8月22日にイランが何かやるのでは?という噂は、実はアメリカでしばらく前から話題になっていました。疑惑の発端は、6月6日にアメリカから提示された核開発断念への見返り案に対して、イランがその回答日を8月22日に設定してきたことです。
見返り案を受諾するにしろ拒否するにしろ、なぜ回答に2ヶ月以上かかるのか?そして2ヶ月以上先のことなのに、なぜ「8月下旬」ではなく「8月22日」と最初から具体的なのか?とても不可解です。ところが暦を見ると、この日はイスラム教徒にとってとても大きな意味を持つ日だったのです。
まず今年の8月22日は、イスラム暦でラジャブ月の27日、ミアラージュの日にあたります。ミアラージュとは、ムハンマドがメッカからエルサレムまで夜間飛行して昇天したとされる日で、イスラム教と聖地エルサレムの結びつきにおいて極めて重要な日だとされます。またこの日は、イランが奉じるイスラム教シーア派において、世界に審判を下す黙示録的救世主=マフディーが復活すると信じられている時期に重なります。そしてさらにこの日は、イスラムの将軍サラディンが、1187年に十字軍からエルサレムを奪還した日にあたるのです。
というわけで、日頃からイスラエルの殲滅を口にしてはばからないアフマディネジャド大統領は、この日に何かとんでもないことをするのではと疑われているわけです。しかし、エルサレムに大規模ミサイル攻撃でも仕掛けようものなら、パレスチナに暮らすイスラム教徒を巻き添えにすることになりますし、報復攻撃による体制崩壊は確実です。常識的に考えれば、そうしたことが抑止力になるはずです。しかし冒頭で紹介したコラムを書いたルイス教授は、現在のイランに抑止力は働かないと述べます。
イランの高校の教科書で引用されているアヤトラ・ホメイニ(イラン・イスラム革命の指導者)の言葉は示唆的だ。「私は全世界に宣言する。世界を食い尽くす者たち(異教徒たち)が我々の信仰の邪魔をしようとするのであれば、我々は全世界に対して立ち上がり、彼らを殲滅するまで戦い続けるだろう。我々がみな解放されるのか、それとも殉教というより大きな解放を得るのか。お互いの手を取り合いイスラムの勝利を祝福するのか、殉教という永遠の生命を得るのか。どちらにしても、勝利と成功は我々のものだ」
この文脈においては、冷戦時代に機能した「確実な相互破壊」という抑止力は通用しない。いずれにしても最後には滅びがあり、重要なのは死者の行き先 ー 異教徒は地獄に堕ち、信心者は天国に昇るということだけなのだ。このように考える者にとって、確実な相互破壊は抑止ではなく、誘因にしかならない。
・・・とは言うものの、中東情勢は日本にとって所詮他人事で、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教という、出自を同じくした一神教同士の内輪もめという感覚はぬぐえません。日本に暮らす限り、経済的影響を除けば(それはそれで大問題ですが)、逼迫した恐怖はなかなか実感できないというのが、多くの人の本音だと思います。ぼくもそうでした。
そんな風に考えていたところで飛び込んできたこのニュース。
米ABCテレビは17日、米政府高官らの話として、北朝鮮が北東部で地下核実験を準備していることを示す証拠があると伝えた。国務省高官は同テレビに「現実に実験する可能性があるというのが情報機関の見解だ」と語った。7月に弾道ミサイル実験を行った北朝鮮が核実験まで強行すれば、北東アジアの緊張が一気に高まるのは必至だ。
米軍高官が同テレビに語ったところでは、北東部・咸鏡北道にある地下核施設で最近、「不審な車両の動き」がみられた。地下施設の外では、リール巻きした大きなケーブルの束の積み卸しも確認された。これらのケーブルは核実験の際、地下実験場と地上にある観測装置を結ぶのに使われる可能性がある。
もっとも、情報機関当局者らは、実験が行われると結論づけたわけではないと指摘した。
米紙ニューヨーク・タイムズは昨年5月、米政府高官の話として、北朝鮮が北東部でトンネル掘削など核実験の準備とみられる工事を進めていると報じたが、実際には核実験は行われなかった。
このニュースを伝えたアメリカの保守系ブログ、Litttle Green Football を見て驚きました。この記事に寄せられたコメントは、ほとんどすべてイランに関するもので、「なるほど8月22日にやることとはこのことだったのか!」という雰囲気なのです。読んでいてイラン危機が一気に日本の危機になったような気がしました。
