2013年01月05日

NYT's shameful impulse

ニューヨーク・タイムズが、年明け早々紋切り型の安倍政権批判を炸裂させていました。

Another Attempt to Deny Japan's History

「歴史を否定する再度の試み」などという型通りのタイトルのこの記事は--

日韓関係はアジア情勢の安定において最重要の要素である。にもかかわらず安倍新首相は、両国の関係を悪化させて協調を難しいものとする重篤なミスにより政権をスタートするようだ。

と、さすがは「アメリカの朝日」と唸らせる直情的な断定口調で書き出し、「セックス・スレーブ」問題についてのあらましを述べ、次のように締めくくります。

安倍氏の恥ずべき衝動は、北朝鮮の核問題などにおいて極めて重要な両国の協調を脅かしかねない。このような歴史修正主義は日本にとり赤面モノだ。日本の重要課題は長期の経済停滞からの脱出であり、過去の歪曲ではないのである。

なんというか、やたらと大上段からの物言いです。左翼紙とはいえ読ませる記事も多いニューヨーク・タイムズですが、この社説はただただ陳腐で、NYTというブランドを傷つけかねない恥ずべき駄文であり、売上拡大に力を入れるべき立場の旧メディアとしては赤面モノと言わざるをえない。

しかし、欧米の安倍政権評論が一様にこんな有様かというとそうではありません。オーストラリアのジャーナリストは、まるでNYTの社説に対する返歌のような意見を書いています。

Has Japan Twisted To The Right?

日本の安倍新首相が志向する方向は、必ずしも「右翼」な方向ととらえるべきではない。総選挙における自民党の勝利を劇的な右傾化とするなら、それは単に、左に寄り過ぎていた戦後日本の政治の中道化にすぎない。

…安倍は前任者たちに比べればタカ派的に見えるが、日本全体が右傾化しているという見方は短絡的であり、日本のおかれた政治状況を無視している。

記事を書いたサラ・デ・シルヴァ氏は、自衛隊の国軍化は不自然な状況の正常化にすぎず、中国と韓国の過剰な警戒を「パラノイア」であるとし、安倍政権の積極姿勢を好意的に解釈します。

安倍はアメリカとの同盟を強化するとともに、インド、オーストラリア、アセアン諸国との安全保障関係の緊密化を志向している。新政権は、アジアにおいて戦略的視野に基づいたより積極的な外交を展開しようとしているのだ。平身低頭することで「友好」維持に努めてきたこれまでの路線からは大きな転換である。安全保障政策において過去と決別する安倍のアプローチは、地域における日本の役割の再定義を必要とする。

…日本に関わる政治家や識者は、新政権に対する右翼連呼報道に惑わされてはならない。日本に対しては、安易な解釈に基づく不正確な分析ではなく、長期的視野に立脚した状況分析が求められる。解釈の誤りは戦略的な失敗につながり、地域諸国と世界の利益を損なうことにつながりかねないのだ。

というように、海外の意見はそれぞれなのであり、安倍首相には、安易な解釈に基づく不正確な分析記事に惑わされずに、毅然とした振る舞いを望みたいものです。

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