ハイチで打ちこわしが起こっています。1日200円以下で暮らしている人たちが人口の8割を占める国で、食料の値段が1年で5割も上昇したら、そりゃ暴れる気持ちもわかります。
日本でも食料の値段は軒並み上昇していますが、2007年の中ごろに比べて、世界平均で食料の値段は4割も上昇してるっていうんですから、ハイチの暴動は世界的な一揆頻発の序章にすぎないでしょう。
イギリスのブラウン首相は、福田首相にサミットで食糧問題を議題にしようという書簡を送り、農作物のバイオ燃料への転用の影響を調査する必要があると指摘しているということですが、当たり前ですね。食いもんを燃して暖を取ってれば、そりゃ食うもんも不足するはずです。
もうこの際洞爺湖サミットは、「環境」から「食糧」へと看板を架け替えるべきだと思います。
バイオ燃料は金になるっていうんで、トウモロコシだの大豆だのを燃料つくりにまわして、ほかの作付けまでやめてそっちを優先するもんだから、小麦からなにからガンガン値があがって、米の値段まで世界的に急上昇して、東南アジアの米輸出国じゃ国内の米価が急騰して、相次いで輸出制限しています。
日本でも減反が叫ばれていましたが、他の値段があがれば米を食べるようになる人が自然と増えるわけで(わが家でも米の消費が増えました)、米の値段はじりじり上がっているといいます。このままいけば、減反どころか米不足に陥ることだってありえます。
もちろん食糧不足の犯人はバイオ燃料だけではありません。しかし、環境のためにと、バイオ燃料の使用にインセンティブをつけたりして人工的に食糧危機を加速させていることは間違いありません。
一流の頭脳を持つ科学者やら政治家やらは、なんでこんな、素人にも予測できそうな深刻なリスクを無視していたんでしょうか?将来的な食糧不足の可能性は以前から叫ばれていたのに、なぜ傷口にカラシを塗りこむようなことを嬉々として奨励してしまったんでしょうか?
ついでにバイオ燃料ブームはCO2排出削減に寄与しているどころか悪化させているという話まで今さらになってぞろぞろ出始めていて、しょせん人は神にはなれず、神のように世界をコントロールしようとする傲慢さはしっぺ返しを受けるという教訓に、また1ページを書き加えてしまったようです。
いずれにしてももう世界では、バイオ燃料とかCO2産業にすでに気が遠くなるほどの投資がなされていて、今急ブレーキをかけたって、1年や2年じゃとまりません(今さら誰もブレーキを踏もうとはしないでしょうが)。そりゃ世界が不穏になって経済活動が鈍ればCO2の排出も減るでしょうし、飢餓で人が減ればなおさら地球は大喜びなのかもしれませんが。
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投機資金の流入などはむしろ派生的な原因であって、主要な原因は「地球の有限性」が露わになったことではないかと思います。
つまり、人口が増え、中国・インドなどの経済発展などに伴って需要が急増し、資源の生産が追いつかなくなって需給関係が逼迫し(枯渇ということではありません)、それが構造的なもので今後も持続する、ということではないでしょうか。
温暖化もまた「地球の有限性」に起因するのは明らかです。
要するに、30年前のローマクラブの予測「成長の限界」が現実化しつつある、ということではないでしょうか。
石油業界のインサイダーであるブッシュは石油の高騰を予見し、世界2位の埋蔵量を誇るイラクへの侵攻を決意したと見ることが出来ます。9/11は渡りに船だったわけです。
さて、この先に何があるのか?
極めて暗い予測しかありません。「人類は生き残ることが出来るか?」という問いかけが荒唐無稽ではない時代がやって来るでしょう。
特に中国の動向が一つの鍵になると思います。
暴動について言えば、ハイチの次は中国かもしれません。追い込まれた共産党独裁政権は不満を抑え込むためにナショナリズムの高揚を選択するでしょう。
つまり今回はチベットである程度成功したわけですが、さらに追い込まれれば、次は台湾、その次は日本でしょう。
沖縄では左翼以外は皆殺しになるという噂が飛び交っているそうですよ。
皆さん!! 左翼に転向しますか?
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20080324/1206326764
(引用はじめ)
たまたま2月末に沖縄を旅行されたある大学教授から次のような内容の手紙が届いた。
「沖縄は“中共に併合される。左翼でないと生命は保障されないそうだ・・・”との風説が有力で、一般市民の(特に次世代の)動揺が烈しいことにびっくりしました。中共の有力者が毎週のように“時局解説”と称して琉球独立論をあおっている様子には、何とか”歯止め”をと思いました」
(引用おわり)
欧米各国の政府も、メディアも、誰も。
結局、各国政府は知的所有権で優位に立つほうを優先したのか?メディアも有力スポンサーの機嫌伺いで追求しようとはしなかったのか?
