■新聞への公的支援論議を−−ジャーナリスト・原寿雄氏
・・・廃刊相次ぐ米国では公権力を監視する力が弱まりかねないという声が広がっている。連邦議会では、新聞の再編を容易にするための独占禁止法の緩和や NPO化による税制上の優遇措置などが論議され始めた。欧州では新聞の公共意識が強い。言論の独占を避け、多様性を重視する観点から、スウェーデンでは弱 小新聞への助成策があり、仏では税制上の優遇に加え新成人への新聞の1年間の無料配布も打ち出した。
民主主義社会ではジャーナリズムが不可欠だ。日本では社会文化政策として新聞ジャーナリズムの公的な支援論議はほとんどされてこなかったが、いまこそ始める時ではないか。再販制度や特殊指定制度は、新聞事業を維持するために、その意義が一層強まった。
欧米の政策を参考にした税制上の優遇や、教育文化政策の一環として、ジャーナリズムの社会的な重要性を学ぶためのカリキュラムを強化したり、義務教育が修了する15歳を機に新聞の1年間無料配布を検討してもいい。年500億円で足りよう。
メディア政策:新政権に望む 「表現・報道の自由」規制、デジタル社会、そして…
徹底したネガティブキャンペーンで自民を屠り、その惨状を見せつけた上でさりげなくこういう記事を示すとは・・・みかじめ料を要求するヤクザの手口そのものです。
しかし、マスメディアに対する公的支援の動きは、そのうち本当に出てきます。なにしろ日本は何事にも守旧的なのに加え、欧米の前例は葵の印籠という国民性です。
しかしこの場合の前例は検討に値するのか?原寿雄氏のあげるフランスのケースについて考えてみると、疑問符だらけです。
フランスと日本の新聞事情は、とにかくまるで違うのです。
まずフランスでは、そもそも新聞は驚くほど普及していません。
読売新聞1000万部、朝日新聞800万部という発行部数に比較するとフランスの 新聞は驚くほど部数が少ない。フランスで最も古い歴史を持つル・フィガロが32万部、ル・モンドは31万部にすぎない。・・・
これだけ部数に違いがあるのは、新聞の配達方法が異なるからだ。日本の新聞は宅配が標準で、朝起きると新聞が自宅に届いている。したがって、定期購読者が多い。フランスでは自分で店まで買いに行かなければならない。定期購読制度もあるが利用者はごくわずか。配達は新聞販売店ではなく郵便局が行うの で、届くのは日中になってしまう。
さらに町で新聞を販売しているのはタバコ店だ。フランスでは今年2月に公共施設での禁煙令が施行され、タバコ店が次々と閉店に追い込まれている。出勤前の忙しい時間にわざわざ離れた場所まで新聞を買いには行けない。
フランス新聞事情:有料新聞は生き延びられるか?
発行部数の少なさに加えて、共産党系の労組に牛耳られた印刷所は割高という事情もあり、フランスの場合、ネットの普及による打撃は、諸外国に比べてけた外れです。
宅配の方法を変えたり、売り方を工夫すればいいのにと思うかもしれませんが、それはできません。なぜならフランスでは第二次大戦直後から新聞を「民主主義の要」と位置づけて様々な方法で保護してきており、郵便局による格安宅配や、売り場の確保は保護策のひとつだからです。
そう、フランスではそもそも最初から手厚い新聞保護策が実施されており、こうした形で国が負担する額は、年間で15億ユーロにものぼるのです!
国の過剰な保護により業界は弱体化し、今さら規制緩和をして営業努力をさせようにも、業界気質としてすでに役所化しており、また既得権を奪われることになる郵便局とキオスクも、それを許すはずはありません。
今年1月に発表された新聞保護策は、3年間で6億ユーロの予算を組んで新成人に1年間新聞をただで宅配するというものですが、新聞購読の習慣を普及させることで、各方面を怒らせずに新聞業界に体力をつけさせ、国の負担を少しでも減らしたいという思惑もあるのです。
このように役所化しているフランスの新聞業界と政界の癒着は半端ではありません。
仏主要紙と政財界との結びつきも古く、固い。ル・モンドは戦後、ドゴール将軍(後の大統領)の肝いりで設立された。 同紙を発行するラヴィ・ルモンド社の株式の2割近くは、欧州航空宇宙大手EADS社を傘下に置くラガルデール社が保有する。 最古の全国紙フィガロは1958年の第5共和制発足以来、一貫してドゴール主義政党に寄り添い、今もサルコジ政権に近い。 経営は、与党・民衆運動連合(UMP)上院議員で、軍需大手ダッソー社の総帥であるセルジュ・ダッソー氏が握る。 左派系紙リベラシオンもユダヤ系財閥ロスチャイルド家の手にある。
主要新聞社を保有する企業や資産家の多くは「編集には関与しない」(ダッソー氏)と強調する。だが、カトリック系紙 ラ・クロワの毎年の世論調査で、「新聞は信用できない」と答える人が50%前後に達しており、逆に「新聞報道を信頼できる」 とする回答が80%以上(本紙世論調査)を占める日本とは、対照的な構図も浮き彫りになっている。
