2010年01月20日

日本以外全部沈没

アメリカ、マサチューセッツ州の上院補選で共和党のスコット・ブラウン氏が勝利し、アメリカの保守派は革命でも成し遂げたかのように興奮し、ついでにダウも2008年10月以来の高値を更新しました。

これがどれほどのことかというと、昭和的な例えになりますが、大阪で巨人の人気が阪神を上回ったようなものです。ボストンのあるマサチューセッツというところは、それほどまでに徹頭徹尾リベラルな土地で、あろうことかそんなところで、共和党の無名候補が勝ってしまったのです。

マサチューセッツ出身で、リバタリアン雑誌「リーズン・マガジン」のライター、マイケル・モイニハン氏が、ユーチューブにアップされたインタビューで、そのあり得なさをこんな風に表現しています。

この前フリードリッヒ・ハイエクのことを書いたプラカードを掲げている人を見たよ。子供の頃、新装版が出た「隷属への道」を買おうとしたけど、本屋に置いてなくて注文しなけりゃいけなかったんだ。そんな街で、「肩をすくめるアトラス」とかハイエクのプラカードを揚げた人が練り歩くなんて、ここがマサチューセッツだなんて信じられないよ。街路で共和党候補を応援するなんてもっての他で、保守派であることを公言するのも憚られた土地なのにね。

ハイエクとかアイン・ランドを例えに出しているところがいかにもリバタリアンですね。日本にいると、アメリカには上品なリベラル派と、銃を振り回す田舎者とキリスト教原理主義者しかいないように見えますが、ハイエクやランドをプラカードに書いて通じ合えるような、そういう層も存在しているのです。

そういうわけで、これでオバマ政権は事実上死亡しました。世界中のアンチ・フリーマーケット主義者を歓喜させた政権の誕生からまだほんの1年あまり、チェンジはチェンジでも逆方向へのチェンジで、アメリカは骨の髄まで保守化するに至ったのです。

経済危機を克服するために、去年の秋に中道右派を選んだドイツ国民。決然として自由を選んだアメリカ国民。さらにまもなく労働党を政権から放逐すること確実なイギリス国民。わが国の首相や財務相や金融相によれば、「市場原理主義」は終了したそうですが、どうやら世界はとんでもない方向に進んでいるようです。

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この記事へのコメント
これはけしからん状況ですな。日本が世界中に教えてあげねば・・・
という冗談はさておき、今回、例の幹事長の自爆という発端ではあるものの日本でも世論調査によっては現政権への不支持率が支持率を上回ったりと徐々にいつもの「金魚の糞」っぷりのきざしが見え始めているのかなと思っています。
オバマ大統領の支持率の推移から考えると約半年遅れくらいでしょうか。
参院選のころにどうなっているか見物ですね。
Posted by white at 2010年01月20日 13:25
金魚の糞で構わないのであるべき姿に戻って欲しいものです。
が、日本の「アレ」或いは「アレ共」はそもそもリベラルなんだろうか・・・

また「あるべき受け皿」は未だあるんだろうか・・・
Posted by 小野まさ at 2010年01月20日 13:47
アイン・ランドに縋り付いて共鳴している層、とすると、ああいろんな意味で日本人は劣ってると心底感じていそうですね。日本の知識人とか偉い人たちは。
Posted by take at 2010年01月20日 18:10
正直、これには僕も驚きました。
まさかマサチューセッツ州で敗北とは。
保険制度への反発がそれだけ強いのか、それとも就職難問題が絡んでいるのか、まだにわかには判断できませんが、とにかくこれで「国民皆保険制度」の実現はかなり難しくなりましたね。
Posted by ふとん at 2010年01月20日 18:38
>日本にいると、アメリカには上品なリベラル
>派と、銃を振り回す田舎者とキリスト教原理
>主義者しかいないように見えますが

何言ってんのこの人。アタマおかしいのか?
上品なリベラル派なんていねーだろアメリカ
には。あと、アメリカの保守層は殆どがキリス
ト教原理主義に近いよ。銃は振り回さないけど。
君主政も封建制度も経験していないアメリカは、
保守の骨格がキリスト教以外に存在しないから。

