しかしそのような主張は、共産主義の失敗をスターリンや毛沢東個人のせいにしたり、共産主義が本来あるべき道を踏み外したからだと主張するのと同じことです。
戦前のマスメディアは別に何かに屈服したわけでも、道を踏み外したわけでもありません。マスメディアとしての性に素直に従い、正常運転することで、国を後戻りの出来ない袋小路に追い込んだのです。マスメディアは、その存在自体がとても危険な劇物なのです。
半世紀以上前にハイエクは、共産主義や国家社会主義など全体主義の堕落は、為政者の質ではなく、そのシステム自体により引き起こされると喝破しました。それと同じことで、マスメディアはその構造の中に、社会を歪めるタネを内包しています。
というのもマスメディアというのは、単に<情報を不特定多数の人々に送る>システムではありません。<特定の少数者が、不特定多数の人々に情報を送る>システムです。こうした権威主義的な歪みを持つシステムは、送る情報の内容に関係なく、必然的にその姿を社会に投影し、権威主義的傾向をはびこらせていくのです。
こんな危険なシステムはすみやかに破棄すべきですが、そうもいかない事情がありました。何しろ大衆は情報に飢えているのに、マスメディアを禁止したところで、それに代わる情報配信システムがありません。今さらマスメディア登場以前の状況に戻るのは、自動車や電車を捨てて馬車の時代に戻るようなものです。
しかしネットの普及で事情は変わりました。
ネットは、19世紀末にマスメディアが成立して以来歴史上初めて現れた、マスメディアに代わりうる情報配信システムです。そしてそれは、マスメディアが持つ致命的な欠陥を持たない、<不特定多数の人々が、不特定多数の人々に情報を送るシステム>です。
もう誠実なマスコミ人が、「大衆のためにいい情報を送らなくては」と、良き独裁者になろうと努力しなくても、独裁制を放棄することが許される時代になったのです。
とは言うものの、そこで素直に退場しないからこそマスメディアは危険なのです。むしろ組織としての危機に立たされた今こそ、劇物としてのマスメディアはその本領を発揮し始めています。マスメディアは去年、無邪気に正面から彼らの力を削ごうとしたドン・キホーテ首相の首をとりました。これからもマスメディアは、ネットを窒息死させて自らの権威を維持するために、子ども、人権、著作権と、一見誰にも反対できない問題を提起し続け、そうした問題は必ずどこかでブレークします。
その挙げ句次々と成立するだろう規制、規制、規制・・・。そもそも放置しておけば規制を連発する性質を持つ官僚とマスメディアが同じ方向を向いたら何が起こるのか?戦前の場合はトータル・ウォーになりましたが、今回もそうなるのでしょうか?それとももっと恐ろしい結末が待っているのでしょうか?
しばらく前に、テレビのワイドショーでグーグル本社の様子を紹介していました。番組の司会者は、「どうしてああいう会社が日本には生まれないんでしょうかね?」と日本社会の創造性のなさを嘆いている風でしたが、答えは簡単です。マスメディアが退場すれば、グーグルを超えるような集団はすぐにこの国に生まれてきます。
しかし残念ながらそうなりそうにはありません。政治家と官僚とマスメディアが手に手を取り合ってこの国に暮らす人々の可能性を奪い、莫大な富をもたらすはずの実を芽のうちに摘んで、たぶん日本は枯れ木になるのです。
今最も警戒すべきなのはネットではありません。死に行くことを拒否するマスメディアの方です。
杞憂であってほしいです。
既存マスメディアはネットを規制したいがゆえに、ネットそのものを悪者にしようと必死ですよね。
高市さなえという自民議員がネット規制法を立法しようと躍起になってるようで、その動きに対して野党側からなんの批判も出ないばかりか民主党までが同じような規制法案を考えているとか・・・呆れるばかりですよ。
善悪・価値観を排して、事実のみが分かるニュースが、音声で出るようなものは、作れませんか。
そう言えばC型肝炎問題について、全てのメディアが、事実が何であるか分から無い報道をしていました。ブログでも、2〜3しか、過去の経緯が分かる物は、有りませんでした。
利権を手放したくないから。
第四の権力はモンテスキューの論じた三権分立から外れているのですから。
あ、クマー
ブログの更新楽しみに待っております。
テレビというかマスコミのウザいところは、高みに居ながらしたり顔で説教することです。
以前、NHKの記者で藤沢さんという方は(NHKらしい落ち着いた感じの方ですが)、米テレビ局(ABC)の記者との対談で視聴者を導かねばならない旨の発言をしていました。その人のキャラがどうであれこういう方は多いのでしょう。
最近話題の話ではロス疑惑の三浦知良の数多くあるエピソードの中の一つにあったのを思い出しました。
三浦被告は多くのマスコミに対して当時名誉毀損で訴え、連戦連勝し相当な額のお金を手に入れたとのことです。
その中で唯一勝てなかった相手、それは東京スポーツだったそうです。
東スポの記事を信じる人などいないと裁判官が判断したからだそうです(笑)
半分ジョークみたいな例ですが、信ずるものが減れば、自ずと力も衰えてくるかもしれません。
最近のテレビCMにパチンコCMが多いのも他のスポンサーの撤退による衰退、信頼性・権威の低下の現れかもしれませんね。
ただ、もっと深刻な事態にマスコミが陥ったときに何をしでかすのか、とても恐ろしいです。
それまでにマスコミに対抗する運動?レジスタンス?、とにかくいまは存在していない何かが産まれていることを願います。
キングカズが犯罪者になっちゃってますww
連合軍の言論弾圧というのがちょっと不明なのですが、連合軍とは占領軍のことでよろしいのでしょうか?
