少子化対策としてさかんに叫ばれているのが、まず子作りインセンティブを乱発してとにかく子どもを生ませることです。そのお手本として、フランスの手厚い子作り支援が賞賛されています。しかし、インセンティブ乱発による成功例とされるフランスでさえ出生率は2.1(人口置き換え水準)に届かず、フランス人の数は減り続けています。
国家による子作り支援が本当に少子化にストップをかけられるのか、収支勘定は合うのか、社会的副作用はないのか等、子作り支援の効果はあらゆる面で不透明です。
そこで注目を浴びるのが移民です。
移民を受け入れれば確実に人口は増し、内需は維持され、税収は維持され、文化的にも刺激を生んで一石二鳥という寸法です。
しかし、移民国家のカナダで、移民による人口増加効果に疑問を投げかける報告が出されました。
カナダの出生率は1.54で、人口を維持する2.1に及ばない。しかし日本のように少子化に警鐘を鳴らさないのは、移民を受け入れているからだ。
国民のほとんどが元移民であるカナダは、多元主義を実践する成功例と見られている。国民に移民の効用を理解させるためにカナダに調査に来たという日本人外交官もいた。
しかし、カナダの有力なシンクタンクであるC・D・ハウ・インスティテュートが先月発表した報告によれば、移民による少子化相殺効果は過大評価されている。
その分析によれば、人口比で0.67パーセントにすぎない現在の移民流入量は、焼け石に水である。カナダの出生率低下を移民で補うためには、国境を開いて年に50万人以上の移民を呼び込むだけでなく、さらに移民に「年齢制限」をもうけて、若者のみ移住してくるようにしなければならない。
これはあまりにラジカルであり、政治的に現実的とはいえない。治安の悪化は避けられないし、同化は期待できないし、年齢制限による家族離散は、人権的見地から許されないだろう。
従ってC・D・ハウ・インスティテュートは、人口維持のために移民以外の方法を模索する時がきたと結論している。
以上、Canada's big problem -- too few babiesより抜粋要約
C.C.Howe Institute の報告書
移民の問題点というと、保守的な国民が異文化に拒否感を持つこととか、治安が悪くなる可能性とか、これまではそういう方向からしか議論されてきませんでした。しかしここで語られている分析によると、そもそも移民は少子化対策として現実的ではないとしているわけで、これは新しい視点です。
今の日本の指導層は、国民の拒否感さえ払拭できれば、移民は少子化対策の切り札になると考えている節があります。しかしいくら移民を受け入れたところで、少子化の流れを止めることはできないのです。
移民受け入れる
↓
育児コストが高くて思った程子供が増えない
↓
結局、後の老人ばかりが増えて後の大人は増えず
子ども育てる事自体がすごいコストになってるんで
ここを解決しないと移民受け入れても同化どころか祖国に帰るかも・・
oribeさんのご指摘はもっともだと思うけど・・・
この辺に解決の糸口があるかと。
ちなみに現在の日本の住宅寿命は短く、かなりのものが一世代で使い捨てだそうです。
大学の場合私立になる可能性って高いじゃないですか。もっとかかるでしょ。下宿させるとかなったらもっともっと学費+αいります。
これじゃあ、まともな?移民候補の方々は魅力を感じないでしょう。日本に。
独身主義者や相手のない人、子供を持つ気のない夫婦、子供を一人もうけたものの「もういい」と言って複数の子を持つ気がなくなった人達がごっそりいる一方で、子供が3〜4人いる家庭もまたごっそりいないと達成できない数字ですから。
老後の保障は社会によるフォローが急速に進んだ一方で、育児費用に関しては各家庭の家計に依存する面が大きい為に「子供が多いほど損する」という気分が蔓延しています。
ただ、老人介護は同居する子供のマンパワーがかなりの比重を占めてるのが現実なのに、今後急増するだろう子のない世帯はどうするんでしょうね。
日本の人口が減って社会のニッチが空けば出生率も上がるし、何処かでバランスすると思いますね。何十年か先に5千万でバランスするなら、それが適正人口なのでしょう。受容れる側の社会構造を変えずに入り口だけ無理に広げるのは如何なものか。社会構造を変えた結果として人口が増えるのなら良いのですが。