考えてみれば、イランと北朝鮮は、弾道ミサイルと核の開発で密に協力しています。北朝鮮が核実験に成功すれば、イランも成功したようなもので、8月22日に北朝鮮が核実験をして、北朝鮮とイランが同時に核保有を宣言するなんてことも、馬鹿げた空想とは言い切れないのです。
そして北朝鮮もまた、イラン同様、「確実な相互破壊という抑止力」が通用しない相手です。核ミサイルを配備した北朝鮮に対して、仮に日本が核武装したとしても対等ではありません。核ミサイルをちらつかせて「憎き日本を道連れにして滅びる!」とでも叫ばれれば、いくら経済制裁しても ー
「何を失うというのですか?」と、アメリカの軍高官は北朝鮮の指導者金正日について述べた。
ー というわけでほとんど効果はなく、現実的に向こうの言いなりになるしかありません。北が核武装すれば、日本は人質に取られたも同然なのです。
冒頭で紹介したルイス教授はタカ派として知られますが、イラン危機の解決法として武力攻撃を訴えてはいません。イスラム教徒、イラン人、アラブ人に黙示録的世界観の恐ろしさを訴え、最大の被害者は彼ら自身だと悟らせ、自浄を促すしかないと言います。
しかし、北朝鮮のどこにそんな訴えを聞く民衆がいるというのでしょうか?とりあえず今は、8月22日の噂が噂のままで終わること、そして北朝鮮の核配備がまだ遠い先であることを祈るしかありません。
これこそ、最悪のシナリオです。
この前北朝鮮がミサイルを発射した時、「日本は大騒ぎしすぎ、たいした問題じゃない」と言っていた、鳥越俊一他の馬鹿ジャーナリストどもに聞かせたいですね。
能天気さが身にしみました。
パキスタン〜イラン〜北朝鮮のライン+各国テロ組織。
注視するほかないですが、今夏は不穏過ぎる‥
しかし北朝鮮の核配備が遠い先の話だとしても、その時日本がとるべきプランとはいったい何なんでしょう?
無論、そうなる前に何らかの手を打てれば問題ないのですが…。
日本の弱腰外交(多少はマシになったとは言えども)と北東アジアのバランスを考えると、いかなる手段もとれないような気がしてなりません。
北東アジアに限れば、日本は孤立し、嫌悪され、憎しみの対象となっています。
そのことだけは、どう繕っても変えようの無い事実ですから…。
先制攻撃論も、案外机上の空論ではないのかもしれませんね。
× 鳥越俊一
↓
○ 鳥越俊太郎
初っ端に書かれてましたな。
あと、民主がどうやって政権批判に絡めてくるかが見物ですな。
社民との選挙協力という足かせが、
どんな論法を生み出すのか…wktk
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060818AT2M1801H18082006.html
大統領に就任した際、民主化が推進しようもないイランの政治的システ
ムと、改革派に対するイラン国民の失望感が如実に語られたように感じ
ました。同時に、日本には一つ大きな懸案が持ち上がりました。アザデ
ガン油田の開発権益問題です。
*アザデガン油田
イラン南西部の中東最大級の油田。推定埋蔵量は約260億バレル。
2000年に日本企業に開発の優先交渉権を与えることで合意。イラン
の核開発を理由に米国が日本に交渉中止を要請し協議は一時中断。
だが04年2月に日本とイランの企業が契約に調印、日本側は75%の
権益を確保した。
改革派のハタミ政権との間に締結したこの合意は、保守派の政権奪還
と共に暗礁に乗り上げるのではないかと懸念されていました。またアメリカ議会
では、イランと日本の間で結ばれたこの合意を問題視する声もありました。
(日本の自衛隊派遣の見返りにこの問題に触れないとする裏取引があった
のではないか、という声)
一方日本政府は「イラン保守派との交渉も進めており、政権交代が行わ
れたとしても支障はない」とするコメントを出していました。その交渉の成果
かどうかは分かりませんが、2004年にはイラン企業との契約にこぎつけ、
先日イランのガゼム・バジリハマネ石油相は、アザデガン油田の開発問題
について、8月22日までにINPEXとの間で最終合意できる、との考えを表明
しています。
これも22日までに、です。
だからどうだ、という推測はちょっとできませんが、一つの資料として頭に
浮かびましたので。
国際政治的にもその認識が一致しているように見えます。つまり、
北朝鮮が核を使うか使わないかは、中国次第だということです。北
朝鮮は国としての地位を確保していますから、中国は北朝鮮幹部
の完全な安全を保障しさえすれば、自分の手を汚さずして核先制
