そこで国際関係委員会のページに行き、実際にどんな議論をしていたのか読んでみたのですが、退屈な内容にがっかりしました。ニューヨーク・タイムズやロサンゼルス・タイムズのような刺激的な日本バッシングは見られず、発言の一部を取り出せば日本に厳しいと思われる意見も、発言全部を読んでみれば極めて穏当で日本への配慮を強くにじませ、むしろ全体としては、日本擁護の声が目立つほどでした。
そんな刺激のない「日本と近隣諸国」公聴会でしたが、ひとつだけ教えられたことがありました。
この公聴会の中で唯一歯に衣を着せずに日本を叩いていたのは、参考人として発言した、ミンディ・コトラーさんという「ワシントンの有名なコメンテーター(週間東洋経済)」です。彼女の発言をまとめると、こうなります。
「日中ともども問題のある未成熟な国で、両者とも時代遅れの帝国主義的世界観を抱いており、内政の矛盾がナショナリズムとして噴出している。アメリカは圧力をかけてドイツの反ナチ法と同様の法律を日本に成立させ、中国はそうした日本の努力を認める形で反日教育を止めなければならない」
日中摩擦を論じるとき、普通の「反日左翼」は、中国をもちあげて日本を貶めるか、中国の存在を無視して日本を批判します。しかし彼女は、日本と中国は同じ穴の狢であり、ともに外から正しい方向に導いてやらなければならないと主張します。
公聴会について大々的に取り上げた朝日新聞は、この激しい日本批判については一言も触れませんでした。欧米人の反日発言に飢えているはずなのになぜなのか?興味深いところです。
しかし彼女の発言から教えられたのはそこではありません。コトラーさんは、靖国問題の解決に向けて、極めてユニークな提案をします。面白いのはそこです。コトラーさんは言います。
靖国神社を「現代化」するには、戦犯を分祠するのに加えて、首相か天皇による、靖国のChinriesha参拝を議論すべきかもしれない。この神社は、第二次大戦の連合軍兵士を含む、日本帝国と戦ったすべての兵士を祀っている。そこでは兵士たちは集団として祀られているが(靖国本殿では個々の兵士が祀られている)、毎日二回神道の儀式が行われ、7月13日には独自の祝祭が行われている。今のところChinrieshaは境内の隅に柵で囲われ、隠されている。・・・Chinrieshaは、和解の劇的なシンボルとして有望である。
チンリーシャ?これ実は、靖国神社の中にある「鎮霊社」のことなんですね。寡聞にして知りませんでした。
ネットで調べた所、今年八月に東京新聞が鎮霊社の特集を組んだようですが、それでもグーグルでのヒット数は4万5千あまりと少数です(「遊就館」は38万6千)。
1965年に建立された鎮霊社については、「天皇のために戦った兵士とそれ以外の戦死者を差別している」とか「分祠論に道を開く」等の理由で、靖国参拝賛成派から語られることはほとんどなく、主に左の人たちの間で議論されてきたようです。今年10月に一般公開されるようですが、なぜ建立されたのか、なぜこれまでその存在を「隠して」きたのか?政治的な議論は別にして、「裏靖国」に興味が尽きません。
コトラーさん、鎮霊社のことを教えてくれてありがとう。勉強になりました。

どんな法律になるんでしょうね?
次から靖国神社に行く時には鎮霊社にもお参りします。
アメリカがもし反ナチ法のような言論弾圧を日本で成立させるように圧力をかけたら、それこそBSEの時とは桁違いの嫌米感情が日本で起こると思いますよ。まあ、アメリカは昔から中国政策が甘いですけど。
こんなので、アメリカの圧力によってドイツの反ナチ法と同様の法律が日本で成立したら、それこそ日本は反米一色に染まりそう。ミンディ・コトラー氏は中共の回し者のようにしか思えない……。
Japan overrated as US ally By Mindy Kotler Apr 1, 2005
http://www.atimes.com/atimes/Japan/GD01Dh01.html
>the Yasukuni Shrine that holds the ashes of
>Japan's World War II soldiers and convicted war criminals.
こんな情報はどこにも無い筈なんですけどねw。
鎮霊社に関しては「現代史の対決(秦郁彦)」所収の「鎮霊社のミステリー」に詳細が。
神道上の鬼っ子であり、またカッコ付きでない分祀の数少ない実例を持つ社の一つでもある様です。
直近の東京新聞のアレな記事はこれです。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060829/mng_____tokuho__000.shtml
まoribeさん解ってて書いてるような気もしますがw
北京音ですか?
