2006年11月09日

中間選挙の敗者は?

アメリカの中間選挙は、大方の予想通り民主党が躍進しました。下院は民主党の過半数で、上院の方も、票の数え直しをしている1議席は僅差で民主党候補がリードしているので、恐らく民主党が過半数をとることでしょう。アメリカの保守派は、「アメリカ人はアメリカが嫌いなのか!」などと嘆いて、通夜みたいなムードです。

伝統的に日本蔑視の政策を取る民主党の勝利により、日本への影響も計り知れません。北朝鮮問題の解決は遠のいたように見えますし、経済面での風当たりも強くなるでしょうし、来年の夏が近づけば、日本の過去を巡って変な決議案がぞろぞろ通るに違いありません。

でも、アメリカの「政変」によってあおりを食うのは日本だけではありません。

日本のテレビでは、民主党の勝利を表す映像として、ヒラリー・クリントン上院議員の勝利宣言シーンばかりが紹介されています。しかし今回の選挙結果により、大統領に比肩する強大な権力を握る女性は別にいます。それは、女性初の下院議長に就任する、ナンシー・ペロシ院内総務です。

クリントン女史同様上昇志向が強く、野心むき出しのペロシさんは、保守派からは猛烈に嫌われています。しかし日本にとって見逃せないことに、ペロシさんは、筋金入りのアンチ中国なのです。

政治的には、彼女はガチガチの左翼ではなく、様々なことに対して柔軟だ。しかし彼女は、こと中国に対しては確固とした姿勢を貫いている。彼女が中国政府の態度を歓迎することはまずあり得ず、基本として容赦なく、民主党の人権派らしく徹底して懐疑的だ。

・・・数年前に彼女と長い会話をした私は、巨大な人口と虐げられた過去は、中国を大目に見る理由にはならないとする彼女の強い信念に衝撃を受けた。中国の人権蹂躙は、何を持ってしても正当化できないと彼女は訴えた。

・・・ペロシの権力増大により、ワシントンでは、北京と胡錦涛主席に疑問を持つ者たちの声が大きくなるだろう。もし民主党が上院でも過半数をとれば、イラクやイラン、そして特に北朝鮮問題で、ブッシュ政権に協力しておくべきだったと中国は後悔することになるだろう。

自由チベット派を含む民主党の人権派は、宗教的な共和党右派と同じくらい中国に対して敵対的だ。両者のいずれかが権力を握れば、それは中国にとってトラブルを意味する。

ペロシがアメリカ政界の頂点近くに上り詰めるからと言って、ワシントンが急激に反中主義へと梶を切ることはないかもしれない。しかし脅威と受け取られかねない中国の行動は、それが事実であれ思い過ごしであれ、ワシントンにおいて、これまでとは違う厳しい視点、そして時には党派性に溢れた眼で精査されることになる。

ペロシの確固とした信念により、ある意味中国は、11月7日の敗者の一人になるかもしれない。



というわけで、中国の脅威に晒されている日本にとって、中間選挙の結果は悪いことばかりとは言えないようです。

もちろん、基本としてアメリカ民主党は左翼的であり、日本を見下していて、平和と人権の美名の下でアメリカの利益をごり押しする油断のならない相手です。しかし、上手く舵を取れば、毒をもって毒を制することができるかもしれません。

ところで10月下旬にアメリカを訪問した中川政調会長は、民主党の勝利を見越してペロシさんには会ったのかな?もし会おうともしていないのだとしたら、ブレーンはなっちゃいませんね。



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この記事へのコメント
対中強硬派のナンシー・ペロシ女史ですか。これは多少は期待がもてる、、、かな?
これから2年の間に宗教右派関係を身奇麗にして、民主党が調子にのりすぎた挙句グダグダになれば、それはそれで次期大統領選でマケインあたりに有利に運ぶかもしれませんね。
Posted by 88 at 2006年11月09日 05:05
どうでしょう日本の民主党もそうですが、阿呆や売国奴の非主流派に足を引っ張られ、役に立たない恐れもあります。

日本の外交が停滞せざるを得ない場合もあり得ます。
自衛隊の予算を増やして針ネズミのように武装し、専守防衛の準備を徹底して時節を待つのだろうか。
日本版モンロー主義もアリかな。
日本と特に親しい同盟国のみ守る事に尽くし、他で大量破壊テロやクーデター、戦争等が起きて流れが変わるのを待つ悪魔の戦略です。

