ワーキングプアとは、働く意欲があって、一生懸命働いているのに貧乏な人たちを指し、自由競争により生まれる「格差社会」の象徴とされている層だそうです。
番組を見た人たちの意見を読むと、みな一様に「こんな世の中おかしい」と嘆いているので、自由競争に警鐘を鳴らす内容だったと思われます。まあ、それは結構なことです。
ところで、ぼくの生業であるテレビ業界というところは、テレビ局の社員だけでなく、その何倍もの外部スタッフにより支えられています。そして業務の性質上職人気質の人がとても多く、形式上制作会社に属していても、実質はフリーという人がかなりを占めています。ぼくもその一人です。
ところがこの業界は、近年の情報革命により明らかに斜陽の道を辿っています。そしてその打撃を直接被っているのが、そうした後ろ盾のないフリーの人間たちです。番組制作一筋で20年以上働いてきた40代のベテランが、20歳そこそこのADと変わらない低賃金での労働を余儀なくされて生活苦にあえぐ姿は、この業界ではありふれた光景です。
30代後半のある友人は、病身の母親と二人暮らしで月々額面で30万円(交通費込み、ボーナス等はもちろんなし)。週に何度も徹夜をして、中間搾取はほとんどなくてこの額です。彼は月々の支出が30万を超えるので、働けば働くほど借金が増えていく始末で、ついにサラ金からも借金を断られ、最近では半ばまじめに自殺をほのめかしています。
そんな厳しいこの業界で、最近その傾向を最も強めているのがNHKです。
かつてのNHKは、ギャラはそれほど高くないけれど、外部スタッフをいたわる優しいクライアントとして知られていました。しかし最近の「外部いじめ」には本当に目に余るものがあります。ぼくもNHKでよく仕事をさせてもらいますが、仕事の内容に関係なく受信料収入の減収分をそのまま下に落としてくるので、ギャラは一律2割から3割ダウン。技術と経験と実績あるベテランディレクターたちを、まるで学生アルバイト感覚で使い捨てにして、まさにワーキングプア養成所と化しています。
しかしまあ、厳しい世の中ですからそれも仕方ありません。もっと苦しんでいる人を探せばいくらでもいますし、外部スタッフに過酷な条件を課すのは民放とて同じです。ただ、NHKの場合はちょっと違うのです。「恐ろしい格差社会がやってくる」と警鐘を鳴らすNHKと、経営において「弱者」を圧殺するNHKは、ぼくの中でとてもいやな形で結びついているのです。それはこういうことです。
民放で働くと、大抵最初はNHK以上に安いギャラで、ひどい扱いを受けます。しかし不思議と、NHKで働くよりもやりがいを感じるのです。なぜかと言えば、希望があるからです。
各種の既得権で守られているとは言え、まだしも市場原理が働く民放では、効率よくいい仕事をしてくれる外部スタッフは、仕事の出来ない社員よりも数倍ありがたい存在です。そして有能な外部スタッフは、高視聴率をもたらしてくれるタレント同様、時には社員以上に大切に扱われます。並の社員ではできない大きな仕事を任されて、大きな富を築くことも、可能性はわずかであるにしても、不可能ではないのです。
しかしNHKという社会に競争はありません。競争がないために、外部の人間に「成り上がる」余地はなく、報酬的にも地位的にも、職員とそれ以外という階級が固定されています。一方で余裕のある頃の職員たちは、外部スタッフに笑顔をふりまき、民放のように無茶な要求をすることもありませんでした。
NHKのこの状態は、いわばカリカリとした競争がなくて弱者に優しい、福祉国家的社会です。もしNHKのこの状態がずっと続くのであれば、外部スタッフの立場からして、夢はあるけれど弱肉強食な民放と、夢はないけれど穏やかなNHKと、どちらを選ぶか難しいところです。NHKで働く外部スタッフには清潔な女性が多く、民放には何日も家に帰っていないようなむさい男が多いというところも、それぞれの職場の性格を表していると思います。
ただしそれは、NHKの経営がうまく行っていた頃の話です。
