Sengoku38氏による尖閣ビデオユーチューブアップ事件、ウィキリークスの「ケーブルゲート事件」、そして女性タレントによるツイッターでの浮気暴露事件。
かつてのネットといえば、マスコミの一次情報をネタにマスコミを叩く、「マスメディア・バッシング」の専門でした。ネットの時代?ふざけんな。マスコミのネタがなきゃ何もできないくせに、なんて言われてきました。ところがこれらの事件では、一次情報はネット発で、マスメディアはそれを後追いしています。「マスメディア・パッシング」が起きているのです。
ネットを騒がす話題を眺めてみると、こういう事件が表出するのは時間の問題だったことがわかります。ほんの3年前と今のネットを比べると、ツイッターやブログやネット放送など、ネット発でネットで騒ぐ、ネット内で自己完結する話題が明らかに増えています。
ネット発の情報が少しづつ充実する一方で、新聞やテレビを捨ててしまう人も増え、そういう数的な変化が、いよいよ質の変化へと転じてきているのです。そして今、頑強そうに見えたマスコミというダムに、ピシッとひびが入ったのです。
さて、そんなマスメディアの決壊を告げる3つの事件ですが、ツイッターでの浮気暴露事件は、そのワイドショー的な外面とは裏腹に、尖閣ビデオやウィキリークス以上に、マスコミ崩壊の象徴性に満ち溢れています。
当初は単なる2人の女性タレントの痴情劇かと思いきや、次第に浮かび上がってきたのは「ジャーナリストの山路徹氏」の存在。事務所の運転資金のために女性タレントのヒモになるなど、山路氏の甲斐性の無さからおきたイザコザであることが明らかになってきました。それとともに、山路氏を告発するジャーナリスト仲間が現れ始めています。
ベテランジャーナリストの浅井久仁臣氏は、自身のサイトで「山路徹氏を永久追放に」と訴えています。山路氏はそのキャリアのスタートにおいて、ジャーナリストとして許されざる行為をしていたという告発です。
山路徹氏を永久追放に
浅井氏の述べるとおり、山路氏は、90年代初頭に筑紫哲也のひいきで世に出た人です。TBSでの活躍をテコにして、NHKへと活躍の場を広げました。筑紫氏といえば、「日本のウォルター・クロンカイト」と呼ばれたテレビ報道の象徴であり、またネットを「便所の落書き」と呼んだ人です。そんな彼の覚えめでたい山路という人は、いわばテレビ報道の進むべき道を正しく体現した人であるといえるのです。
ところが山路氏がイケイケでいられたのは、せいぜい2004年頃まででした。テレビ局の収入の落ち込みは、彼のような、局員以外の外部の人間に対する報酬にまっ先に転嫁されていくからです。2007年にミャンマーで殉職したジャーナリスト、長井健司さんは山路氏の下で働いていました。浅井氏に、山路氏の下で働くべきではないと忠告されたときの長井さんの反応は、そのあたりの事情を伺わせます。
腐れ縁であることを認めた上で、長井さんは他に選択肢がないことを言って話題を他に変えた。
同じような話は、ぼくも何度も聞いています。パイがどんどん小さくなっているテレビ業界では、いかに経験と実績があろうと、とくに50歳になる長井さんのような人が、事務所を変えたり、独立したりすることは事実上不可能なのです。なにがあろうと、今しがみついている綱にしがみつき続けるしかありません。そして長井さんは亡くなりました。さてそうなると山路氏も、これを商品として利用しない手はありません。事務所を運営していくためには、他に選択肢がないからです。
こういう状況を、マスコミの下部における問題だと矮小化してはいけません。マスコミの本格的な凋落はまだこれからであり、新聞社やテレビ局の社員が、山路氏と同じ立場におかれるのは時間の問題だからです。いやすでにマスコミの本体は、女をたらしこんで貢がせたり、人の死を利用するのに等しい行為を、恥も外聞もなく実行し始めています。ツイッター浮気暴露事件は、テレビ報道の没落をネットが伝え、それをマスコミが後追いするという二重の意味で、マスコミの決壊を告げる事件なのです。
ここ楽しみだったので嬉しいです