なんで今頃と思うかもしれませんが、初音ミクの本格的な外国への紹介は、2010年3月9日に行われたライブ映像の発売以降のことです。ユーチューブにアップされたライブ映像に膨大に寄せられたコメントを見れば、外国の人たちがどれだけミクと、ミクを生んだ日本に魅了されているかわかります。
「ああ日本よ、おまえはどうしようもなくすごすぎる」「こんなにすごいものを日本で独り占めなんてひどい」「日本に行きたい!」「決めた!日本に移住して日本人になる」「日本と同じアジア人であることを誇りに思う」「オレアジア人だけど日本に生まれたかった」「何歌ってるかわからんけど、とにかく惚れた。クールすぎ」「すごい技術だ。日本人ならやると思ってたがな」「日本人マジキチだな。だから好きなんだ!」「日本すごすぎて怖くなる」「日本なしには生きていけない」「日本=パラダイス」「退屈な時代と思ってたけど、元気出てきた」「これは未来だよ」「未来は日本にある」「未来をありがとう日本」「曲もルックスも好みじゃないが、鳥肌立った」「日本語ってきれいだなー」「知れば知るほど好きになる国、日本」「もう思い残すことはない。死んだら日本に埋めてくれ」
こういうコメントを、ただの日本マニアの言葉とするのは早計です。こと初音ミクに関していえば、それ以外の人々も惹きつけているのです。たとえば、かのリバタリアン、ロン・ポール氏とも近いミーゼス協会会長、ルー・ロックウェル氏のサイトには、初音ミクについての記事があり、そのなかでこんな風に述べられています。
初音ミクの文化的インパクトは計り知れない。これは音楽における真の革命である。人の手による音楽の演奏がミュージック1.0、DJによるサンプリング音楽をミュージック2.0とするなら、初音ミクの音楽はミュージック3.0といえる。
初音ミクや、それに続く「アーティスト」たちは、今ある世界を変えることになるだろう。
Introducing the World's Next Rock Superstar
反体制を旗印とするロックウェル氏のサイトで、ミクは革命家に認定されているのです。実際、ネットを通じて不特定多数の人々により曲、画像、映像を与えられ、そうすることで生命を得て、挙句にライブまでしてしまうのは、近年の音楽シーンで最も衝撃的な事件といえます。
2011年の3月に再び行われるライブには、これまでにも増して海外からの注目も集まっていますし、英語をしゃべるミクも開発中だそうですので、近いうちに大ブレークするかもしれません。
さて、そんな初音ミクを、官製マーケッター集団「クールジャパン」は利用しようとするはずです。初音ミクをAKBと並べて、日本の国旗を持たせて、あちこち行進させるのです。革命家にはふさわしくない行いです。そんなことをすれば、初音ミクの持つ破壊的な魅力は消え失せ、単なるキワモノに堕してしまいます。
ですから「クールジャパン」には、絶対に初音ミクを陵辱させてはいけません。彼女は日本生まれである前にひとりのボーカロイドなのだから、ことさら日本国旗を持たせてエキゾチシズムのたがをはめるべきではありませんし、また彼女の歌声の裏にビジネス臭を漂わせるのには、特別慎重になるべきです。
もしミクさんという「革命の輸出」に成功すれば、マーケッターの短期的なソロバン勘定など恥ずかしくなるくらいに、日本は多くのものを得ることができるのです。
たんすケータイあつめタイ\(^o^)/
でググルといいよ