受信料収入が落ちたNHKはどうしたか?以前と変わらぬ柔和な姿勢を崩さず、真の経営の効率化を進めようとしたでしょうか?違います。民放の厳しさにもまれた外部の力を積極的に導入し、徹底した効率化と発想の転換をはかれば、それは決してできないわけではないと思います。しかしやりませんでした。そして以前通りの階級制を維持して、旧来からの「強者」を可能な限り保護しつつ、ただ単純に「弱者」を切り捨てる手段に出たのです。
余裕のあるときは弱者に対して優しい笑みを惜しみませんが、弱者が自分と同じ立場に立つことは許さず、そして本当に自分の身が脅かされる事態になると、驚くほど冷酷に弱者を切り捨てる。まるで口先だけの正義を唱える、世間知らずにお坊ちゃんそのものです。
民放とNHKという二つの世界を行き来していると、心から実感します。「ワーキングプアの最大の敵は、格差を生み出すとされる自由競争ではなく、格差の固定」だと。そして自由競争を最も恐れているのは、既得権を手にして社会の上層に居座る、旧来からの勝ち組の人たちだと。
だからぼくは、NHKが「格差社会」の問題を告発する姿を見ていると、どうしてもそこに無意識的な自己保身が透けて見えて仕方ないのです。
ナイーブな意見であることを承知で言わせてください。
NHKよ、日本津々浦々に出かけていって奇特な方々を捜す暇があったら、自分たちのまわりにいくらでもいる、自分たちが作り出している弱者の群れをまずよく見つめてみろ。そしてなぜ彼らが苦しまなくてはならないのか、よく自分に問いかけてみろ。答えはそこにある!
これまでは個人所得と思われるものも、法人所得に付け替えていましたが、それをする必要性がなくなっただけ。
現在の所得減少は、長い景気低迷で人件費の削減を行った結果で、また外国人労働者の流入で相対的に日本人の価値の低下によるものだと思う。
>ギャラは一律2割から3割ダウン
そりゃ民放も同じ。そもそも受信料収入の減少が原因とする根拠がない。むしろ、そんな短期の趨勢で下請コストの圧縮に乗り出すほどNHKのコスト意識が高いなら賞賛すべきでしょ。
どっちにしても、それで「NHKにはワーキングプアを語る資格はない」なんて印象操作をするのは、「やまだ君も廊下を走ってました」とかごねる児童と同レベルだよね。だって逆に言えばあなたも同じ業界にいるんだから、NHKに限らず腐った業界慣習に浸ってるキミも社会について語る資格はない。
NHKの唯一の収入源は受信料ですから、コスト削減を迫られるとすれば、受信料収入の減少が理由である、と素人的には思うのですが、それ以外にコスト削減の原因があるのでしょうか?
色々と業界にお詳しいようなので是非教えていただきたいのですが。
それと、自らが所属する業界を批判してはいけない、という理論も少し分かりにくいです。
その業界にいるからこそ実際に様々な問題を目にして批判することができると思うのですが、何がいけないのでしょうか?
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20060801/1154425850
こんな話もあります。
>>barさん
マザーテレサさんの言葉に「遠くで困っている人よりまず近くで困っている人を助けてあげなさい」というようなものがあります。oribeさんもNHKは地方や特殊なワーキングプアを問題にする前に足元のワーキングプアに目を向けるべきだと言っているだけです。しかもNHKの番組の内容に関しては上にあげたブログのような反対意見もあります。金がなくてもある程度生活の手段のある地方でのワーキングプアで格差社会の恐怖を煽るよりも金なしでは生きていけない都会でのワーキングプアにもっと目を向けるべきだと思います。
一人暮らしをはじめて11年。NHKの受信料は完璧に支払ってきました。NHKには好きな番組がたくさんあるので子供の頃から受信料を払うのが憧れでした。(←アホ)
不払いが増えた時でも、「NHKの内部にも外注先にも良い番組を作ろうとしている人がいるかもしれない。その人たちのためにも支払い続けよう・・・」と思っていました。
でも、でも、でも・・・・
私ってアホ!?