また、移民を入れると社会的なニッチがそれで埋まるから、オリジナルの日本人の出生にマイナス影響が出るのは避けられません。好みの問題ですが、オリジナルの比率が減り続けるのは私は嫌ですね。
そもそも何故人口維持の必要があるのか。GNP二位(→三位)死守の為ですかねw
内需とか税収とかGNP、国防を考えるなら、頭数を増やすより金持ちを増やすことを考えるべきです。高い教育や才能を持つお金持ちの移民なら歓迎ですが、ちょっと不況になると保護が必要になる階層を入れるのはマイナスです。要らなくなったって返せるもんじゃなし、人間って面倒で厄介なもんです。
そして、全てを割引いても、母国や宗教の「紐付き移民」は論外ですね。
そりゃ「侵略の尖兵」って奴ですぜ。
えー私自身は諦めたが(笑)若き独身理系草食オタ共の公的な救済もお願いしたい。
収入・容姿・人格に何の問題もないのに、気が付いたら取残されて、少子化緩和に貢献していない輩が結構居ると思うのです。彼等は小金を持ち、益体もない趣味に注ぎ込みますが、本当に高額な買物はしないので(持ち家もワゴンも高級車も必要ない・・・実用主義だし)実は内需拡大にもあまり貢献していないのです。
概して大人しく実直な彼等は、善き夫・善き父・善き市民になる資質を備えています。彼等を結婚させれば出生率向上と内需拡大に一石二鳥ですぜ。
この眠っている「資源」を有効活用すべく、国は何らかの手を打ったら宜しいかと。
最初の三つのコメントについて、これは安全な場所で温々と育った日本人の甘い認識です。
欧米の人口増に貢献してるのは殆ど移民ですよ。お陰で、小学校などが移民だらけになったりするケースも有るようです。それを賄うのは、国民の税金。
誰でもすべての情報に通じているわけではないので、知らなかったのは仕方がない、肝心なのは、「新しい視点」などという言葉はうかつには使えないということを知ることです。
アメリカでは、いわゆる白人でも出生率は1.9近くでアフリカ系で2.0ほど、第3勢力であるヒスパニックはもっと高いという形だそうです。
フランスでも移民がもたらす出生率への寄与はかなり小さく、極右勢力が「移民によるのっとり」という不安を煽るために過大評価されがちであるという話も聞きます。
アメリカでは宗教的な理由で避妊や中絶を好まないという人たちがいたりすること、あまり宗教的でないフランスでも、婚外子に対する寛容さや支援があるなど、多様な生活様式や価値観を積極的に受け入れてきたことが成功の一因という意見もあります。
私の周囲で子沢山(2人以上)の家族って、そのほとんどがネット上でDQNって呼ばれるタイプの夫婦ですよ。
その逆に常識的で、世間体や子供の教育環境を考える真面目な夫婦に限って子供居ないか、一人っ子。理由はやはり養育費や教育費を真面目に考えてるから。
翻ってDQN夫婦は養育、教育費は一切考慮しない上に、3人目以降は手当が支給されるからと車だのゲームだのと贅沢三昧・・・・。
何か間違ってる気がしますね。増えるなら馬鹿でも何でもいいのかと。
いっその事、子供2人をターゲットに手厚く補助してやったらどうでしょうか?
一人でも×、3人でも×って感じで。
経団連は移民の安い労働力だけを見て言っているにすぎない。
個人の利益が確保される世の中になれば、子供が増える事の可能性よりリスクが増すだけと考える現実主義者が増えるんだろう。
物価に原因があるんじゃないかと思う。
その国にあった価格というものがあると思う。
自国の労働力では製造コストが利益を圧迫するから他国の安い労働力で補う。この方法がおかしいんじゃないのかな?
労働コストが増えるなら製品価格も上げるべきで国民も受け入れるべき。
労働力だけ外に頼むなら先進国民は全員がリーダーにならなければいけないから大学まで視野に入れ、1人に集中する事になるし、じゃーいらないと思うんじゃないかな?
でも、そんな主従関係を他国が求める訳がないです。
国家という枠組みがある以上、出来うる限りは国内でやるべきと思う。
国内市場を開放した国から少子化になっている理由にはならないですかね?