仏の主要紙を国が救済、政財界との密着背景
こうした事情は、まるで旧ソ連か毛沢東時代の中国かと見紛うような写真加工を2度暴露されたパリマッチ誌の姿勢から窺い知れます。
お腹のたるみを修正
背後の人物を消し損ねて3本脚に
サルコジ大統領は、「テレビ大統領」と言われるほどに報道のされ方に神経を使う政治家で、マスコミ界の有力者に多くの友人を持ち、業界の人事にもたびたび介入してきました。今回の大胆な新聞保護政策は、「民主主義のために新聞は守られなくてはならない」という美名の下、友人たちの懐を暖め、メディア支配をより強めようという手段でもあるのです・・・。
このように、原寿雄氏があげたフランスの例は、日本とはまるで違うフランスの特殊事情と、怪しい意図により生まれたもので、日本の参考になどまるでなりません。そういうことを隠して、自分に都合の良い点だけさらりと伝えて世論を喚起するとは、さすがプロのジャーナリストは違います。
かつての消費税や住専税金投入を思い出せばそれを推進する人間はどんな大物でも落選の憂き目を見るでしょう(ましてや今は無駄遣いに敏感
やりたければすれば良いです・・その政党は例え安倍元総理が居ようが長妻議員が居ようが軒並み政界引退まっしぐらでしょうから
「公正中立」をうたう新聞社様が拒否するだろう、
と思ったけど今の大幅赤字じゃ案外すんなりと受け入れそうで怖い。
新潮とか文春あたりが反対キャンペーン張るだろうけど、果たして
効果があるかどうか。
いくらなんでも周りの人間を馬鹿にしすぎです。
しかしなんで他社との提携などが遅いんだろう。
その点は朝日新聞はしたたかだな。
(まあすでにぼちぼち民主内右派ヨイショやってるし)
「不偏不党」とか「権力の監視役」とか、憲法9条や非核三原則並にありえないお題目唱えてないで、さっさと党派明らかにして報道やればいいのに。
へんこー・じょーとー!ってね。
ここを読んで、普通の親なら「何かヘンだな?」と思うんじゃないでしょうか。
一人暮らしの若者ならともかく、日本で高校生の子供のいる家庭は大抵何かしか新聞を取ってるでしょうに。
毎日新聞に生き延びて欲しいとは思いませんが、読売・朝日・日経の強者連合で今以上に談合報道がひどくなるのも困りますけど。
麻生総理の講演会ガラガラ編集騒動や、イオン死体水事件も地元紙の報道がなければ知る事はできませんでしたし。
若い世代だったらミクシイを始めネットで同じ分量を毎日新聞については十分無料で読めますからね・・・毎日新聞をいちいち無料配布する労力って何だろう。もちろん他にも当てはまりますけど。
マスメディアは皆沈黙を守り、新聞は戦後の反日報道・反日民主党政権誕生のご褒美を堂々と受け取って復活するでしょう。
「建前」のウラに「本音」が在るのは、この世の常。天下の「朝日新聞」とて例外でない。
「私たちは信じている、言葉のチカラを」と感傷たっぷりに「ジャーナリスト宣言」する一方で、身内には、「おカネのチカラ」が気がかりな胸の内をボソッと吐露していたのだ。
<記事ではないが、22日朝刊(大阪紙面)に自民と民主の全面広告がないのが気になった。読売と産経には両党が、日経には自民が全面広告を出している(ちなみに東京紙面には民主党のみ全面広告がある)>
こんなメールが朝日社内に出回ったのは、衆議院解散翌日の7月22日。
「記事審査委員が毎日、紙面についてコメントし、メールするもので、社外秘、転送やコピーもできません。それ故、かなり踏み込んだことまで述べてある。ただ通常は記事のみで、広告にまで言及するのは異例中の異例。“広告が入らないから論調には気をつけろ”と、言外に匂わせているようなものです」(朝日関係者)
無論、背景には朝日の冗談では済まされない経営難がある。特に広告収入は4年連続の前期割れで、昨年度は前年比83%。“喉から手”で出向がほしい状況だが、この日、上記の4紙で自民党の全面広告が東京・大阪紙面に掲載されなかったのは朝日のみ。それぞれ2000万はするだろうから、焦燥もうなずけるのだ。
「散々自民党叩きをやっておいて今更広告なんて、虫のイイ話。安倍元首相が大敗した2年前の参院選でも異様すぎる報道が物議をかもしましたが、今回も同じ」とは、朝日OBの時事評論家・本郷美則氏。
確かに、両党の「マニフェスト」についての社説を見比べると、民主には「『歴史的転換』に説得力を」(7月28日)とおおむね肯定的、提案系なのに対し、対自民は「気迫が伝わってこない」(8月1日)と、お得意の“情緒的表現”で一刀両断。出稿を渋られるのも当然なのだ。
自民党は積年の恨みを晴らすベシと思ったか、その後も、8月20日の東京紙面でライバルの読売に東京選挙区の広告を出し、朝日は“お預け”。22日には両紙に出稿したものの、読売は全面、朝日は約半面だった。
“兵糧攻め”にも負けず、今後も朝日は、アンチ自民の「ジャーナリズム」を貫けるか―。見ものである。
週刊新潮2009年9月3日号32ページより