ほとんど官公庁の公務員ばりの意識ですね。
私はテレビを捨てたのでこの特集は観てないのですが、左翼思想のサイト様で紹介されてるのを見て知りました。
管理人の人は言わずもがな絶賛してましたが、どうも腑に落ちない印象があって、ずっとそれが心に引っかかってました。
「ワーキングプアの最大の敵は、格差の固定」。
この一言で、ストンと腑に落ちました。
>>ぽこぺんさん
私もNHKのサイエンススペシャルを大いに楽しみながら成長した身なので、一人暮らしを始めたときはいの一番にNHKに契約の連絡を入れました。
しかし1年後、あまりの偏向ぶりに閉口してテレビを処分し、解約しました。NHKを愛したからこそ、危機感を募らせて馬鹿な偏向放送を改善してほしいという思いを込めて解約という強硬手段に出ました。
こういう愛の示し方もあるということで勝手ながら書き込みさせて頂きました。
つーか、NHKの場合、受信料徴収してる人たちも
ワーキングプア状態じゃないんすかね?
しかも、不払い問題が起きる以前から。
自分の周りにも、貧しくなった人が大勢います。
日本は貧しい国でないのですから、何とかしなくてはと思いますね。
参考になりました。
ただ「自由競争」というシステムはシンプルで自然で美しい。高々ン千年の理屈や道徳を越えた大自然の黄金律である「弱肉強食」とか「適者生存」に通じるので多分きっと絶対に正しい。
まぁ、世の中、そうなってないけどね。
これはoribeさん独自の定義ですか?ね・・・このようにワーキングプアを定義することではじめてNHKやその周辺に働く「外部スタッフ」の人たちをワーキングプアに組み入れる事ができ、NHKを「ワーキングプア養成所」とレッテル貼りできるんですよね!!・・・また、久々の印象操作ですか?「ワーキングプア」というのは低所得労働者一般を指す言葉ですか?それともテレビ業界で働く外部スタッフの方々の年間収入は生活保護水準以下しかないのですか?もし、そうであるのなら「久々の印象操作ですか?」という表現は取り消しすととも、無礼をお詫びいたします。ちなみに、NHKの番組でいうところの
>ワーキングプアとは働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない人たちだ。生活保護水準以下で暮らす家庭は、日本の全世帯のおよそ10分の1。400万世帯とも、それ以上とも言われている。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060723.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%97%E3%82%A2
そんなに興奮して大喜びしなくても、
ワーキングプアは正確には生活保護水準以下の収入しか得られない層を指すんですよ、
と指摘するだけでいいんじゃないでしょうかw
まぁ、色々なシガラミもあるでしょうから(生活の事もありますしね)中々難しいのでしょうけど。
兎に角何もしなきゃ現状は変え様がないんですから、所謂「業界人」ももっと声を上げるべきなんじゃないでしょうか?
>つーか、NHKの場合、受信料徴収してる人たちも
>ワーキングプア状態じゃないんすかね?
うろ覚えなんで恐縮なんですが、
2chか何かにも関連スレッドがあったと思ったんですがNHKの「地域開発スタッフ」というのは、以前はかなり「おいしい」仕事だった様です。
尤も最近では支払い拒否が増えてキツくなって来ている様ですが。
因みに「地域開発スタッフ」で検索すると
http://multisyn.hp.infoseek.co.jp/stuff0.html
↑こんなページがトップに出てきますw
「民放とNHkという二つの世界」という実に狭い業界事情の観察からワーキングプアの本質が見えたと!そして、ワーキングプアの最大の敵は「格差の固定」だと!その「格差の固定」は何に起因するのか?それは基本的には本人の能力ではありませんか?いや違うよ!現在の労働環境が招いているのだ!と、だが、その労働環境から脱出できないのは基本的には本人の能力だ!と思うが・・・エントリを読むうちに何となくこのように考えました。違いますかね・・・如何でしょうか?
>ワーキングプアは正確には生活保護水準以下の収入しか得られない層を指すんですよ、と指摘するだけでいいんじゃないでしょうかw
そんなに興奮して大喜びしなくても?何か勘違いをされてはいませんか?ワーキングプアの「正確」な定義に従えば、「ワーキングプア」に絡めたこのエントリーそのものが成り立たないのではありませんか?