日本に再び核攻撃を受ける危機が迫るなら、悪魔と契約する誘惑さえ感じます。
Posted by Alack at 2006年11月09日 06:28
日本と違って党議拘束がゆるいと思うし、そのせいで共和党の法案が通るのを期待しますか。
苦しい議会運営になりそうですね。
Posted by Alack at 2006年11月09日 06:37
民主党は労働組合からの影響を多く受けるため、日本車の販売などに圧力がかかる可能性は否定できないでしょう。ただそれ以上に中国製の安い輸入品なども目の敵にされています。人民元の引き上げや関税、そしてもちろん人権問題などで中国に大きな圧力が加わる可能性は高いと思います。

ただし、民主党系議員の中には、中国の工作員に籠絡されている者もいます(クリントン夫妻などもそうだと言われています)。今後もし民主党政権が誕生した場合、支持母体の労働組合や人権問題に敏感なリベラル派の人々の顔色をうかがいながらの舵取りとなり、その辺に日本のつけいる隙がありそうです。「自由と民主、同じ価値観の共有、著作権の管理、コピー商品の撲滅」…こういったキーワードで中国の工作を封じ込めていく戦略は有効でしょう。

いずれにせよ、「共和党は日本の味方、民主党は日本の敵」…などといった単純な見方で思考停止する余裕は今の日本にはありません。例え民主党政権であっても、日本はアメリカと今後も同盟を結んでいくしかないのです。…少なくとも中国共産党の一党独裁が続く限りは…。
Posted by d at 2006年11月09日 07:09
ナンシー・ペロシ院内総務・・・知りませんでした。勉強になりました。
私も、今回の米中間選挙での民主党の勝利を受け、「民主党政権のほうが中国の崩壊は早まるかもしれない」という感想をブログで書きました。
安倍政権の舵取りは難しくなるでしょうが、うまくやれば、中国を押さえ込めるかもしれないと期待しています。
Posted by ナルト at 2006年11月09日 11:32
日本はアメリカの国債を大量に買い込んでいると聞いたことがあるのですが、それが事実ならば、アメリカの景気は日本が支えていることであり、アメリカと日本の関係は、民主党政権になっても「一件落着」なのではないでしょか。
Posted by JFS at 2006年11月09日 11:36
ブッシュ政権が終わるこの2年以内に拉致問題を解決せねばならん・・・。
Posted by ran at 2006年11月09日 11:55
ナンシーさん、藁にもすがる思いで期待いたします。
 他は、日本にとっては悪材料ですかね。
反日ガチガチの韓国ロビイスト・ラントンが、下院国際委員長になるし、中国利権どっぷりのクリントン夫妻は、バリバリの嫌日!!!
 いい目はなさそうな感じ。

 ヒラリーが大統領になると、内向きのモンロー主義と、民主党伝統の対外積極路線との葛藤が始まるのでしょうね。
 民主党は、自由と人権のためなら戦争を厭わない側面もあって、南北戦争を皮切りに、第一、第二の世界大戦、ベトナム戦争等々、アメリカの大戦争は全て民主党が主導しています。

 やっぱり、今回の選挙結果は、悪い予感を連想させます。

 
Posted by merlin at 2006年11月09日 13:11
ペロシさん、とくダネに少しだけ映ったと思ったら女性初の下院議長なんですね。でも

米国有力女性下院議員 
チベットの「良心の囚人」釈放を求める
http://www.tibethouse.jp/news_release/2004/040204_washington.html
こういう人って日本みたいにはっきりした態度を取らない国も好きじゃなさそう。
Posted by ジン at 2006年11月09日 14:36
>JFSさん
たしかに現在、日本は米国債保有高で第1位ですが、第2位は中国だったりします。
(おまけに中国は、米国債をちゃんと外交カードとして使っています)
ついでに言うと、外貨準備高では中国が第1位(約9,800億ドル)で、日本は第2位(約8,800億ドル)だそうです。
なので、経済は専門外なので詳しいことはわかりませんが、あまり楽観視はできないんじゃないかなあ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061017-00000009-fsi-bus_all
Posted by bach at 2006年11月09日 14:44
民主党が伝統的に日本蔑視、中国重視なのは事実ですが…
クリントン時代、アメリカ政府が日本を叩く一番のネタは貿易不均衡でした。民主党の支持基盤は労組なので、国内産業の意向が政府を動かしていると言われてました。
その貿易不均衡が、今ではアメリカと中国の間で激化しています。そのせいで日米の貿易摩擦は目立たなくなるほどに。
中国との貿易不均衡でアメリカの国内産業は我慢の限界を超えたともいいます。中国政府による通貨調整も非難轟々です。

