2012年12月24日

電力輸出国ドイツの実体

脱原発と再生可能エネルギーへの「エネルギー転換」を進めるドイツは、電力不足に悩んでいるかと思いきや、実は電力の輸出が輸入を上回る、電力輸出国です。

「ドイツを見習え」派の人たちは、こういう話をドヤ顔で拡散します。しかし、電力は輸出超過ならいいというものではありません。

Polen wehrt deutschen Windstrom ab

「ポーランドがドイツの風力電力を拒絶」という、フランクフルター・アルゲマイネ紙の記事です。ドイツの電力輸出に対し、ポーランドやチェコが送電を停止するようドイツ側に求めているというのです。

ヨーロッパの国々は、国境を超えて送電網が張り巡らされており、水が高い所から低い所へと流れるように、電力は多い所から少ない所へと自動的に流れる仕組みになっています。ドイツを例にとると、ドイツ国内で電力が不足気味になると、周辺国で余裕のある所から電力が流れ込み、逆に電力が余ると、周辺国に溢れ出すわけです。

ドイツの場合、電力に余剰が生まれるケースが多く、その結果として輸出超過なわけですが、これに対して周辺国が頭を抱えているのです。なぜならば、電力というのは供給=需要でなければならず、電力不足で停電になるように、供給過剰でも停電になるものだからです。

エネルギー転換を進めるドイツは、脱原発を睨んで、風力発電や太陽光発電施設を続々と建設しています。ところが再生可能エネルギーというのは、発電量が一定しないという欠点を持ちます。天候しだいで、必要なときに十分に発電できないこともあれば、いらないときに無駄に多く発電してしまうのです。

再生可能エネルギーの割合が高いドイツでは、発電量の振幅が大きく、調整能力も限られています。需要を上回る電力を作れば事故になりますが、ドイツの場合余剰電力は周辺国に溢れ出します。結果として周辺国は、ドイツから押し売りされた不要な電力を処理するために、余計なコストをかけてこまめに発電量を調整するなど、電力の最終調整を強いられているのです。

ドイツとしては、周辺国の善意にタダ乗りするわけにもいかず、送電をコントロールする高価な設備を設置した上で、余剰電力を国内で処理する方策を見つけなければなりません。そしてそのためのコストは電気料金に上乗せされ、ただでさえ高騰している電気料金をさらに押し上げることになります。

ドイツ:再生エネ普及で電気代高騰、戸惑う国民 野党批判、首相「想定外」と釈明

ドイツの脱原発は、原発大国のフランスから電気を輸入できるから可能なのだとよく言われますが、それは正確ではありません。ドイツのエネルギー転換は、電力不足のときに輸入できるのに加え、電力余りのときに輸出できるからこそ可能なのであり、二重の意味で周辺国に依存しているのです。

最後に読者のコメントを紹介しておきます。

▽他国に迷惑をかけるわけにはいかんから、余剰電力は国内で意義あることに使わないとな。風力発電パークの前に「コモンセンス」と名付けたでかいロボットを作り、電力が余るとそこに電気が流れ、頭を抱える動作をさせるというのはどうだろうか?

▽それはすばらしい提案だ。ついでにでかいネオンサインも作ろう。電気が余るたびに、「ありがとうユーロ!」「ありがとうゴールドマンサックス!」「すばらしい政治家に恵まれて幸せだ!」「増税大歓迎!」「移民のみなさんのおかげで大儲けだ!」「極右追放!」「悪の原発追放!」とか煌々と点灯するのだよ。

▽ドイツのエコ発電はバッファーとしての周辺国あればこそで、周辺国の迷惑になるなんて予想できたことだろうに。すべての原因はドイツ側の思考停止にあるのだから、勝手な都合でバッファーにしている国々に迷惑料を払うのは当然だな。

▽「ドイツのエネルギー転換は世界のお手本」なんて主張は、エコ利権に絡んでいる奴らのポジトークとしか思えんな。わざわざ税金をかけて周辺国に迷惑かけるだけの余剰電力を作るなんて、ドイツは世界の笑いものだよ。

▽周辺国の主張は文句のつけようもなく正しい。そしてその費用はドイツの消費者に転嫁されるというわけだ。ドイツの政治家たちのお花畑ぶりは、いよいよ明白になりつつあるな。

▽われらの崇高なるエコ電力をいらんとは、ポーランド人とチェコ人はけしからんな。わざわざ深夜にプレゼントしているというのに…。

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