このエントリーを攻撃できる材料を見つけて、
大喜びしている様子が滲み出ている文章に思えまして・・・。
勘違いでしたら済みません。
それと、
>月々の支出が30万を超えるので、働けば働くほど借金が増えていく始末で、ついにサラ金からも借金を断られ、最近では半ばまじめに自殺をほのめかしています。
という業界の方は充分にワーキングプアだと思うのですが・・・。
私はこの記事を読んで、あら、NHKの体質って中国に似てるなあって感じました。
だとすると、民放は民主主義の国々にあたるのかなあ。
>小野まさ さん
私は、文明社会は自由競争を否定することから始まったんじゃないかって感じてます。
アメリカなんかは特に「自由競争社会のフリ」をしてるだけなんじゃないかなあ。
私見ですが、自由競争を認める部分とそうでない部分とをわけるバランス感覚が一番大事な気がします。
アメリカでは「くろまく〜」な感じの人たちがいて、そこらへんをうまくコントロールしてるように思います。
そういえば、民放の後ろにはいつも電通が・・・ってウワサもありますよね。
>このエントリーを攻撃できる材料を見つけて、
そのような意図は微塵もございませんが・・・まぁ、oribeさんのエントリーには「冷心にて理を思う」の類が多く、その炯眼には触発される事多々あるのですが、それにしても今回は!という反動ですね・・・はい。
>という業界の方は充分にワーキングプアだと思うのですが・・・。
その業界の方をもって「業界の方一般」とするのには検証が必要かと思いますが・・・
>>その労働環境から脱出できないのは基本的には本人の能力だ!と思うが
この場合、最初から低収入職業自体に就くなと言ってるに等しいですね。
ごもっともですが不毛な話です。
「ワーキングプアの最大の敵は、格差を生み出すとされる自由競争ではなく、格差の固定」というご意見は、私自身の経験をふまえ心の底からそのとおりだと思います。内部にいながら、ブログとはいえよく公言されたと、ちょっと尊敬いたしましたのでコメントを残そうと思いました。
いただけるものをいただいているうちは別にいいんですが、いただけるものをいただけないなら、暴露しないのもアホらしいようなきもしますけれどもねぇ…。
NHKどころか、局という局は、何も工場までいかなくとも、いくらでもワーキングプアなんて取材できるだろーに、と思うと同時に、局という局に、政権や企業を叩く資格なんぞ無いと私は思います。
また、業界内部からあまり声があがらないのは、たとえ希望は乏しかったとしても、元々好きで男芸者の苦労をしてるのと、局や広告屋の兵隊をやってるようなのは過労死するまで頑張れる兵隊の集団なのと、兵隊とて何千倍の競争を潜り抜けて兵隊になった自負もあるのかと思います。
人気業界なだけに、収入は少なくとも、能力に自負のあるよく働く層が集まってますから…。私の場合、入社時はコネなしだと1/3000の競争で、(コネがあれば履歴書に何かいてあるか知らなくても楽に入れますけどね)勤怠は月150時間アベレージで残業、週のうち4日は会社で寝泊り、オフィスの2/3は朝の4時に仕事してるってのをスタンダードだと思って仕事してましたよ。
今は努力と体力の限界を感じたので、クライアント側に転職させていただきましたので、負け犬と思われるのも承知で話すこともできますが、なかなか血の小便流しながら、弱音を公言ってのはできないものです。
隣国を心配すさんに少しだけ同意です。企業にとっての「能力」という物は仕事の出来不出来だけではないように思います。
私の主人は某自動車メーカーの研究所で現在作業をしています。情報処理部門でITコンサルみたいな事をやっていて、やはり外部の会社から様々な人が集まってくるそうです。年収は
自動車メーカー→某巨大IT企業→そこから仕事をもらってる独立系IT企業(うちの主人)→さらにそこから仕事をもらってる派遣会社の社員
という感じで、そこに行き始めた頃は「なんでみんな同じような仕事してるのに、年収が100万、何百万単位で違うのかなー」とボヤいていました。
「あなたが遊んでる間にせっせと受験勉強して、就職活動にいそしんでいたんだから仕方ないじゃないの」と言っていたのですが、一緒に仕事をしていくうちに主人の言動が変わってきました。