>どうやら世界はとんでもない方向に進んでいる
>ようです

とんでもない方向に行ってんのは、アンタの
アタマの中だろ。いい加減な国際分析して
テキトーな結論出すなよ。
Posted by mikhail b sokolov at 2010年01月20日 19:02
アメリカにはちゃんと受け皿があるから、うらやましいです。
Posted by しらたま at 2010年01月20日 20:20
>>mikhail b sokolov

いい加減にしろ。
あんたの下らない書き込みにはうんざりだ。

いい加減自分でブログを書け。

ちゃんと具体的な根拠を示してわかりやすく
解説して読む人を納得させなさい。

少なくともoribeさんよりはあなたのアタマは
おかしい。テキトーな事を書き込むな。

*oribeさんへ
mikhail b sokolovは本気で書き込み制限をつけるかどうか検討しても良いと思います。

もしくはコメント認証制に設定を変更されては
どうでしょうか?

Posted by @ at 2010年01月20日 21:32
根拠は書いてますが。書き込み制限なら
どうぞご勝手に。あと納得したくない人間を、
納得させるのは、神様でもない限りできません。

毎回だけど、ここのブログの海外情報は、
無理がありすぎ。例えば

>アメリカは骨の髄まで保守化するに至ったのです

何言ってんすかアンタって感じ。人種民族間の
問題が片付かないのに、アメリカが保守一色で
染まるわけがないっつの。だいたいアメリカじゃ
保守=白人優越主義でもあるのだぜ。

Posted by mikhail b sokolov at 2010年01月20日 22:20
マスコミ主導の「格差社会キャンペーン」で熱狂しきったネオマル運動は、ホント気持ち悪かった。
この4年間ぐらい。
Posted by   at 2010年01月20日 22:49
>アメリカの保守層は殆どがキリスト教原理主義に近いよ。

>だいたいアメリカじゃ保守=白人優越主義でもあるのだぜ。

アジア系アフリカ系の保守派、共和党支持者とか普通にいますけど。

想像やらインターネット、本で得た知識で偉そうに語っちゃうって…童貞が女を語っちゃってるようなものか?w
Posted by Erotopia君 at 2010年01月21日 01:33
>アメリカは骨の髄まで保守化するに至ったのです
oribeさんは、意図的にわざと大袈裟に書いてるんでしょ。日本の世論動向との隔たりを際立たせる為に。

ところで、日本に生まれて普通に働いてると「国民皆保険制度」は非常に有難い面のが多い気がしますが、どうしてアメリカ人は皆保険制度を嫌うんでしょうか?
やはり、保険料を払う事が出来ない層が非常に多い程に格差があるっていう単純な事ですかね。
Posted by DOT3 at 2010年01月21日 02:10
>上品なリベラル派
いやいや、ヒッピーたちを忘れてもらっては困ります。日本のリベラルに最も影響を与えたムーブメントじゃないですかね?最近活躍?のシーシェパードもヒッピーの流れをくんでるそうですが、上品とはとてもとても。
Posted by wh at 2010年01月21日 05:26
>Erotopia君氏

下品だな。日本のインチキ保守の影響でも受けて
どうにかなったんかい。某漫画家みたいな奴とかの。

>アジア系アフリカ系の保守派、共和党支持者とか
普通にいますけど

そりゃいるさ。アメリカの保守派っつうのは
「我々の先祖はインディアンの土地を奪った」
とか言ってる連中とか、ヒッピーもどきとか
ドラッグまみれとか犯罪者の人権とか言ってる
連中に嫌悪感のある真面目な人たちのことだもの。
アメリカで会ったことあるけど、真面目す
ぎて怖いよ。お前みたいに、日常会話で軽薄に
性の話なんぞしようもんなら殺されかねん。

で、この人たちを結ぶ強力な輪が、現在ではキ
リスト教なの。進化論を否定するようなタイプ
の頑迷なキリスト教。(怖かったんでこのへん
は聞けなかった)アメリカの保守は、正確
にはキリスト教右派。