党派によらず、アメリカ政府は中国にそう甘い顔はしていられないでしょう。
クリントン時代のような米中蜜月は、復活しないと思います。
Posted by かおる at 2006年11月09日 15:25
毒をもって毒を制す、ですか。
現在の我が国の政治にそれが出来る器量があればよいのですが・・・。

ナンシー・ペロシという人物については恥かしながら良く知らないんですが、「民主党の人権派」では殊更親日何て事は無さそうですね・・・寧ろ積極的に反日だったりとか。
その辺りどうなんでしょう?
Posted by k.c at 2006年11月09日 15:36
民主党が労組の影響があるなら、先の栗政権下での日本バッシングのあと米進出した自動車業界の影響の方が強いのではないでしょうか。

米自動車産業は経営不振でリストラ加速中。
一方の日本車は攻勢。
現状は「輸出」ではなく「現地労働者」による「現地生産」のため、今回は日本自動車業界を叩くわけには行かないでしょう。

民主党が労働者のために強く出ると言うなら、中国・元為替、米中貿易の米側対中赤字、廉価(ダンピング?)販売…等々。
中国を叩く話題に事欠かない気もします。

しかし、あまり米が強硬にでると、日本国内反米左派(いわゆる媚特ア派)の声も比例して高くなりそうです。自民党内にもいまだハニトラ食らってる議員いそうですし。

安倍さんは国内反抗勢力の声と対米姿勢のバランス取りに苦しむことになるのでしょうか
Posted by くらん at 2006年11月09日 19:18
F-22がちょっと遠のいたかな('A`)
Posted by   at 2006年11月09日 20:56
単純に民主党だから、反日親中で北朝鮮に甘いと考えるのはそれは間違いかと思いますし、日本側の政権、政策がしっかりしていれば、それを凌ぐだけの力は日本には有ります、もっとも、それを凌ぐ力の無い国は通貨危機などの危機が訪れるかも知れません
Posted by Skai2 at 2006年11月10日 00:35
ヒラリーは韓国に対する発言などを見ても、共和党支持者を意識した発言が多い気がします。要するに共和党が負けたのは、ラムズフェルドのイラク戦の見積もりの甘さとブッシュの身内への甘さへの批判票であり、伝統的な共和党支持者層は変わっていないのではないでしょうか。
ただ、法案として今後「うざい」事は色々通してきそうですね。
Posted by さつき at 2006年11月10日 00:57
>日本はアメリカの国債を大量に買い込んでいると聞いたことがあるのですが-

国債を持っていても「米軍撤退しようか?」の一言で日本は沈黙するでしょうねぇ。勿論、アメリカは使い道のある日本を簡単に捨てるような真似はしないでしょうが。

その辺は中川さんの核議論発言と同じかも。実行力は怪しいが、効果は絶大……。
Posted by Z at 2006年11月10日 01:02
bachさん、いやあ、楽観視はできませんね。危ないです。
Posted by JFS at 2006年11月10日 14:25
アメリカの多極主義といわれるものが、どこまで本当なのか、日本における米軍再編と日本の政策で明らかになるでしょうね。くわばら、くわばら。
Posted by JFS at 2006年11月10日 14:27
小さな軍隊を目指していたラムスフェルド長官の辞任により、今後のイラク対策や軍隊再編成は、以外とタカ派になるのではないかと私は予想します。民主党は勝ちましたが、新しく民主党議員になったひとたちの間には、共和党とは名ばかりだった比較的にリベラルな共和党員などよりはよっぽど保守派の人たちも結構います。それでイラク戦争は一時的に激化するのではないかと私は予想しています。その旨下記に書きましたんでよろしく。
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2006/11/post_222.html
Posted by 苺畑カカシ at 2006年11月13日 04:07
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