「それなりのポジションにいるヤツはバイタリティが違う」と言うのです。仕事に取り組む姿勢から飲み会の盛り上げ方に至るまで。主人の会社や派遣会社の人間だったら嫌になって辞めてしまうような場面に遭遇しても、実に辛抱強く対処して切り抜けるという事でした。(それなりの年収と福利厚生のために我慢しているのかもしれません)
まあ、自動車メーカーの社員でもデザイン部門にはかなり変な人もいるし、派遣でもすごいスキルがあって一本の仕事の単価が非常に高い人もいるので、あくまで傾向の話なんですけど・・・
NHKの番組の話ですが、テーラーとか小規模な農家とか、時代の流れの中で廃業していった人達は今までも大勢いたと思うんです。
それでも経済成長が続いていた頃は、ポジションを変えても同程度あるいはそれ以上の年収を得る事が出来た、という事なんでしょうか。「どこにも行けない人達」が増えてしまったのでしょうか。
カナダに住んでいた友人がかつて「ユダヤ人は子供の教育や躾にとても熱心で、また実によく働く。だからお金持ちが多くても当然だと思った。ここは移民の国だから努力とチャンスをものにした人がいい暮らしが出来る」とメールしてきました。
どうしたら富の分配が適切に行われる社会になるのでしょうね。
>この場合、最初から低収入職業自体に就くなと言ってるに等しいですね。ごもっともですが不毛な話です。
等しいか、どうかは貴殿の解釈の問題ですが、同意しては頂けたが、「不毛な話」だと言うことでしようか?しかし、ワーキングプアに関して発言するのであれば、「本質的な話」ではありませんか?人は、現実問題として、能力・機会・運などから、勝手に、自由に職業を選ぶことはできないと思います。そして、人材が次々に「容易に供給され得る」職種や雇用形態では自ずから低収入になるのはやむをえないことだと思います。
コメントありがとうございます。
多分これからも私は払い続けると思います。NHKが目を覚ますことを願いつつ・・・。
(アホだなあ・・・と思いつつ)
100%歪んだ番組ばかりになったとき、あるいはもう100%日本の放送局ではないと感じたとき、やめようと思います。その判断は・・・難しいなあ。
受信料は私にとって「募金」のようなものかもしれません。徴収義務化なんて絶対反対ですもん。
自由競争もフェアが前提ですが、現実にはむりですね。
>自由競争を最も恐れているのは〜の下りですが
実際は底辺と底辺の競争になる訳です。
その競争のルールを作るのは上の人たちですしね。
ワーキングプアと大きく一括りにしても(出来ない気がしますが)、局の外部制作など、クリエイティブ職や、ノウハウ・試行錯誤ができる(経験をつめる)仕事とそれは基本的に違います。単純労働などによる使い捨てや、工場などの労働力などの方です。
また、やりがいがあるが安い仕事、やりがいも無く低収入。コレも違います。それは自由を行使してついた者と、そうでない者です。
職業選択の自由がある人ない人、タダの収入格差、業界・業界内格差、個人の能力幻想などごっちゃにしすぎでの議論な気がします。
nhkの放送でも、プアの固定や再生産についても触れてました。その事による機会の損失であって自由競争の否定ではありません。
くるみさんがおっしゃるようなことの以前に立てない事が特に問題なんです。入社する前の教育の機会の時点で格差があり、フリーター・派遣(低賃金・スキルも経験つめないからさらにループ)などの労働力からは搾取した分が、入社した正社員の、その「個人の能力」で高く評価され保護される労働者に回されるんです。同じ労働者でありますが、労組は正社員だけを守ってきました。正社員が間接的に搾取する側に、ワーキングプアーを生む側になっている面もあったりするんですよ。
言いたいことは分かりますが、基本的にワーキングプアではないとは思います。
土建屋に勤めてますが、散々報道により下請けイジメで鬼畜のような扱いを受けていた業界としては、まずテレビという業界も結局一緒であるということがわかりなかなか興味深いものでした。
結局、何かあったら建設業界の体質だのなんだの言う前に、自分達のやってることをよく考えてみろって思います。
それなのに外部スタッフに適正な報酬を払わず、身内だけで贅沢しているのなら、ますます許せませんね。
受信料不払い者が出たのはNHK自身の身から出た錆でしょうに、そんなことも反省できないんでしょうか。
>NHKは必要でないところではお金をたくさん使っている印象があります。
単に印象でコメントですか?
