2007年06月02日

究極のリアリティショー

先月の末に、こんなニュースがありました。

オランダで、末期の脳腫瘍(しゅよう)の女性が自分の腎臓を提供する患者を視聴者の声を聞きながら決めるリアリティー番組が1日に放映されることになり、物議をかもしている。テレビ局は「臓器不足の実情を理解してもらえる」としているが、欧州連合(EU)高官は「移植への理解を進める方法として適切ではない」と番組を批判している。

番組名は「ビッグ・ドナー(臓器提供者)・ショー」。公募した出演者が数週間にわたり共同生活を送りその様子を放映する高視聴率番組「ビッグブラザー」を発案したオランダの制作会社が作った。「ビッグブラザー」は世界20カ国以上で放映され、英国版では出演者がインド人女優に人種差別発言をしたとして国際問題に発展した。

番組は37歳の末期の脳腫瘍を患う女性が3人の候補者の病状や夢などを紹介するビデオを見たり、候補者の家族や友人と話をしたりした後、自分の腎臓を提供する1人を決める。視聴者も誰に提供すべきか80分間の放送中投票できるという。(杉浦美香)



で、昨日番組が放送されたのですが、脳腫瘍を患う女性が、自分の腎臓を提供する相手を決める直前になり、「実はこの番組は、臓器不足の実情を理解してもらうための作り話なのです」と司会者が告白したというのです。

そう、この番組は、臓器移植の実情を世に広めるために仕組まれたフィクションで、自分の腎臓を提供するという末期の脳腫瘍患者は女優でした。

ヨーロッパ各国で政治家を巻き込んだ論争になり、制作者側の意図はまんまと当たったわけですが、リアリティショーも来るところまで来たものです。当初のリアリティショーは、テレビの中でリアルを見せていたのに、ここでリアルなのは、テレビの中ではなく、それに反応していた視聴者の方というわけです。

何て野心的な企画なんでしょう。ある意味この番組は、20世紀のテレビ文化を否定し、とどめを刺す試みだと思います。



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この記事へのコメント
これは・・・恐ろしい番組があったもんですねえ
視聴者はフィクションだと知らされて、どんな反応をしたんでしょうか
Posted by tetu at 2007年06月02日 09:24
これは良い釣りですねw
Posted by 鰯 at 2007年06月02日 10:58
うわ!
先日そんなリアリティ番組があると知ったとき、憤慨していました。命を娯楽にするな!と。
私はまんまと「釣られた」わけですね(笑)
やられた〜
こういう試みは面白いですねえ。社会的な意味もありますし!
Posted by at 2007年06月02日 12:59
真剣に臓器移植を望む患者さんや、その家族には
ずいぶんひどい仕打ちですよね
確かに斬新な視点の番組とは思いますが、「釣る」側の
センスがないと、ただ、ただひどい番組になって
しまうのではないでしょうか
Posted by nekonigohan at 2007年06月02日 13:15
AFPにも記事がありました。
オランダのテレビ局、臓器移植への関心喚起のため視聴者を1年間欺く AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2233456/1645754
>同番組は世界の注目を集め、まさにドナー役の女性が相手を選ぼうとした瞬間、司会者のPatrick Lodiersが、「腎臓提供は行われません。いくら我々でもそこまではできません」と視聴者に語り、すべてを暴露した。


> 一方で腎臓移植候補者の3人は、本物の患者であったものの、番組の内容は知らされており、ドナー登録を促進するために協力したのだという。

> Lodiersは「3人は俳優ではなく本物の腎臓患者で、彼らの話は紛れもない事実です」と述べた。


>今回の番組は、同局の創設者であり、腎臓提供を数年間待ち続けたBart de Graaff氏の没後5周年に合わせて放送された。


暴露のタイミングがいいですな、たとえ批判があろうともそれはアピールになる。
また、怒る人は少なくとも真剣に考えた野かもしれない。ならば目的に適っている。

局の評判より目的を選んだとも言えるか。
目的が手段を正当化するとは思わないので、この手法を善しとできないのが歯がゆいところ・・・
Posted by jsdf1100411 at 2007年06月02日 14:05
>真剣に臓器移植を望む患者さんや、その家族にはずいぶんひどい仕打ちですよね

