンネルのビッパーを名乗り、きれいな英語で書かれた書類の内容は、2チャンネルなどでよく見かける韓国の悪事と、テレビの韓流ゴリ押しをまとめたもので、情報の拡散を訴えています。



この書類に対する、普通の外国人より100倍は日本に詳しいアニメマニアたちの反応を、いくつか書きだしてみます。
2チャンは自爆したな…もう何度目かだけど。こんなことしても、日本人は偏狭だというイメージを強くするだけなのに。
韓国が日本をコピーしてるというけど、日本が唐の文化を丸々コピーしたのはオーケーなのか?
時間を持て余した偏狭なパラノイアだな
こいつらも、韓国のやつらもそうだけど、そもそも普通のアメリカ人はぜんぜん興味ないってことわからないのかな。アメリカ人は韓国の宣伝にのせられたりしないから、日本人は何も恐れる必要なんてないのに。
くだらねー。パクリはむしろ日本のお家芸じゃないか。
きっとそのうち、手紙を送ったのは韓国人で、日本人を誇大妄想狂の人種差別主義者だと思わせるための陰謀だって言い出すぞ。
当然の反応です。いかにお隣のKさんが歪んだ性格の人で、Jさんに陰湿ないやがらせをしているとしても、怒ったJさんがKさんの異常性を執拗に糾弾するビラを町内に配布したらどうなるでしょう?Kさんの異常性は知れ渡るかもしれませんが、それとともにJさんの評判もひどく傷つきます。それどころか、よく事情を知らない人は、Jさんの偏執性、自意識過剰ぶりにより強い嫌悪感を抱くはずです。
1980年代くらいから、日本ではさかんに「日本人は情報を受けてばかりで自己主張しなさすぎ。情報は発信しなければ意味はない」などと喧伝されてきました。海外の人への韓流ゴリ押し告発の背景にも、主張しなければ誤解されるという焦りを感じます。
もちろん自己主張は大事です。そして日本人は自己主張が苦手です。しかしそれ以上に、日本人は情報の受信と消化を苦手とし、発信する以前に受信できていないということを、自覚しておくべきです。
かつて日本が戦争をするしかない状況に追い込まれたのは、日本の自己主張が足りなかったからではありません。世界の潮流を完全に読み間違えたからです。パールハーバーを先制攻撃したのは、大損害を受けたアメリカ人は戦意喪失するはずと、アメリカ人気質を読み間違えたからです。そして結果大敗を喫した背景には、物量差以上に、インテリジェンスの軽視がありました。
それは今も変わりません。アメリカの大学に書類を送りつけ、あるいはネットで海外向けに広報する人たちは、それを読んだ外国人が、日本人に共感するはずと信じているようです。世界を知らなすぎです。海外のほとんどの国では、日本ほどマスメディアの拘束力は強くないので、マスコミのゴリ押しなど「嫌なら見なければいいのに」で終わりですし、そもそも韓国にも日本にもたいして興味はありません。韓流ゴリ押しの告発など、気持ち悪いだけなのです。
別に何語で何を主張をしようと自由ですが、そうした行為が、日本と日本人を傷つけていることを理解したうえで行動して欲しいと思います。