つ【エビジョンイルの豪奢な生活】
知り合いにテレビ関係者はいないものですから、非常に参考になります。
NHKの経営が良かったころなら、その世界にいる場合民放のほうを選ぶか自分も悩むと思います。
「既得権を手にして社会の上層に居座る、旧来からの勝ち組の人たちだと。」
この(↑)部分に関しては、完全に同意いたします。
メディア業界で言えば、テレビ局(キー局)だけでなく、新聞社(特に全国紙)や大手出版社、大手広告代理店も同じではないかと思います。
「格差社会」とは朝日新聞が言い出した現政権批判のための造語だと、何かの本で読みました。NHKも反日・反米・ぞっこん中国・べったり半島。
「いわゆる格差社会」は自由競争、自由主義経済が生み出した云々。役所の中は社会主義です。競争がなく、最近に至るまで飲酒運転で殺人を犯しても解雇もなかった環境です。NHKも体質は同じでしょう。何をしなくても給料は入る。何をしても平気。
別の方向から見れば、NHK独特の偏向体質にもとをなす自由主義批判というのもありでしょう。制作番組の質の低下もありますが、内容の偏向ぶりにうんざりして、我が家はNHKとは受信契約を結んでいません。
たまさん、kumaさんが書いておられるように、oribeさん属する放送業界は
また特殊なようですが、局の正規職員と外部スタッフの間に待遇その他
ヒエラルキーが生じるのは能力差によるものなんでしょうか?
スポーツのような実力本位の競争原理が働いているという条件下なら
個々人の能力に結果責任を負わされるのは道理だと考えます。
しかし現実的には無理な話で、中卒金の卵のブルーカラーであっても正規に雇用され
叩き上げの工場長になったり、精緻な職人技を誇る熟練工として重用されたシステムが
古き良き過去のものとなってしまった今、かたや使い捨ての派遣期間工、
かたや安定が約束された公務員試験・医学部人気が過熱するのが能力差による
まともな分布だとは思えません。
>局の正規職員と外部スタッフの間に待遇その他
ヒエラルキーが生じるのは能力差によるものなんでしょうか?
何故にこのような質問に「隣国を心配す」が指名されるのか少々戸惑いがありますが(これまでのコメントを読み直してみても心あたりがないことから・・)、まぁ、折角のご指名ですので真摯にお答えしたいと思います。
NHKの業務運営も世間とは無縁ではありえないようで、外郭団体の構成などからみて、かなりの業務が業務委託、協業という形で遂行されているように思います。知人への取材?で入手した乏しい情報によると、外郭団体にはNHKの中堅職員が出向して外郭団体で採用された社員の教育というか、技能移転ということで業務レベルの維持向上を図っているようです。また、定年を控えた職員の中には外郭団体に転籍してNHKの放送業務に継続して従事する人がいるとのことです。そこで、NHKからみれば外郭団体の社員は当然に「外部スタッフ」なのでしょうが、それはどうやらoribeさんがいう「外部スタッフ」とは違うようですね・・・放送番組にはNHK本体が制作するもの、NHKと外郭団体の協業で制作するもの、業務委託を受けて外郭団体自身が制作したり、外部プロダクションに委託したりするものなど、多種多様の形態があるとのことです。で、oribeさんはNHKの「外部スタッフ」として働くことがあると仰っていますが、それは番組のどのような制作形態での関わりなのか?が不明ですので、断言はできませんが、NHK本体、外郭団体、外部プロダクションとの関係は責任分担が当然に明確にされて業務がなされているはずですので、同一の業務で「NHKの職員」と「外部スタッフ」との間で「待遇その他ヒエラルキーが生じる」のは何故かなどを云々する余地はないと思いますが・・・違いますかね。
