会長は、「西欧社会が現在に至るまでフランス革命から200年を要した。中国は1949年に建国したばかり」と指摘し、西欧諸国の強い思いはよく理解できるものの、中国に急激な変化を期待するのはいかがなものかと述べた。
さらにロゲ会長は、英国、フランス、出身国ベルギー、ポルトガルを例に取り、1949年当時共通して「植民地保有国として問題を抱えていた」との認識を示し、「ようやく植民地の独立を承認したのは40年前。もう少し謙虚な立場を取るべきでは」との見方を示した。
ここからわかることはまず、ロゲ会長のような西欧のエリートは、中国をわずか60年程度の歴史しかない、若い国と見ているということです。3000年の歴史とかそういうことは、エジプト人やイラク人がエジプト文明やメソポタミア文明の子孫を名乗ることくらいバカげたことと見ているようです。
また彼らは、あらゆる文明は自分たちと同じような発展段階を経て、自分たちと同じような形になるのだと感じているようです。現代のヨーロッパこそ文明の到達点というわけで、19世紀から変わらない、相変わらず傲慢な世界観です。
ちなみに、西欧は静かに粛々と成長してきたわけではありません。成長の過程でたくさんの弱者を殺し、世界中の異文化を破壊し、そのあげく近所同士で大戦争を繰り返して、ようやく今に至りました。ということは、中国も大人になる過程で同じことをするに違いないわけで、恐ろしい解釈をさらりと口にできるのは、しょせん西欧は中国から離れているからでしょうか。
チベット問題についてロゲ会長は、「北京五輪が無ければこの問題は新聞の一面ではなく4-5ページ目に掲載されたのではないか」と述べた。
これは良くわかります。一緒に長野のリレー報道を見ていた70近いぼくの父も、溢れかえる中国の国旗を見て、「こんなのおかしい」「気持ち悪い」とさかんにぼくに同意を求めていました。オリンピックのおかげで、世の中の情報はテレビと朝日新聞から得ているぼくの父のような層にも、中国という深刻な問題の姿があぶりだされました。
しかしロゲ会長のこの発言は、五輪というものを平和の祭典と思い込んできた人間の耳には、なかなかショッキングな内容です。なにしろ会長みずから、五輪は告発の道具だと述べているわけですからね。
最初からそうはっきり告げられていれば、中国も五輪開催に立候補などしなかったでしょうに。中国首脳は、今ごろ地団太を踏んでいるに違いありません。
それともまさかロゲ会長は、チベットのことなど、本来は新聞の1面などにふさわしくない、取るに足らないことだと言おうとしたのでしょうか?
中共の指導者たちにとって、この問題によって自国の国際的な評判が
悪くなることについては、まったく興味のないことでしょう。
彼らは内政にしか頭にないのですから。
海外のメディアがどんなにまくし立てようとも、国内のメディアはすべて
抑えてあるので、自国には影響ありません。言うだけ無駄です。
やはり、欧米「人権教」と中華思想による「宗教戦争」(イスラムも加わって三つ巴になるか?)はもう避けられないところまで来てるんでしょうね。
学生の頃、交通の便が悪い山間部や外部の人が余り訪れない僻地が「日本のチベット」とか「○○県のチベット」と呼ばれていた記憶があります。それは、単に「遠く遥かな」とか「俗塵に塗れてはいない神聖な」とか云う憧憬的なニュアンスよりも、どちらかと云えば馬鹿にした・侮蔑的差別的なニュアンスをもって語られていた言葉であったように思います。
交通の往来や物の流通が多くなり人の動きが活発になることが発展であり、また成長に欠かせないことなのだと思い込まされて来た、と云う意味においては、我々もまた例外ではないと思われますがいかがでしょうか。
昨日の某ワイドショーでは「長野では平和だった聖火リレーがたった10年でこんな事になってしまいました」とか、まるで聖火リレーが刻々と変化してきたみたいな言い方をしていました。
「アテネから真っ直ぐ開催地へ向かう従来のスタイルに戻るべき」みたいな論調もありますが、何か問題点を誤魔化しているように感じます。
ただ、今回これだけ抗議活動が盛り上がってしまうと、次回以降はどうなってしまうんだろう。
彼は、きっと歴史の中にしか生きることのできない人物だということなのでしょう。 >ロゲ会長。
大体この人の発言はとんでもないことが多いですし。
この人の発言で毎回思うのは、オリンピックを開会し、無事閉会したいという目的が先にあるのであって、発言内容はそれをどう正当化させるかなどであって、バックグラウンドにある思想や理念など感じません(笑)
『お前らいちいちうるせんだよ!
どれだけ金が動いてんだと思うんだ?
お前らの国からも金だしてる連中いんだろ?
くだらねえこと言ってないで協力しろ馬鹿やろう!』
と言うことをいろいろと形を変えて言っているだけにすぎないかと(笑)
特権を振り回してきたIOCには中国同様、というかそれ以上に苦しんでもらいたいと思ってきましたが、
「我々西洋人も一昔前は植民地持って酷いことしてきたのだから、そんなにがたがた騒ぐのはやめましょうや」、という超謙虚ともいえる見方を探し出してきて事態を収拾しようとしている。
まあ彼らにとっては一番賢い逃げ方だとは思います。しぶといな・・。
でもこのロゲさんの言い分はいつもの中国とかぶる所がありますね。都合が悪くなると「中国は未だ途上国」と言い出すとこなんか。
で、その途上国を開催国にしたIOCの責任は?
五輪が途上国社会の発展に役立つというなら、これからもドンドン不安定な途上国でやったらいい。
日本&ヨーロッパ諸国は露骨な植民地主義・帝国主義政策からかなりの部分は脱却できました(搾取の構造はまだ残っていますが)。
その反面、中国・ロシア・アメリカは未だに(広義の意味での)帝国主義政策から脱却できない。
脱却できない主要因は、中国・ロシア・アメリカには、社会の自然な結束を困難にするほど多民族が存在するからでしょう。
しかし、日本&ヨーロッパも「俺たち『人権』を大事にするような歴史的発展段階の最先端に居るもんね」といつまでも得意気になってはいられないように思います。
将来、エネルギー・資源問題の深刻化によって、
ヨーロッパ帝国主義は復活するかもしれません。
歴史の推移は「人権」という上部構造よりも、「物的資源」という下部構造の唯物論的なもので動くところが大きいように思います。
人権問題(基本的には内政問題)ではなく植民地問題(基本的には外交問題)として取り上げろと言っているわけですね。
個人的には、中国全土が中共(以前は皇帝家)の私的な植民地もしくは「牧場」と思っていますが。
翌日のアサヒだかの一面の見出しに
「沿道赤く染めて『愛国』の旗」
などと書かれていて、いろんな思いが噴出してきて、仕事先だったにも関らずクラクラ来ました。
「自国の国民が締め出された沿道で、他国(色々と問題視されている話題の多い)の国民(恐らくは大半がサクラでしょう)が密集して、今では白眼視されがちな赤旗を満面の笑顔で振っている」
という光景を
「愛国心溢れる心温まる光景」
と言い切ってしまえる厚顔無恥さと現実との齟齬感には戦慄すら覚えます。相変わらず「我らが笛吹きゃ読者は踊る」という自らの傲慢さに気付いてすらいない様ですね。
と言いますか、日本人の愛国心は真っ向から否定するくせに、中国人のそれはオッケーなんですかねぇ…。