2012年12月20日

リベラル退潮の理由

元朝日新聞編集委員の山田厚史氏が、なぜリベラルは退潮したのだろうと思いを巡らせていました。

中道左派=リベラル退潮の理由 溝埋まられぬ旧左翼と市民運動

彼は「中道左派=リベラル」を自認する人に違いありませんが、彼には大きな誤認があります。彼はこう書き出します。

自民圧勝の総選挙は「中道左派=リベラル」の退潮を印象付けた。米国でオバマ大統領を支えたのはリベラルであり、フランスのオランド大統領は社会党だ。格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られないのか。

海外のいくつかの国で左派が躍進しているのは事実です。しかしその政策はさまざまです。フランスの社会党は、かつて積極的に原発を推進し、今は法人税の大幅控除と公共支出削減を打ち出していますし、2010年に下野したイギリスの労働党政権はグローバリズムを推進し、対テロ戦争にも積極関与していました。そしてオバマ政権の政策は、前回書いたように自民党の政策と変わりません。

一口に中道左派(アメリカ流の言い方でリベラル)と言っても、各国ごと、またその時々により政策はそれぞれなのです。肝心なのは、中道左派たる大きな理念、軸足の置き方です。ではそれは何なのか?著者は言います。

リベラルの要素を平等社会・環境との共生・平和重視に置くなら、未来の党から緑の党まで、あるいは民主党の一部まで、多少の温度差はあっても理念は共通している。現実の政策では脱原発、反消費税増税、TPP反対、憲法9条改正反対などの国政の骨格である政策で足並みが揃っている。

だが組織の事情や過去のいきさつなど些細な対立で足並みが揃わない。

平等社会・環境との共生・平和重視?日本の格差の小ささは世界屈指ですし、環境基準の厳しさ、エコな生活ぶりも世界屈指です。そして半世紀以上どこの国とも交戦していない、世界でも稀有な平和国家です。

平等社会・環境との共生・平和重視を中道左派の要素とするなら、日本はそれらを愚直に実践してきた国なのであり、それを率いてきた政党は、他ならぬ自民党なのです。

小泉政権の一時期を除き、自民党は常に、公共支出と規制による社会コントロールを主眼として政治をしてきました。これは諸外国では、社民党の仕事です。世界基準で言えば、自民党は立派な中道左派政党なのです。

では自称中道左派な方々は一体何なのか?

ずばり彼らは急進左派です。例えば彼らの多くは愛国心を否定し、日の丸を手にして選挙応援するのは極右と決めつけているようですが、星条旗はためく米民主党の応援はもとより、今年行われたイギリスの市長選やフランスの大統領選でも、左派政党の支持者は国旗を手にして応援しました。

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愛国心を排外主義と同一視して否定する中道など論理矛盾です。そんな勢力が国民的な支持を集められないのは当然であり、また些細な理由で分裂、内部抗争するのも急進派の宿命なのです。

今日本に必要なのは、自称リベラルこと急進左派の復活ではありません。中道右派の形成です。今回の選挙では、世界基準における保守の条件を備える「維新」と「みんな」が躍進し、比例選で両党合わせて自民の得票率を超えました。彼らを中心にして中道右派がまとまれば、中道左派の自民と対峙する二大政党制が完成するのです。

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