ところで、oribeさんのエントリーで解せない点があったので、ここで触れておきます。それは
>形式上制作会社に属していても、実質はフリーという人がかなりを占めています。ぼくもその一人です。
「形式上制作会社に属して」というのは制作プロダクションの社員であって、「形式上」云々とは「実質はフリー」なんだを言いたいがための単なる修飾語ですよね・・いずれにしろ、制作会社の社員でしょう・・・
>番組制作一筋で20年以上働いてきた40代のベテランが、20歳そこそこのADと変わらない低賃金での労働を余儀なくされて生活苦にあえぐ姿は、この業界ではありふれた光景です。
「外部スタッフ」としての人件費の単価計算の背景にはこのような事情があるということですよね・・・このような事情にNHKも民放も無縁ではありえないということですよね・・
>週に何度も徹夜をして、中間搾取はほとんどなくてこの額です。
この事に対して制作会社はどのように対処しているのでしょうか?「中間搾取はほとんどなくて」ということは制作会社の管理費はどこから捻出されているのでしょうか?疑問ですね・・・
少なくとoribeさんのエントリーを読む限り、NHKの「外部スタッフ」という表現をすることで、さもNHKやその周辺の団体と直接的に臨時雇用なり、業務委託を受けているような印象を受けますね・・・・確かに放送現場にはいわゆる「外部スタッフ」という多くの方々が業務に携わっているのでしょうが・・その方々も段々と年を取るに従い、間近で働く放送局の社員との待遇面での違いが否応無しに目につくようになってくるのでしょう。でも、それはNHKや民放をどうのこうの言うことで解決する話ではないように思えますが・・違いますかね・・・
小企業に勤めています。人が足りないのですが正社員の面接に来る人の中にまっとうな人がほとんどいません。
もっと心配してあげたほうがいいですよ。
自殺する人はほぼ必ず事前に誰かに自殺をほのめかすものらしいです。
建設業界、自動車業界、およそ業界と
名のつくところでは、いわゆる
「下請け締め上げ」によって
利益を確保しているということではないでしょうか。
加えて「既得権確保」
その典型的な例がTV業界ということであります。
「談合」やら「既得権」やらを盛大に非難する方々が
もっともどっぷりそこにいるという、
「非難は人を映す鏡なり」の実例。
http://www.nhk.or.jp/korekara/nk01_kakusa/index.html
なぜか2001年で資料が途切れていてマスコミが報道するように「格差社会は小泉政権のせい」なのかどうか分からないし、ジニ係数なるもので単純比較は出来ないのかもしれないけれど、このグラフを見る限りでは「格差の少ない比較的平等な社会」は60年代後半〜80年代前半までのほんの15年ほどしか存在しなかったのではないですか?
