ドイツの「フォーカスオンライン」が、予備発電所をフル稼動して大停電の危機にありながら、フランスに電力を輸出していたドイツの電力事情についてあらためて解説していました。
Wis sicher ist die deutsche Stromversorgung wirklich?(ドイツの電力は本当に大丈夫なのか?)
記事によれば、フランスに電力が輸出された日は、たしかに北ドイツで自然エネルギー発電による余剰電力が生まれていたといいます。しかし同時に、南ドイツは深刻な電力不足に陥っていました。北から南へ送電しても、送電ロスが大きくなるばかりで不足分をカバーできません。そこで、南ドイツとオーストリアにある予備発電所を稼動して電力不足を補い、北ドイツの余剰分はロスの小さいフランスに輸出したのです。
というわけで、ドイツは余裕があって輸出したわけではぜんぜんありませんでした。だからその後天候が悪化すると、すぐにドイツは電力輸入国に転じてしまいました。今回は、最も寒波がひどいときに、たまたま好天に恵まれたために救われただけで、もし天気が悪ければ、ドイツはブラックアウトしていたのです。
脱原発を決めたドイツでは、2022年までに残された9箇所の原発をすべて停止する予定ですが、今回の電力不足で露わになったのは、お天気と予備発電所だよりの状態は今後も続くということで、これという解決策はないそうです。
記事によせられた「エコ先進国ドイツ」の中の人たちの声をいくつか紹介しておきます。
------------
原発廃止までまだ一山も超えてないないのにこんなことになるなんて、気が重くなるな。
停電してもいいじゃないか。それでエコ原理主義者の目が覚めるなら。
エコ原理主義者は停電したって目を覚ましたりしないよ。
ヒトラーでさえドイツを滅ぼせなかったが、エコイデオロギーはドイツを滅ぼすよ。世界を道連れにね。
エコはすっかり中傷語になっちゃったな。残念だよ。エネルギー転換を急ぎすぎたんじゃなくて、まじめに議論して来なかったツケなのに。
放射能汚染を避けて滅ぼうぜ!
ドイツの電力は、年金と同じくらい安心だな。