だとしたら
マスコミの方から諸手を挙げて擦り寄ったので占領側は弾圧する必要が無かったんですけどねwww
奴らは弾圧されて屈したことにしたいんでしょうけども・・・
それは、プレスコードと呼ばれているモノですね。
マスコミ各社は、今でもコレを守っています。
http://blog.livedoor.jp/rainbow_drop777/archives/50674816.html
コレに束縛されないのが、現在のネットによる言論です。
そりゃあ、都合が悪い訳ですよねw
誤字の指摘ありがとうございます。
やっちまいました。。(苦笑)
そして自ら真実を知ろうとしない知ることも出来ない人々は、愚鈍な家畜となる。
すいません、勉強不足でよく分からないのですが、米国ではマスメディアが退場したわけではないですよね。
でもグーグルのような会社が台頭出来たのはなぜなんでしょうか。
日本ではブログで情報発信している人たちですら、未だ頑なにマスコミの報道を信じている人達が多いですね。グーグルなどの検索でより多面的に検証してみようと思う人もまだまだ少ない。
ソースを張って、その報道を鵜呑みにしてはいけませんよ、と指摘しても知ることすら拒否する人もいる。
生まれてこの方ずっとテレビ、新聞に洗脳され続けた為に、ああいうスタイル以外の情報は受け付けない頭になってるんじゃないかと感じる事があります。
ほとんどの情報は他人からもたらされた情報となり、そのソースの確度などは結局のところ勘やその人や、そのグループの実績などで判断するしかないのが実情でしょう。
そこが、変なデマや印象操作、煽動をしたい連中にとってはとても有利になり、ジャーナリストではないけど真実を知りたいものにとってはとても不利になる。
きわどい話題になればなるほど、最終的には乱暴にこれは正しいと思い切らないといけなくなる(笑)
口に入る食品でさえ、毒が混入したり偽装したりするわけです。それと同じことが情報でも起こっていて不思議はないけど、なぜここまでほっておかれるのか。
それは、皆がソースに迫れないということがとても大きいのかと。
インターネット上でもそれは拡大拡散しただけで本質的には変わりはないでしょう。
Googleに絶対の信頼などおけませんし。
そこらへんの問題に何らかの解決策が産まれたとき、その情報の流通しているフィールドは圧倒的に支持されるんでしょうね。
人間を信じられるか信じられないかという話なので、続いていく課題なのかもしれませんが。
ネットによる情報配信といっても、ネット発のオリジナルでそれなりに価値のある情報はほとんどなく、テレビや新聞などの1次ソースをもとにあれこれ論じる形をとるのが大多数のような気がします。
個人的にはネットという情報配信の形態はその性質上「特定の少数者が、不特定多数の人々に情報を送る」マスメディアにとってかわるものではないと思っています。
マスメディアの堕落はoribeさんのおっしゃるシステム自体の歪みに起因するものもあるとは思いますが、ほとんどは肥大化した組織自体の自己保存本能の暴走によるものだと思います。
肥大化しすぎた組織は、内部の人間にとっても手に負えないものになり、それを正常化するには圧倒的な(少なくとも同等の)外部の力による他ありません。
ネットに期待されているのは、マスメディアに取って代わることではなく、マスメディアの内包する権威主義的な歪みを是正し、組織としての風通しを良くすることではないでしょうか。
いろいろ考えてるうちに長文になってしまいました。すいません。
マスコミが政治家や官僚と結びついて日本を破壊しようとしていることを懸念し絶望しておられるようですが、ネットを勃興させようとしている連中ももちろん政治や官僚とカネで結びついていきます。
今は、目減りして滅び行く既得権益にしがみつく旧来のマスコミと、新たな権益を構築しつつあるネットが激闘を展開している最中です。
目端の利く新しい政治家が乗るネット。
旧態依然とした出足の遅い政治家が乗る旧来マスコミ。
この二者の戦い、勝負は見えています。
絶望することなく、自分たちは未来のあるべき姿を主張していきましょう。
期待しています。過去のエントリー マスコミNHKについて書かれたことなど、そのとうりでした。
応援しますよ。
中国批判するなと厳命された模様です。
> 中国の北京五輪組織委員会が、長野市で4月2
