2006年11月14日

左への風?

「今回のアメリカ中間選挙の結果は、全体とし見た場合に、日本のメリットになるかどうかはわかりませんが、少なくとも、戦争反対、平和主義を求める、私たち平和・護憲ブロガーにとっては、良い結果であったといえると思います」

あるブログで上のようなコメントを見かけました。そしてこれは決して特異な見方ではなく、左派勢力一般に見られるセンチメントだと思います。「風は左へと吹いている!」というわけです。

しかしこれは全くの読み違えです。毎日新聞のコラムが、かなり正鵠を射た分析をしていますが、今回の中間選挙は民主党が勝ったのではなく、あくまで共和党が負けたのです。

で、結果として勝った民主党がどんな状態かと言えば、

・反対ばかりで何ら建設的な対案を示せていない。
・党の運営を担うのは、観念的な左派勢力。
・党の指導部に疑問を持つ保守的な議員たちが数を増やしている。

というわけで、どこかの国の同姓同名の党と変わらない状況です。風は左へどころか、左派勢力の退潮は、止まらない世界の潮流と言った方が良さそうです。

さて日本では沖縄の知事選が近く、平和・護憲勢力は、アメリカにおける「帝国主義勢力」の敗退にさぞかし勇気づけられていることだと思います。しかしこれまた大きな間違いです。

強大な権力を握ることになるナンシー・ペロシ次期下院議長が、原理主義的な反中だということは以前述べました。それだけでも日本の左派勢力と真っ向から対立する姿勢ですが、特に沖縄に関して言えば、さらによろしくない問題があります。

ペロシさんが、次期下院院内総務に推している、ジョン・マーサ議員という人がいます。元軍人で、民主党タカ派なんて呼ばれることの多いマーサさんは、要は民主党における軍事問題の第一人者です。

マーサ議員は、イラクからの撤退を強く訴えています。平和・護憲勢力のみなさんは拍手ですね!でもマーサさんは、イラク撤退の主張の後にこう続けるのです。

私の計画は、軍の周辺地域への配置転換です。クウェートと沖縄にです。そしてもし我々の同盟国とアメリカの安全を脅かすテロ活動があった場合は、(イラクに)戻れるようにするわけです。


イラクと沖縄じゃ遠すぎるだろ!とか、沖縄の基地縮小はすでに決まってるこどだろ!なんて笑っちゃいけません。これは、民主党のリーダーであるペロシさんの支持を受ける、いわば「影の国防長官」の言葉なのです。しかもマーサ議員は、沖縄への配置転換を、酔った勢いではなく、去年の12月から繰り返し主張しているのです。

もし本当に左への風が吹いていて、2年後の大統領選挙で民主党候補が勝つことにでもなれば、沖縄の米軍基地は、「世界平和のために」拡大されかねません。抵抗すれば、これ見よがしなパワーハラスメントです。マーサ議員の言葉から透けて見えるように、民主党にとって、日本など所詮自分の意のままに動かせる「手下」でしかないのですから。

平和・護憲勢力の皆様、これでもまだ、アメリカ民主党の躍進が嬉しいですか?

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この記事へのコメント
いろんな角度から物事を見ることって大切ですね。
いつも勉強になりますm(_ _)m
Posted by ほほぅ at 2006年11月14日 17:58
非常に興味深い情報ありがとうございます。「民主党が勝ったのではなく、共和党が負けたのだ」とは、CNNなどで当のアメリカ人たちが盛んに言っておりました。ペロシ氏が反中であり、しかも労働組合が票田の民主党となれば、中国に対して一層の市場開放や中国人民元切り上げの圧力をかけるだろうことは予測できますが、それが、貴ブログで紹介されたマーサ議員の言う駐沖縄米軍の強化とセットで行われるとしたら、中共の感じる圧力というものは相当なものになるでしょう。
拙ブログでも、米民主党の勝利に関して、民主党政権になったほうが中国の崩壊は早まるかもしれない・・・と述べましたが、今日の貴ブログのエントリを見て、改めてそうなる可能性を強く感じました。
Posted by ナルト at 2006年11月14日 18:06
アメリカの民主党は、某国の同名の政党と比べて軍事問題を疎かにしないという点は見習うべきかもしれませんが、何ごとも自国優先で同盟国を蔑ろにするという悪しき伝統があるんですよね。
2年後の大統領選挙がどうなるか分かりませんが、残り2年のブッシュ共和党政権の間に、日本もできる限りのことはやっておく必要がありますね。
Posted by os at 2006年11月14日 21:12
民主党は民主党、サヨクです。
サヨクのサヨクたる所以は、平和・護憲勢力が期待する様にタカとかハトではなく、現実認識の歪みの程度にあると思います。誰しも理想のレンズを徹して現実を見ますが、F・ルーズベルトの昔からサヨクのレンズはビン底です。また、民主党は共和党に比べると足並みが揃わない様ですね。世界最強国の米国の現実認識が怪しく足元がふら付いているというのは、友邦敵国問わず気が抜けませんね。