あと、アメリカには上品なリベラルは存在しない。
現国務長官を見ろ。どっから来たイメージだよ。
Posted by mikhail b sokolov at 2010年01月21日 08:24
「日本にいると〜見えますが」と書いてあるのだが、
居ますとは書いてないぞ、日本語読めんのか?
Posted by ERROR at 2010年01月21日 08:46
米大統領 求心力取り戻せるか NHKニュース 1月21日 7時19分

アメリカのオバマ大統領が就任してから20日で1年を迎えました。深刻な失業問題を抱え、支持率が低下するオバマ大統領にとっては、いかに政権の求心力を取り戻せるかが政権2年目の最大の課題となります。
オバマ大統領は20日、ABCテレビのインタビューに応じ、「国民が憤りや不満を持っているのはわかっている」と述べて、国民の期待に十分に応えていないことを認めました。オバマ大統領は1年前、チェンジ・変革を掲げ、黒人として初めて大統領に就任しましたが、およそ70%あった支持率は、深刻な失業問題などから、今では50%前後に落ち込んでいます。19日には、与党・民主党が地盤とする北東部マサチューセッツ州で連邦議会上院の補欠選挙が行われましたが、オバマ大統領の経済政策を厳しく批判した野党・共和党の候補が勝利し、国民の不満の広がりを印象づけました。この選挙の結果、民主党は、上院で共和党の議事妨害を阻止できる60議席を割り込み、オバマ大統領が最も重視してきた医療保険改革の法案も、成立がきわめて難しくなる事態となりました。秋に議会の中間選挙を控え、政権の求心力を取り戻すには、経済を回復の軌道に乗せるとともに、医療保険改革を頓挫させるわけにいかず、オバマ大統領は重い課題を背負って政権2年目に入ります。
Posted by oribe>>>>>>>>>他の方>>>>>そろこふw at 2010年01月21日 13:38
1年前のオバマ勝利からマサチューセッツでのこの展開、日本でも数年前小泉から安部政権の保守人気から今回の民主圧勝など世界各国があらゆるベクトルに短時間にチェンジ&チェンジ&チェンジ&チェンジしながらどこに向かっているのか迷走している感じを受けます。

半年、1年後が読めない..自分もどうしたいのかよくわからない..そんな感覚です。

Posted by ao at 2010年01月21日 18:20
こんばんは。
「日本以外全部沈没」という映画は、是非観てみたい映画のひとつです。
昨年の夏にレンタルする予定でしたが、PCの具合が悪く未だに観ておりません。
映画そのものをすっかり忘れておりました。
今年こそレンタルします!
Posted by pocopen at 2010年01月22日 22:00
oribe氏が主張するように、マサチューセッツで共和党が勝ったからといって、イコールリベラルが敗北したとは必ずしも言いがたいだろう。

個人的にはオバマはよくやっているとは思うが、この破滅的なバブル崩壊は如何ともしがたい。

厳しい経済状況を反映して、民主党への支持が翳るのは当然の成り行きであり、今回の選挙結果はある程度予測可能なものであったわけで。

またoribe氏の言うような、アンチ・フリーマーケット主義者が敗北して市場原理主義への回帰を意味するかというと、それは誤りだろう。

むしろ、人気取りのための市場を罰する法案が提出される方が多くなるのではないかと思う。
(もちろん、議会は共和党の反対で通らないだろうが)

だから、日本以外全部沈没というこのタイトルは、これがいかに皮肉なことかをよく表現していると思うよ。そういった読解力が求められるところだね。

蛇足か・・・われながら駄文だな。
Posted by 七誌 at 2010年01月23日 02:06
マスコミ各社も鳩山政権に対してNO!を
突きつけつつあり、こちらの方も終了でしょう。
鳩山政権はリバタリアン(左翼)ですら
無いのですから┐(´д`)┌ ヤレヤレ

売国奴に未来がある道理は無い。
Posted by abusan at 2010年01月31日 07:06
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