体が痛いです
体が辛いです
気持ちが沈みます
速く動けません
どうか助けてください
誰か助けてください
職場の仕事がきつくて苦しくて、こんな日記を残して自殺してしまった女性。どうして彼女は逃げなかったのだろうと思います。
ワタミ社員の過労自殺を認定 入社2ヶ月の26歳女性
彼女を苦しめたのは、直接的には彼女を雇用していたワタミの職場です。しかし彼女を奴隷にしたのは彼女自身です。首輪にカギはついていませんでした。首輪を外して逃げても、誰も彼女を脱走奴隷のように追跡したりしません。それなのに彼女は「誰か助けて」と呟きながら毎日自ら首輪をつけて拷問部屋に戻り、最後は自ら自分にとどめを刺したのです。
こういう人に「ガンバレ」と助言するのは、内なる悪魔に餌を与えることでしかありません。その逆に、「首輪をすてろ」と助言するのも絶望を深めることにしかなりません。よほど強い人間でなければそんなことはできないからです。
人はみな、なにかに心を支配され、首輪をつけて生きています。内なる悪魔に体を支配されないためには、たえずその首輪を意識するしかないのだと思います。
首輪を意識しない人は傀儡(くぐつ)になります。顔のない「マス」の一部となり、自分の行動も言葉も、自分のものではなくなっていきます。
それは弱い立場の人間だけに起きることではありません。ワタミ会長の渡邉美樹氏がつい先月書いた次の言葉の、まるでコンピュータに自動で書かせたのではないかと思えるほどに気味の悪い軽薄さは、彼もまた、傀儡であることを示しています。
14年連続で毎年3万人以上自ら命を絶つ社会が真に豊かと言えるだろうか。我々はあまりに、無関心になってはいないか。その膨大な数に痲痺していないか。
政府のなかに内閣府自殺対策推進室がある。しかし、自殺はいっこうに減らない。3万人ひとりひとりの自殺の背景をどれだけ細かく把握しているのか。それがなければ対策も何もない。
自殺者は社会のカナリアだと思う。カナリアは坑道などでいち早く有毒ガスを検知する。「我々の社会はおかしいぞ」と自殺者の方々は、自らの命を絶って訴えているのかもしれない。
「自殺者ゼロの社会」。 都知事選で訴えさせてもらった。実現できたらどんなにすばらしいことだろう。
ーーー「14年連続自殺者3万人」の国、日本