コトラーの発言のソースの
http://www.japanfocus.org/products/details/2060
を見たらちゃんとChinreishaになってたから、彼女の単なる勘違いですね。あんまり慎重ではない人なんでしょう。
レス有難う御座います。
いや、何しろあんな感じの人ですから、
或いはミソもクソも一緒くたなのかなぁ、なんて思ったんですけどね。
どこの国でもいるのですね、ヘンな人だなあw
コトラーさんはすごくいいアイディアだとご満悦なんだろうな。双方の事情も知らず適当な事を言って、とにかく仲裁しようとするおばさんはどこにでもいるもんですが・・・
中国はどうか知りませんけど、日本は「帝国主義時代の事を現代の価値観で断罪するな」と言う主張をしているだけでしょう。それを捻じ曲げて「日本は帝国主義を清算していない」というのは悪質なデマ宣伝としか言いようがないです。
仏教だと動物は人と違って霊魂がない、成仏できない、だから「畜生」なんでしたよね。
>両者とも時代遅れの帝国主義的世界観を抱いており
この人のいう帝国主義的世界観ってどういうものなんだろう。その定義をぜひ聞きたい。
私の認識だと帝国主義は植民地主義とセットなんだけど、日本が植民地を復活させたがってるとでも? なんの目的で?
もし覇権主義ってことなのなら、中国はともかく、日本なんかよりアメリカの方がはるかに覇権主義的だろうに。
>「このタイプのナショナリズムの最悪の形は植民地主義です」
とか突飛な発言をしてましたね。
どこぞで「帝国主義」「植民地主義」が合言葉になっているのでしょうか。
反ナチ法って自由民主主義から、とっても遠い感じがします。韓国の親日ナンタラ法の方が感覚的には近いというか・・・。
そんなものを他国に押し付けようという傲慢さには辟易します。
さすがWGIPを作った国の方です。他国民を踏みつけにするのを何とも思ってらっしゃらないようですね。きっと自国民用には罪悪感を抱かなくて済むようなプログラムを実施されたことでしょうとも。
こんなコト言ってるから安易に他国に戦争しかけちゃうんですよぉ。ブツブツ・・。
損した上に何十年も非難され続け、恨まれるだけの植民地(併合)なんて、大損もいいとこです。
右派、保守系であればあるほどこういう認識が強いわけで、「損するだけの植民地なんて頼まれたってごめんだ!」って結論だと思うんですね。
逆に「日本はアジア諸国から収奪した」と、植民地主義で日本が得をしたような主張をしているのは、左系の知識人、いわゆる平和勢力とか良心勢力とかいう人たちでしょう。
こういう人たちは当然ながら帝国主義や植民地主義には絶対反対なわけで・・・
だとすれば日本では右も左も「植民地なんて2度とごめんだ!」ってことじゃないですか。
どこに帝国主義の復活を望む人がいるんですかね?
この方は中共の意を受けてるってわけでもなさそうだし、どのへんを買われてご活躍されているんだかよく分りません。
潔癖で教条主義的左翼なら自国アメリカも矛先に挙げそうなものですが実際どうなんだろ?
発言を注視すべき人物がまた一人増えました。
http://wdsturgeon.googlepages.com/kotleressay
マイケル・グリーン氏などの知日派とミンス系知日派の間にはイデオロギー的対立以外にも、政権に就いていたか否かという経験の差があると思います。共和党は日本人や世論の変容ぶりを目の当たりにしてますから、迂闊に手を出すと大変だという実感があると思いますが、ミンス系は10年前の記憶が更新されていないのではないでしょうか?コトラー氏の提案はトンチンカンですが、アメリカが、これからシナを叩いたり日本を叩いたり、両方叩いたり大忙しになることについては同意します。
oribeさんが読まれたのは事前配付資料で、当日の議会ではコトラーは基本的にこれを読む形で証言するものの、資料最後の結論部分(鎮霊社とか反ナチ法云々の電波部分)は、隣に座っていたグリーンに瞬殺されかねないと空気を読んだのか(笑)触れずじまいでした。
エントリ中に上げられている米国議会のサイトには当日の議事のビデオもありますのでご確認ください。
なお、私が気になったのは「ソートリーダー」論(今年の年初に麻生外相が発表した日本外交の包括的コンセプト)を日本は引っ込めるべき、という主張で、どうにも天才釣り師麻生を警戒する中国様(?)の意向が反映されている気がしてしょうがありませんでした。
北京音ですか?
Posted by k.c at 2006年09月20日 20:45
いいえ、北京語でもありません。
北京語では「ジェン・リン・シャ」です。
ただの無知でしょう。
かといってそこまで海外世論へ訴えかけることにはならないでしょうけど。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=80843&servcode=200§code=200
米下院慰安婦決議案「事実上廃棄」…日本、また執拗なロビー
中略
再び立証された日本の強大なロビー力も米国内で論争を起こしている。ボストングローブは「決議案759号の紆余曲折は外国政府のロビーが議員数十人の意志をどう曲げたのかを示したもの」と伝えた。日本は2001年と2005年にも慰安婦関連決議案が上程されることができないよう阻止した前歴がある。対外政策関連非政府機構であるアジアポリッシュポイントのミンディ・コトラー代表は「今回の事案は従軍慰安婦問題だけではなく、米国の政策決定グループに深く根付いた日本の影響力の問題を示している」と指摘した。
パンダハガーなのかキムチハガーなのか。
どちらかというとカニサンド(crab cake)ですね。