2009年08月08日

Great Wall of Old Media

先日、“世界のメディア王”ことルパート・マードック氏が、傘下メディアのウェブページを1年以内にすべて有料化すると語りました。

ウォールストリートジャーナル、ニューヨークポスト、タイムズ、ザ・サン、ニュース・オブ・ザ・ワールド等々、名だたるメディアの一斉有料化は、なかなかのインパクトを持ちます。

「質の高いジャーナリズムは安くない」「コンテンツをただで配るのは、報道機関のとも食いだ」「この試みは成功し、他のメディアも続くと思う」ということで、早速この秋から一部のサイトで課金を始めるようです。

しかしマードック氏の成功を待つまでもなく、各社はすでにウェブシーンとの間に壁を作る方向に足並みを揃えつつあります。

マードック氏の発表の翌日には、ボストン・グローブ紙がウェブサイトの有料化を宣言。また過去に2度記事を有料化し、いずれも失敗して無料に戻していたニューヨーク・タイムズは、3度目の記事有料化を検討中。AP通信に至っては、5単語以上の記事無断引用には、1語あたり2ドル50セントを請求することを検討しています。

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こうしたメディアの巨人たちの姿勢は、一般のネットユーザーのみならず、多くの識者からも批判されています。いわく、「APの姿勢はフェアユースに反する」「課金制は読者を減らして広告料の低下を招くだけだ」「マスメディアの自殺行為だ」等々。

しかし、ネットの発展という観点から見れば、こうした動きはむしろ大いに歓迎すべきことかもしれません。

何しろ今のネットは、情報屋として本来ならその中核を担わなくてはならない既存マスコミがいやいや引きずられている状況で、下手に影響力があるためにネットの進歩を阻害しているように見えます。

APのリンク制限の動きに対しては、すかさずロイターの社長が声を上げ、「うちの記事はいくらでも引用、リンクしてもらって結構」と述べていますが、巨人たちが課金制という壁の向こうに隠れた後のウェブシーンにはビジネスチャンスが広がります。そして積極的なニューカマーたちの先導により、21世紀の情報空間の構築と成熟が加速するに違いありません。

一方クラシックメディアの側からしても、それで少しでも収入が上がり、「質の高いジャーナリズム」の維持につながり、そしてそれにお金を払う客に、値段に見合うだけの利益をもたらすのであれば、大変結構なことです。

ただ問題は、現在のマスコミが強大な権力を持つ理由は、そこにはないということです。

マスコミのパワーの源は、大衆を興奮させて道ばたの石ころを高く売りつける煽動装置としての役割にこそあり、壁の向こうに隠れることでその力を失えば、いくら良質な情報を発信したところで、所詮かつてのように儲かるはずはないのです。

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この記事へのコメント

あわわわwwwこのコの「米青 子 好 き」ってウソじゃなかったんだな!!www
何発出したか分からないくらい出したのにぜーんぶ飲み干されたよwww
ちなみにボクの汁は「ドロドロでクサくてウマー(*´∀`*)」らしいwwwww
すごい変 態さんだけど、毎回3マソは絶対にくれるからボク的にもウマウマっすwww(゜∀゜)

http://jam.tsukimisou.net/j9giv2m/
Posted by へ、ヘソタイだーーーっ!!www at 2009年08月09日 05:39
一方、日経は・・・

日経新聞電子版始動、しかし個別記事へのリンクを禁止、違反者に損害賠償請求も示唆
http://slashdot.jp/it/10/04/05/0220235.shtml

しかも電子版は月額4000円。
子飼氏も書いてましたが、「紙で買え!」と言ってるんですね。
Posted by マモー at 2010年04月05日 19:25
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