攻撃を一度使えるということになります。怖い想像ですが、あなが
ち妄想だとも思っていません。
中国はアメリカの経済的、軍事的衰退を見込み、アジアにおける
覇権を確立しようと目論んでいます。これについて事の真偽は問う
必要がありません。最悪な方向を想定するべきでしょう。
つまり、日本は今後常に、核を背景にした恫喝を想定しなければ
ならないということです。これは宮沢元首相の逸話にも通ずる話で
はありますが、真剣な議論が全くされてこなかったのは事実です。
批判というわけではありませんが、祈るしかない、では済まされな
いと思います・・
連続で長文、失礼しました
金正日は洗脳をする側であって洗脳対象ではない。自分の命より上位の価値を信奉してはいない。その金正日が支配する北鮮は打算によってのみ行動する。
イランとの実質同盟関係も打算にのみ基づいたものだ。
一方、北鮮の核実験は中国の経済発展優先戦略を阻害するものでしかなく、アメリカを標的のひとつとする核武装をアメリカが許すわけもない。
核実験は金王朝崩壊に直結する。
まともな判断力があれば核実験は行わないだろう。行ったとしても、それは自暴自棄によるものではなく、持てる物を失わぬように思いを巡らせる中で状況判断を誤ったときだろう。
まあ、半世紀の歴史の中で状況判断の誤りを積み重ねた結果が現在の体たらくなわけではあるが。
妄想するなら、裏に中国がいるかもしれない。
北鮮に核実験に踏み切らせ、それを口実に侵攻して王朝の首をすげ替え、半島の不安定要因を取り除く。半島を支配下に置いて日本を圧迫しつつ核排除で恩を売り金を引き出す。
侵攻においてアメリカと連携することで戦略的パートナーの地位を手にする。
北鮮とイランとの結びつきは打算でしかないから、北鮮侵攻が中国とイランとの関係を毀損することもない。
1910年8月22日と29日は特別な日です。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060819it06.htm?from=top
「北朝鮮、地下核実験準備で住民に疎開令…韓国紙報道」
米国・日本その他西側と完全に対立の構図になるってことでしょうか・・?
これは怖い。つまり、これが正しい場合、日本の主権と日本人の安全を維持するためには、北朝鮮が核武装する前に打倒する必要がある、という結論になります。
どうすべきか。
今後も楽しみにしております。
テポ2は駄目として、テポ1のペイロードは1d位だそうですから、核弾頭がこのレベルまで小型化出来るかがカギですかね。爆弾ながら広島型が1dですから不可能ではなさそうですが、これから実験という段階なら当面は心配不要でしょう・・・ていうか直近となると心配しても無意味ですから。
である以上、準備を整える時間があるという前提で「一発目は甘受しても、二発目を撃たれる前に敵国を焼け野原に出来る国」を目指すしかありません。共産中国や北朝鮮が失うもの・・・それは与し易い隣国である日本です。
マスコミの「先制攻撃か」との曲解でかき消されましたが、安倍さんが唱えた「敵基地攻撃」論はクソ当り前の対策だと思います。ミサイル迎撃だけじゃ駄目でしょう。また、正確には「敵基地攻撃」ではなく「敵国土の焦土化」であるべきです。米国がアフガンでやった様なアレ以上に。
安価なミサイルを大量散布。精密射撃は要らない。敵基地を潰せなくてもいい。二発目が来てもしょうがない。
日本は基本的に温和な国だが、攻撃した国は徹底的に滅ぼされる。民衆も無差別に殺される。そういう「大魔神」伝説を作るべきです。
その内に北朝鮮が滅びるかもしれませんが無意味です。あの民族が碌な国を再建できるとは思えません。今度は共産中国製の鉄砲玉として大同小異の国になるでしょう。特アがまともになるまで馬鹿らしいチキンレースは続くのです。
それにしてもイランも迷惑な国だ。「友達は選べ」と言いたいですね。
どのタイミングで戦争が起こるのでしょう。
ここがその日に火の海に成らないとは言えません。
私はアルカイックスマイルで両手を広げることは出来ません。
気持ちの悪い行為にしか思えません。相手のことが全く信用できないから。戦争は起こるでしょう。アラブでも。
規模が小さくなることを祈ります。
漁船拿捕・乗組員射殺という行為により、ロシアが対日圧力を強める姿勢を明確にしました。
もちろん中国の意を汲んでの事でしょう。
日本は、なんという隣人たちに囲まれているんでしょうか。
洒落にならん。
ところで管理人様、リクエストしてよろしいでしょうか?