番組内で臓器移植を望む候補者の側も、やはり役者さん達だったのでは?臓器が足りないことを訴えるのが目的の、架空のドラマだったのですから。そこは確認したいですね。
Posted by 出戻りファン at 2007年06月02日 14:07
>そこは確認したいですね。

って書いてる間に、AFPの記事で確認してくれた方がいましたorz 

>本物の患者であったものの、番組の内容は知らされており、ドナー登録を促進するために協力した

合意の上での協力なら他人は何も言えません。というか、患者自らが、そこまでしなければならないほど、ドナー登録者が足りないわけですね。

自分は登録するつもりですけどね。どうせ残った分も焼却されちゃうんだし。
Posted by 出戻りファン at 2007年06月02日 14:15
どうもこんにちは!
いろんなブログを応援させていただいています。
応援ポチッ!
Posted by ポルコ at 2007年06月02日 17:04
ありゃ、釣りでしたかw
当方、ABCナイトラインっだったかな?で取り上げられたのを偶然見て初めて知ったのですが、彼らもまんまと釣られちゃったワケですね。
それともアレも仕込みだったのでしょうか?
Posted by k.c at 2007年06月02日 18:00
野心的かも知れませんが、何か胡散臭くて仕方がありません。
僕はこういう問題を、一般ピープルに知らしめたり、考えさせたりする意義がどれ程あるのだろうかという気がしますね。本当に腎機能不全を起している人達の助けになるんですかね。いや、ゼロじゃないだろうけど、この番組を見て急にドナー登録する人がどれ程居るんでしょうか。単に『ドナーが足りないんだ、助けてくれ!』と叫ぶのと、どれ程違うんでしょうか。

こういうワザトラシイ話題作りは社会派ぶったマスコミの自慰行為なんじゃないでしょうか。

こんな「ショウ」をやったり、政治家に嬉しそうに空虚な議論をさせるカネがあったら(政治家とは息をするだけで莫大なカネを消費する生物ですから)人工臓器の研究開発に全額投入するべきです。問題解決の要となる所に直接リソースを投入するべきです。社会問題として議論するよりも、専門家を組織して技術問題を議論させるべきです。まぁ、どうせ答の出ない社会問題を議論し合うのは、技術問題を解決するより、楽しいでしょうけどね。ケッ。

・・・と僕は思うんですけど、ひねくれてるニカ?
Posted by 小野まさ at 2007年06月02日 23:13
一般の視聴者を始め疑り深い政治家まで騙したということは、内容の如何に関わらず今後のTVのあり方を示唆していると思います。観る方にメディア・リテラシーを求めるだけではなく、作る方にも新たな規制が必要だということではないでしょうか。
Posted by chengguang at 2007年06月02日 23:34
oribeさんの様な繊細な方は、メディアの世界で主流派なのかどうか?私が会った新聞記者、TV局の方の中には、謙虚な方もおられましたが、中には、一般社会でお目にかかった事もない飛び切り傲慢な人々がおりました。一般庶民は馬鹿ばっかりと思っているようでした。

メディアの世界では、大衆を狙い通りに操縦する、操るといったことに誘惑を駆られるのかもしれません。かって学生運動華やかなりし頃、デモ隊の先頭で、止まれと叫ぶと皆止まるのにワクワクして学生運動にのめりこんだ奴もおりました。自分の思い通りに人を操るというのは、よほど魅力のあることなのでしょう。

オランダのTV局のやり方は、アジテーター的傲慢さが露骨で嫌な気分にさせられました。

大衆を操縦し、意図通りに世の中を動かす。
先導者ではなくて、扇動者と言うのがメディアの本質なのかも。

Posted by merlin at 2007年06月03日 00:15
別に、TVメディアは真実のみを流すべきだとは思わないけど、いかにもやり方があざとくて嫌だな。
重要な問題について真剣に考えて欲しいなら、誠実な番組作りをすべき、と思う俺はまだ青いのでしょうか?
Posted by mdyaroh at 2007年06月03日 01:52
このやらせ番組から判ることは、「テレビの言う奇麗事は信用するな!」でしょうね。いっそのことやらせを前提に番組を作って、あとからバラすようなドッキリでもやったらいいのに。
「作り話」だと告白した司会者は、テレビ業界人としてのギリギリのラインを踏みとどまろうとしたのだろうね。
Posted by YOU at 2007年06月03日 02:06
良いことのためなら、マスコミは視聴者を騙していいのか?
って考えちゃいますね。
同じことを政府がやっても注意喚起が出来たから、で済まされるでしょうか。
Posted by wh at 2007年06月03日 08:12
そういえば宇和島の万波医師の件はうやむやになってしまいましたけど・・・・。