オイルショックの時にも中小企業が泥を飲んでいたと思われる痕跡がありますし、バブル崩壊後に急激に格差が広がったわけでもなさそうです。
むしろ全体の数値にはまだはっきりと表れていませんが、20代の若者の格差(大企業からフリーター、ニートまで)がこれから格差社会を押し広げて行きそうな予感があるんですが・・・
新聞社も、「新聞配達」という極めて重要だが泥臭い仕事を別会社の販売店に委託している。
共にいわゆる3K職場でしょう。
マスコミは、「格差社会」だの人権平等だの綺麗事を言っているが、ジャーナリズムに携わる自分達をエリートで特権階級だと自認しているのでしょう。
そして自らの「現実」を完璧に棚上げして、「恥知らず」にも、庶民に対し「理想」を教え諭している気でいるのでしょう。
しかし、NHK受信料の不払いが増え続けていたり、新聞の部数が減った上購読する動機の多くが「折込チラシとテレビ欄」である事は、これら大マスコミの「偽善」に対する国民の痛快な皮肉に思えます。
衰退していく業界はあると思いますが、普通に働く気がある人が、少し狭くても清潔で快適に住む所があって、家族が幸福で、親孝行ができる。
やる気と能力がある人が、高級車や億ションをもつ、それも良いと思います。
僕は個人の勝手と思うだけですから。
そんな社会を日本は目指さなくてはいけないと思いました。
グローバル化などは少し制限してルールを明確に厳格にして。
勿論、異論がある人の意見も読ましてもらいました。賛成はしませんが言いたいことは分かるような気がします。
私的流用だけじゃなく、NHK本体の無駄遣いや、関連企業への天下りなど周知の事実かと思ってました。
天下り周辺のお金だって本来なら必要の無い無駄遣いだと思ったんですけど。
いまさらなんですが、blog復帰されてとてもうれしいです。ありがとうございます。
今回の記事にとても同感してしまいました。
私も美術の一番下っ端の下請けとしてTV局で
お仕事させていただく事があるのですが、
NHKのお金の使い方にびっくりする事が多々
あります。
下っ端でもそうなので、直接お金をやり取りして
いる方へのプレッシャーはいかばかりかと推察
致します。
一般的に無駄遣いと思える事をNHKは無駄遣いと思わないようですね。
ただ論点が
・NHKの欺瞞への批判
・格差社会についての見解
と、混交していて分かりにくい気がします。
oribeさん、これらの論点について、前者に対する共感を得ることで後者を補強しようとしていますよね。
だからぼくは、この記事を読んでいると、どうしてもそこに無意識的な不誠実が透けて見えて仕方ないのです。
…私の言ってることは言いがかりでしょうか?
そうです、こんな書き方は根拠の無い印象操作でしかありません。
>何故にこのような質問に「隣国を心配す」が指名されるのか
>>その労働環境から脱出できないのは基本的には本人の能力だ!
を受けての>この場合、ヒエラルキーが生じるのは能力差によるものではないのでは?
だとしたら最初から低収入職業自体に就くなと〜
という流れに戻るつもりだったのですが、どうもkumaさんのおっしゃる通り
>>職業選択の自由がある人ない人、タダの収入格差、業界・業界内格差、
>>個人の能力幻想などごっちゃになって
まとまってないので、また出直して参ります。
とっちらかった乱文駄文失礼致しました。
NHKの番組のメッセージ性と、組織体質・実態とを並べて、そこから、このブログのメインテーマ、マスコミの情報操作について構造と意図を論じている。滑らかな議論ですよ。
業界体験談は、ソースをたどれるものではないけれど、今のところ反証をともなった反論もないみたいだねえ。
みたか子育てねっと掲示板
http://www2.realint.com/cgi-bin/tbbs.cgi?hiroba
両親はNHKのエグゼクティブ・プロデューサー&チーフ・ディレクター、世帯年収4000万?吉祥寺に一戸建てを構えているが、手術・渡航費用に自腹を切っているかどうか不明、NHK職員である事を隠して「団体職員」として民放の番組に出演、という所から祭り状態に。
未だ詳細不明な部分が多いですが、成り行きを見守っていきたいと思います。
自国のホームレスは素通りして、世界の貧困ほっとけない運動とか
この種のねじれ、欺瞞は枚挙に暇がないですな
この定義自体が単純化しすぎじゃない?
ワーキングプアや格差で問題になってるのは程度問題としていくらなんでも資本の側の取り分が大きくなりすぎてねえ?って話であって
トータルコストから見れば少ない、「競争に勝った」少数の人間におこぼれがまわってくるからそれを夢があるとしてしまうのは論点がちがうんじゃないかなあ。
全体を削りすぎだろ?っていう話。
NHKがいいって言ってるわけじゃないですよ。
あそこの体質に関してはそれだけでコメント埋まるぐらい議論の余地があるでしょうから。w
結局のところ既得権者の保身が、ほんとうの弱者を苦しめると。
復活されていたことに気づかず、久方ぶりに来て、よいものを読ませていただきました。
NHK内部ですら格差があるのです。
>本体でできることすら関連会社に丸投げしている印象があります。
印象ですか?「内部で格差が」ない企業ってのはあるのでしょうか?「格差」という言葉の乱用ですな・・・