日本として警戒すべきなのは間違いないですが、別に共和党が味方という訳でもありません。バブル前の絶頂期の日本を叩き潰すべく「競争力委員会」を組織し策を練っていたのは共和党のレーガン政権です(その前に日本経済は自滅しましたが)。
即ち、共和党は正攻法で来る物堅い敵であり、民主党は陰謀を仕掛けてくる気紛れな敵なのです。

日本はどう付き合ったらいいのか?
物堅い敵とは「協力出来る仕事」を探し、気紛れな敵とは「共通の敵」を探すのが吉です!
( 同じに見えて、ビミョーに違うう〜♪ )

後、現実認識が歪んでるから当然なんですが、民主党自身は物事を上手くやれた試しが無いと思います。クリの時代は、レーガノミックスの余禄で好調に見えただけで、真に功績のある者と、その栄光を愉しむ者は大概ズレるんですね。次が民主党の天下だとしたら、やや不調な米国を引き継ぐことになるので、さらにマズイ状態に進むでしょう。
多分、中4年で、再び共和党ではないかと思います。
Posted by 小野まさ at 2006年11月15日 00:10
どの道彼らは反日反米出来れば良いのですから、
米国の政治がどうなろうと
あまり関係無いんじゃないでしょうかね?
Posted by k.c at 2006年11月15日 01:02
DR,マッコイさんもブログの名前を変更してサイトも新設されました。(紆余曲折)http://drmccoy.blog39.fc2.com/blog-entry-3.html
やはり与党、野党での議員の中身で、単なる反左翼、反中・韓、反マスコミだけでも、政府擁護、自民党擁護だけでも不十分であるし、行き過ぎれば有害ですらあると思うので、両方から国益になる、日本を大切にする考えを取り上げるそうです。単純に共和党だから民主党だからと色分けして、その出来事を大雑把に予想してる方法は、外れてしまいますねー。今日のお話を読んで一番の心配事の沖縄の今後が、悪い結果で無いのでチョッリ安心。沖縄と台湾はシーレーンの要です。ロシアと欧州とがシベリア鉄道で一直線に繋がる条約が出たばかりですからねー。
Posted by ようちゃん at 2006年11月15日 01:57
日本の左派勢力とは異なり、中国政府は民主党の勝利に警戒心を強めているようですね。
中国共産党も日本の左派勢力ほどお気楽ではない。もう少しまともな現実認識が出来ているという事かもしれません。
日本人としてはちょっと情けない話ですが…
Posted by かおる at 2006年11月15日 11:26
毎日の記事がトップじゃ無くなってました
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/news/20061114ddm004070054000c.html
Posted by Noge at 2006年11月15日 14:44
まとめて平和・護憲勢力=民主党の躍進が嬉しいように言われるのも
困りますが、戦争大好きにしか見えないブッシュ大統領よりは、
私にはましに感じられます。
平和主義=左とは、あまりに短絡過ぎませんか。

話がずれましたが、アメリカにとっての日本は、
ロンヤス会談ではありませんが、
対アジア用不沈空母程度で、属国としか
思ってないと感じております。

中東は、イ・イ戦争や湾岸戦争、遡れば帝国との戦争等、アメリカ含む西側諸国とは因縁だらけです。
これから半世紀くらいかけてでも、仲良くなれたら
良いですね。
Posted by 774 at 2006年11月15日 20:29
戦争大好きにしか見えないブッシュ大統領とは、あまりに短絡過ぎませんか。
Posted by at 2006年11月15日 22:43
引用部を検索してみました。
・・・・・。
この素朴で頓珍漢な一文と当該ブログ周辺の言説をもって国内左派共通のセンチメンタリズムとするのは、ちょっと左派に気の毒な気がします。
「脱米潮流」という本で、左右保革東西など党派性に回収されない世界各国の米国に対する世論の変遷を辿っていて、なかなか興味深かったので是非。
Posted by ななし at 2006年11月16日 00:20
そろそろ、「ヒラリー政権後」のシュミレーションを始めておいた方がいいような気がしますけどね…。
ヒラリーになったら、「どのような考えや政策を持っているのか見極められるまで、こちらから訪問することはない」ぐらいの姿勢で行った方がいいんじゃないかと思いますけどね。
今まではブッシュ共和党だったから対米関係がうまくいっていただけで、アメリカなんていう国はいつ反日強硬になるか分からない。大して信用できない国。
10年前とではアメリカもかなりパワーは弱まっているとは思うが、それだけに強く毅然とした態度に出ないといけない。
まあ、アベにそんな気概があるとは到底思えんが。
いまから、アメリカ国債買うの見直しましょうか…?ぐらいの議論を始めておいたほうがいい。
Posted by 箱舟さくら丸 at 2006年11月19日 12:56
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