極右といえば、たいていの人はネオナチのような勢力を連想すると思います。確かに今回の選挙で躍進した“極右”の中には、それらしい連中もいます。しかし、“極右”とラベルを貼られたほとんどの勢力はそうではありません。
ではどんな人たちなのか?今回大躍進したオランダの政党PVV(自由のための党)のヘールト・ウィルダース党首を例として見てみます。
ヘールト・ウィルダース氏
ウィルダースさんの極右といわれる所以は、彼の移民政策にあります。
「移民は原則認めない。特にイスラム移民は断固として認めず、今いる移民にはカネを出して帰国してもらう。ただし、ヨーロッパの文化と法を尊重するのであれば歓迎する」と、ウィルダースさんは訴えます。
ではなぜイスラム移民に反対するのか?
ウィルダースさんのような現代の“極右”の最大の特徴は、その理由にあります。ナチスのような全体主義的極右であれば、「移民は劣等民族であり、欧州人は優等民族だから」と来るところですが、ウィルダースさんは、その真逆の理由から移民排斥を訴えます。
結論からいえば彼は、徹底した反全体主義者なのです。
自らをリバタリアンだというウィルダースさんは、小さな政府による自由主義を訴え、規制を乱発する社会主義的なEUの政治統合には反対しています。
そしてそれと同じコンテキストで、イスラム移民を叩くのです。「社会のあり方まで規定するイスラムというのは、寛容を是とする欧州文化と相容れない、根源的に不寛容な、全体主義のイデオロギーなのだ」と。
イスラムが全体主義のイデオロギーなのかどうかはともかくとして、今の欧州では、現実としてイスラム教徒を怒らせるような発言をするのはタブーです。もしそんなことをすれば、イスラム原理主義者の暗殺者に狙われるだけでなく、“人権擁護法”違反で摘発されます。ウィルダースさんも、執拗に命を狙われるために毎日寝る場所を変え、イギリスからは入国禁止を言い渡されました。
タブーを作り、それを法的に補強していくような社会は、古い因習や宗教的価値観を法的に保護していてた昔の社会とどう違うのか?ウィルダースさんのような“極右”の台頭は、そう問うているような気がします。
PVVのように反移民を訴えることはありませんが、やはり“極右”に数えられる、イギリスで与党の労働党を上回る支持を集めたUKIP(イギリス独立党)もまた、社会主義的なEUからの脱退を訴え、国家統制の隠れ蓑である地球温暖化を疑い、一律課税を主張する自由主義政党です。
欧州における「極右の台頭」と呼ばれる現象は、過去100年間、右に左に蛇行しながら着実に社会主義を追い続けてきた欧州であがる、社会主義に対するノーの声なのです。
是非ともソースを紹介してください。少なくともオーストラリアのインド人襲撃に関する抗議行動では「中国移民」のことは出てきませんね・・・・
>豪州でまたインド人留学生襲撃、インド国内で強まる反豪感
http://news.indochannel.jp/news/nws0001225.html
5月末にUPされて今もコメントがついてます。
Indian student in Australia (Melbourne) beaten by teenagers
http://www.youtube.com/watch?v=1ouQDo1lr80
ウィルダース氏は本気の本音を語っているだろうか。
「不寛容なイスラムを信奉する者は断固として排斥するが、
ヨーロッパの文化と法を尊重するのであれば歓迎する」ですと?
イスラムを信奉するが、ヨーロッパの文化・法も尊重する人はどうなるのか?
イスラムを信奉しちゃった、ヨーロッパ人はどうなるのか?
「ヨーロッパの文化と法を尊重する」事を証明する具体的手続きは何なのか?
イスラムの非尊重を公然と示す「踏み絵」の様な手続きになるのか?
その様な境界条件を明確に語っていないんじゃないかなと思う(語ってたら済みません)。おそらく最後の「踏み絵」を示唆しつつ「出来まい」と高を括っている気がするね。勿論、ヨーロッパに残りたいイスラム人もそれは出来ない。翌日死体になっちゃうからな。
でも「だからコイツは血も涙もない極右だ」と云いたいのではありません。
「自分の国に居てほしくない外国人を排斥する」という実に真っ当な権利さえ、リベラルな価値観に沿った屁理屈をこじつけねば主張できないという時代の、偽善あふるる歪さを嘆いているのです。しかも、其処まで気を遣った発言をしながら「極右」と言われちゃう。誰がこんな空気、こんな価値観を世界に蔓延させたのか。
不快な客を追っ払うに理屈は要らねえと思います。
だからこそ国民にするには慎重になるべきで、国家への忠誠を誓わせた上で30年位の監察期間(その間は仮国民)は必須だと思いますね。日本も他人事じゃないですよ。