ところで、東国原という人は何かといえば、もうこれ徹頭徹尾テレビの人です。テレビを通じて知名度をあげ、テレビを通じて知事になり、テレビを通じて宮崎にカネを集めと、彼からテレビをとったら何も残らないような人です。時折マスコミ批判をしていますが、それは本質的なものではありません。
もう過去何十年も、政治はマスコミ、特にテレビの力を無視して成り立たず、これまでも多くのタレント政治家が生まれてきました。しかし“テレビの中の人”がこれほどまでに政治の頂点に近づいたことはないと思います。
テレビの力は明らかに落ちているのに、どうしてこんなことが起きるのでしょうか?
多分それは、政治がテレビ化しているからです。
テレビが政治をおもしろおかしく伝え、政治というものを矮小化しているという文脈で、よく「政治のワイドショー化」といわれますが、そういうことではありません。永田町がテレビセット化し、政治家はテレビタレントになり、政治はワイドショーそのものになったのです。
政治がテレビと一体化したのですから、本物のタレントが首相になるのは不思議でもなんでもありません。
世間一般では、テレビの影響力は急激に下降していますが、センスの古い政界は今まさにテレビに夢中です。今年の春先、民主党の次期総務相候補、原口議員がテレビで「(民主党が政権とったら)電波料を思いっきり下げます」と発言したことは記憶に新しいですが、彼の頭の中では、それで庶民に受けると信じているのです。
テレビの引力を離れた人たちに語りかける政治家、政党はいつ出てくるのか?今の状況を見る限り、テレビ政権の誕生と瓦解まで待たなくてはならないようです。
それを継承しているのが、橋本大阪府知事と東国原宮崎県知事ということなのでは?
現在の国政のメイン部分は、単純な先祖返りではなく、脱テレビ化に向かっている部分が結構ある気がします。実際の政治(とくに内政)は、そんなに単純じゃないですからね。
まぁ、しばらくは混乱するでしょうが。。。。
政治がテレビ化しているとなれば、所詮日本の政治(というか民主主義)とはその程度もモンで、そんなに重要な位置は占めていないというとも言えるかと思います。
20代・・・42.04%
30代・・・65.19%
40代・・・78.21%
50代・・・81.23%
60代・・・82.28%
70代・・・85.63%
全体・・・73.80%
衆議院選が間近ですがこれを見ると政治家がテレビに日和見する理由は何となくわかる気がします。選挙にあまり行かない若者が主流となっているネットに媚びても票にはならないということでしょう。
それこそが民主主義のあるべき姿です。
少なくとも、これまでのような密室の中で限られた既得権益層の利益だけを図る政治よりはるかにましです。
政治のテレビ化に問題があるとすれば、その問題は民主主義そのものに内在したものです。