結論を出すような議論すらせず、うやむやにしてしまった日本のマスコミに比べて、オランダのテレビ局は大胆かつ勇気があるなあ、とは思いました。

ただ、どうするのが一番いいんでしょうか?(日本もオランダも腎臓病患者が必死なことだけは共通しているようには思います)
Posted by JFK at 2007年06月03日 17:11
・この様な番組を何度も放送すると、誰もマスコミを信用しなくなる。ということでしょうか。
・移植は誰かが助かるために、誰かが死ぬわけですから無理がありますね。まささんがおっしゃるように、人工臓器の開発でしょうか?
・民主主義を否定するわけではありませんが、素人が集まってよくわからない事を議論するのには限界があると思います。確かな専門家に任せたほうがいいような気もします。
と、いろいろ考えさせられました。
Posted by 人形焼 at 2007年06月03日 18:46
たとえばNHKが(絶対ないと思うが)9条を考えると称して軍事シュミレーション番組をやったらどうなのか、ここで米軍を支援すべきかとか 某国の基地を先制攻撃するべきかとか あとで「うっそぴょーん」じゃすみませんよね あれは良くてこれは悪いというのではなくこの手の番組は禁じ手だと思います。 
Posted by ころ at 2007年06月03日 19:19
こういう時に噛みしめるべき、古からの言葉が有りますね。
「嘘つきは泥棒の始まり」
Posted by blue at 2007年06月03日 20:59
うーん、とても興味深い試みですね。但し、個人的には賛成しかねますね。臓器提供者が少ないのは確かです。インド等では何故か結構提供者が居るようですが、かなりグレーゾーンを感じますし。

しかし、脳腫瘍が有った女性は実際に悩んだ訳ですし、正直そこまでやるのか?と言う気がしますね。唯、臓器不足に真正面から対応しようと言う試みは評価されてしかるべきでしょう。ES細胞の実用化がなされれば、こうした事も少しは改善されると思うんですがね・・・
Posted by surnivers at 2007年06月03日 22:55
「万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、尿管がんの腎臓を移植された患者にがんが再発、その後転移した肺がんで死亡したと疑われるケースが1件あった」
脳腫瘍の女性の腎臓って病気腎ですよね。それでも欲しい人は大勢いるんですね・・・
Posted by at 2007年06月04日 01:28
激しい争奪戦の末、ついに【加護亜依】のAVデビューが
決定した!!
ギャラはなんと、破格の1億円。
3億のギャラを用意してる社もあるというから驚きだ。
Posted by 元モー娘。【加護亜依】が破格の“1億円AV”決定!! at 2007年06月04日 15:28
宇和島の件ではマスコミの非難の割には患者側からは非難する声は出なかったようです。患者側は万波先生を守る会まで作っていたし。免疫抑制剤を飲み続けなければならない患者にとって、彼の存在には自分たちの生存がかかっているわけですし。マスコミの行動は患者にとって迷惑以外のなにものでもない。センセーショナルを煽ったマスコミも被害者がいない以上、振り上げた拳の落とし所がなくて、結局報道もうやむやになったのではないでしょうか。現実に腎不全患者が大量に移植を待っている現状は変化ないし、病院にとって見れはむしろ、いい宣伝でしょうね。
Posted by 503 at 2007年06月05日 16:15
もっとふざけた話題だったら許せたんでしょうけど、真剣にならざるを得ない命の問題では許されませんよね。
病気腎の問題も移植を受けた方は納得されるかもしれないけど、摘出された方たちは複雑だと思います。
Posted by P at 2007年06月05日 16:59
本来ならば、メールにてご挨拶するべきですが、貴サイトにおいてはメールフォーム&メールアドレスが確認できませんでしたので、コメント欄にて失礼いたします。どうか、ご了承ください。

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パワーブログランキング運営委員会
Posted by パワーブログランキング運営委員会 at 2007年08月31日 16:06
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