ドイツで気になるのは今月上旬にギュンター・グラスが敗戦直前に武装親衛隊に入隊していたことを告白して騒ぎになっている件です。
別に収容所運営を担当した髑髏部隊ではないようだし、何でこんなに大騒ぎするのか不思議でなりません。グラスがあえて言った理由にも興味あります。
管理人様にはぜひサヨクでないゆえの報告を期待したいです。
在日朝鮮人の自作自演はどうなんでしょうか。
右翼団体の実態
http://d.hatena.ne.jp/mensch/20060821
であったという事実
住所が同じってのはデマで、○丁目まで同じだが番地は違うそうです。
最大の謎は容疑者の所属団体や氏名が韓国の新聞でいち早く公開されたのに対し、日本のメディアは後追いで団体名を報道、未だ氏名を公表していない事だと思います。
あと、容疑者は部屋の中に油を巻いて手首と腹を切り、口の中に火傷を負い(現在話せない状態)ながら戸外で発見されているとか。
その右翼団体は現在活動停止状態だったとか。
ライブドア事件でも不自然な割腹自殺がありましたね。きっこの日記にメールしていた遺族の人達今頃何をやっているんだろう・・・弁護士を頼んだと言うけど、その後立ち消えになってますし。
http://mama-chari.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_fab9.html
金正日に関しては、それこそ「守りたいものだらけ」なのではないかと思います。このあたりはgch氏に同感です。一番は自分の生命の安全と地位、財産あたりでしょうかね。
なので、北朝鮮がそこまでの無茶をすることはないだろうと思っていました。
しかし、chivas氏の「北朝鮮は国としての地位を確保していますから、中国は北朝鮮幹部の完全な安全を保障しさえすれば、自分の手を汚さずして核先攻撃を一度使えるということになります。」という視点は持っていませんでした。
確かに、これならかなりの無茶をしてくる可能性がありますね…。
日本人が目覚める前に、たたき起こされることになるかもしれないな、と思いました。
自分たちの破滅=イスラム教指導への権威消滅
になると思いますので、これはさすがに抑止力の動機になるのではないでしょうか?
対ソ連にしても「革命のためにはあらゆる手段を選ばない」といっていましたが、結果はMADが機能しました、これは、立場が対等なはずの「同志」の中に、明確な特権階級が存在し、彼らが「支配する」国の特権消滅を恐れたためです。
イランの「指導者」にも、これは適用されるのではないでしょうか?(核保有宣言はする可能性あると思いますが)
イスラムゲリラは、弾道ミサイルを運搬する手段を持ちませんので、除外させていただきます。
それと、もし未読であれば、ジョゼフ・S・ナイ教授の「ソフトパワー」を読んでみてはいかがでしょうか?
意思の強制力=ハードパワー(軍事力)と
意思の誘導力=ソフトパワー(魅力)について書かれてあり、ヒントになるのではないかと思います。(既に読破済みであれば申し訳ない。)
どうもー。こちらでもお世話になります。
書くべきことはもう書いちゃったし、過去記事にならないと
流石に私語はしにくいので返事が遅れました。済みません。
日本に落ちたら北京に落とすと
公言すればいいだけです。
ついでにイスラエルにも落とすと
公言すれば、日本には落ちないでしょう。