2012年02月18日

「お仕事依頼サイト」に感じるやるせなさ

こういう話を読むとやるせなくなります。

P2Pの「お仕事依頼サイト」は働き方の概念を変えるか

Task Rabbitは引っ越しの手伝いから部屋の塗装、使い走りまで、ありとあらゆるタイプの仕事の依頼を掲載できるサイトで、誰かがコンピュータや出先からGPS対応のスマートフォンを使って投稿した仕事の依頼を希望者が入札できる仕組みになっている。

スマートフォンのGPS機能を使い、仕事の依頼者と受ける人の場所と時間をマッチさせるこのサービスは、ネットを介して不特定多数の群集(crowd)に仕事をアウトソーシングすることから、クラウドソーシングなどと呼ばれたりします。

仕事を依頼する方の利便性はもちろん、仕事を受ける人は、仕事をしたいときに「誰からも指図されず、引き受ける仕事を自分で選べるので素晴らしい気分」になれる、これからの時代にふさわしいサービスだと思います。

記事では、Task Rabbitを画期的な新サービスとして伝え、次のようにその大きな可能性を讃えています。

今後、仕事を入札するためだけでなく仕事の依頼を投稿するためにこうしたサイトに集まる人が増えていけば、われわれは仕事というものの概念の変化を目の当たりにすることになるかもしれない。「まだゲームは始まったばかりだが、われわれは働き方についての人々の概念を変えつつあるのではないかと思っている」とローズデール氏は語っている。

しかし、クラウドソーシングはアメリカで生まれたイノベティブなアイディアというわけではなく、もともと日本のほうが先んじていました。

というのも、GPSつきのiPhone3Gが登場したのは2008年で、Task Rabbitの設立も同年ですが、日本ではそれ以前からGPS対応のガラケーが広く普及し、GPS機能を活用したさまざまなサービスが考案されていたからです。クラウドソーシングはそのひとつでした。

しかしその後日本におけるクラウドソーシングは伸び悩み、後発のアメリカに大きく水を開けられてしまいました。

テレビの世界と手を切る直前の2007年に、NHKの某情報番組で働いていたぼくは、ネタを探していてクラウドソーシングについて知りました。そして「これは労働の概念を変えるかもしれない」と直感して企画にとりかかりました。しかし結局企画はボツになりました。

そのとき言われた上司の言葉は今でも忘れられません。クラウドソーシングの概念について説明するぼくを制して、彼は呆れたようにこう吐き捨てたのです。

「それ、日雇いだろ」

当時のNHKは、「ワープア」と反派遣労働キャンペーンの真っ最中で、局内は自由主義的な刷新を排撃する空気に満ちていました。そこでは、クラウドソーシングのようなサービスは、正規雇用の対極にある悪質なサービスでしかないのです。

NHKの奮闘により、正規雇用以外の労働を卑下する考え方は社会に深く根を張り、日本から生まれたかもしれない労働の革新はブレーキをかけられました。そして今、アメリカで生まれつつある「イノベーション」を見て、「アメリカは革新的だなー」と日本人はため息をつきます。切ない話です。



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この記事へのコメント
>当時のNHKは、「ワープア」と反派遣労働キャンペーンの真っ最中

なぜああだったんだろう?「格差社会」云々という驚くべきプロパガンダがかくも日本社会を跋扈したのか、当時から不思議だったし今でも理解できないのだが、あれはいったい誰が何のために仕組んだものだったの?
Posted by a at 2012年02月18日 11:12
上司の言うとおり。まさに立ちんぼの日雇いですが、いちばん安く働く奴だけに仕事が回る日雇いです
ネットで受注納品できる某分野で米国のあるサイトに登録したことあります
単発の仕事いつでもどこでも頼める・価格はむろん最安値。依頼側にだけ都合のいいシステムです
仕事する側は価格の切り下げ競争。いくら働いても食っていけそうにないので早々に足洗いました
あの極悪システムが日本で普及しなくて、神さまに感謝してます
Posted by ◇ at 2012年02月18日 23:54
この制度、話を聞く限り品質と価格を維持する仕組みをよっぽど上手く作らない限り、安かろう悪かろうのダウンスパイラルになる事間違い無しだと思うんだけど、

評価制にしても、たまたま多めの星を獲得した人に仕事が集中して実力よりも人気による格差が開きそう。
Posted by HG at 2012年02月20日 01:13
>あれはいったい誰が何のために仕組んだものだったの?
うがった見方をすれば民主党から共産党に票を分散させるため(僅差で自民が勝つという計算)。
2000年代中期以降、NHKの急激な左傾化の原因はそれで説明がつくかも。
ほぼ完全に「赤旗テレビ」になりましたからね。
Posted by   at 2012年02月22日 23:16
2000年ってちょうどNHKが日韓を仲良くさせるような番組がどんどん出てきた時代ですね

NHK内部に何があったんだろう
Posted by j at 2013年07月30日 01:47
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