>6日に行われる聖火のリレーや式典を直接妨害す
>る行為だけでなく、中国政府を批判するメッセー
>ジを書いたプラカード類を掲げるなどの活動も排
>除するよう要求している。長野市のリレー実行委
>員会が24日、明らかにした。
> 実行委によると、組織委は反対活動をする者が
>突然リレーを妨害するなどの不測の事態を考慮し
>ているという。しかし、実行委は危害のない場合
>は「五輪に反対する横断幕を出すことまでは排除
>できない。日本の法律にのっとって可能な限り対
>応する」と、中国側の要求に困惑している。
http://www.sponichi.co.jp/olympic/flash/KFullFlash20080324051.html
その番組でも「ブログはメディアが発信したニュースに膨大なコメントを付けているに過ぎない」という指摘もありましたが、同時にブログにおけるコメントは意見や感想を述べるだけではなく、検証するという面もあり、ネットに集まる何百人もの力によってマスコミの誤報や捏造が明らかになり、その信頼性が揺さぶられているという点も取り上げていました。
確かに事件の現場や紛争地帯に行って渾身のレポートを送り出すのは素人には難しい。けれどネット上に置いてあるシンプルな事実と報道の違いを指摘する事くらいは出来ます。
数年前、ある番組でコメンテーターが
「○○(という団体)は会計報告をきちんとやる事で信頼を得た」という発言をしました。
実際その団体の公式HPを見るとPDFファイルで分かりにくい所に置いてあったのですが、団体は数ヶ月前に会計報告終了を告知しており、数億円の残金が事実上使途不明金化していたのです。
しかし一旦公共の電波に乗って発信されてしまうと、「○○は会計報告をきちんとやっている」と何百万人もの人に事実として認識されてしまうのです。
また、記者クラブに加入する記者しか入れない会見の場での発言なども報道機関によって随分違っている事があり、いっそ会見の様子を全部動画で流してくれよ、あとは自分で判断するから、と思ってしまう事もしばしばです。
グーグルは八分と言われる検閲機能の他にも色々な噂が絶えず、私も全面的に信頼するものではありませんが、それでも日本人の多くが利用しているというヤフーよりは調べ物をするのに便利だと思っています。せめてブログや掲示板で意見を発信する人達がその前にちょっと検索してみる、という習慣を身に付ければ大分違ってくるのではないでしょうか。
同時期に新聞紙条例でそれ以前に1000社を超えた新聞社を50以下に独占したはずです。
もちろん統合された新聞社の末裔が今の五大新聞ですが、田中角栄がその新聞社にカネを出させてTV局との資本関係を作ったのですから、ご懸念はごもっともですが、今そのような行動でネットを規制するというよりネットの独占か中国の百度のようなコネでできたネット企業を作られるかどうかに注目していきたいと思います。
元マスメディア側の人からの鋭い考察はやはりおもしろいです。特に「無邪気なドン・キホーテ首相」というのはうまい例えですねw
で、内容の方でマスメディアが退場すれば全てが良くなるという言い方をしていましたが、私はマスメディアにはこれからも頑張っていってほしいと思っています。既に指摘を受けているように、現在日本のネット上での情報ソースは新聞などのマスメディア側からもたされたものがほとんどを占めています。そして不特定多数側が詳細な情報を調べ上げれることはほぼ無理です。したがってマスメディア側はこれからも情報を発信していってほしい。
ここで問題となることは我々受けて側の情報に対する態度です。
ドン・キホーテ首相が殺された原因は、大衆がマスメディアからの情報に盲目的に従ったからです。独裁者が独裁者たりえるのは、自身が大きな権力を持ち、補佐する者の意見を聞かないからです。つまり、この日本に根付くマスメディア神話により我々がマスメディアに権力を与えてきた。そこで、ネットという道具があるこれからは独裁者から権力を奪い、また独裁者に意見を述べる協力者という地位に就かなければならい。
その意味で私はoribeさんのような良識人がマスメディア内で出世してくれることを勝手ながら期待していました。しかしoribeのされた決断はより深く考えた上でのことでしょう。これからの活躍を期待しています。