謎です。
>バイオエネルギーで疑問なのは、あれを使用すれば二酸化炭素排出量に含まれない、などという詐欺・・・
植物は空気中の炭酸ガスを取り込んで穀物を作りますので、それから作ったアルコールを燃やしても炭酸ガスは増加しない、という理屈のようですが、実際には栽培、収穫、発酵、精製などのプロセスで大量の化石燃料が使われるわけで、たしかに詐欺かもしれませんね。
大体、アレに限らず昨今「クリーン」だの「エコ」だのと持て囃されてるエネルギーってのはかなり胡散臭く思えます。一部では以前から言われている事ですが、例えば発電設備などはそれ自体が幾ら「クリーン」でも、稼動中に作られるエネルギーが、それを製造、保守管理、破棄するのに必要なエネルギーを上まら無い限り意味がありませんし、寧ろ悪影響すら与えるかも知れません。
ここいら辺はマスメディア等できちんと議論されているのを見た記憶がありません。やはりスポンサー絡みの理由なんでしょうか?まぁ、当方が見ていないだけで、時々は取り上げられているのかも知れませんが。
結局、現実には「魔法」も「錬金術」も「打出の小槌」もありゃしないんですよね…今現在曲がりなりにも「モノ」になってる「クリーンエネルギー」って原子力くらいなんじゃないでしょうか?
バイオ燃料に限らず科学研究というものはそうです。短期的に駄目に見えても条件が変わったら判らない。真の金脈に繋がる道なのかも知れない。当座の利益・不利益は度外視し、多少の人死にも覚悟で、進める限り知識を拡張すべきなのです。先々何がどう役に立つかなんてホント判らないのだから。
問題は「今はバイオ燃料だ! 儲かりそうだ!」と煽る輩、煽られてカネを突っ込む輩。
技術的なことには興味無いけど手っ取り早くカネが欲しいとのたまう輩。こういう輩は何処にでも居て、何にでも鼻を突っ込み、期待外れと判ると後始末もせずに放り出す。そういった輩が悪いんで、バイオ燃料を悪者の様に思ってはなりません。
僕は「今度は食糧だ!」という煽り文句が聞こえてくるんではという気がするのです。
載せられない様に、拝金主義者にはご用心です。
勿論、そういう輩ばかりではなく、正しい投資家と事業家も居て、ブームになる前からブームが去った後まで気長にやっとると思います。そうでなきゃ世の中持ちませんし、僕もそうなりたい。
私としては、人間が一番地球環境に悪いというのは同意します。
むしろ、因果関係が逆との説もあるようですね。
いわく「炭酸ガス増加が地球温暖化を招いたのではなく、地球温暖化の結果として炭酸ガスが増加した」…と。
http://wiredvision.jp/news/200804/2008040923.html
日本でも廃材などの再利用で研究されてますよね。
こういう廃棄物も処理できて、燃料も生産できるというような一石二鳥的な開発は
日本的な「もったいない」の精神が生きているような気がします。
食べ物を燃料に変えるというのは合理的なんだろうけど、やっぱり気持ち的な部分で納得できないですね。
http://wiredvision.jp/news/200804/2008040923.html
日本でも廃材などの再利用で研究されてますよね。
こういう廃棄物も処理できて、燃料も生産できるというような一石二鳥的な開発は
日本的な「もったいない」の精神が生きているような気がします。
食べ物を燃料に変えるというのは合理的なんだろうけど、やっぱり気持ち的な部分で納得できないですね。
現在ハイチのような貧しい国々は多々ありますが、世界に出回るお金は限られていますので、金持ちが増えれば貧しい人も増える。
かと言って均一化しようとすれば全員が貧しくなる
地球の容量はすでにオーバーしているのかも知れませんね
海藻からエタノールを、という計画は日本でも考えられてるそうです(ソース探すの面倒ですが)
日本海に一大プラントを作って海藻を育てる
日本海には大陸からの工業排水が流れ込んでいて、
海藻にそれを吸収させて回収、エタノール化する
さらに海中には微量ながらウランなどの貴重資源が溶け込んでいて、バイオ燃料化の過程で海藻からそれらの資源も回収、というまさにもったいない精神を発揮しまくった案だそうです
(単にコストを回収するためにはそこまで徹底しなければならないだけらしいのですが)
穀物価格の高騰はWFPなど発展途上国支援をしている国際組織も影響を受けているそうです
確かに食糧へのタイトル変えも必要かもしれませんね